「シャープネス・クロー」
「マジカル☆ダブルトマホーク」
エステルの両手に鋭い鍵爪が装着され、アリサの魔法のバトンが両刃の斧に変化。
「ダブルトマホークブーメラン!」
そして斧を投げた。
「ヘイスト」
魔法で一気に加速し、斧を軽々とかわすと、エステルはアリサの懐に飛び込み-
ガキッ
割り込んできたマジカル☆ホナミの包丁を、交差した鉤爪で受け止める。
「やるわね」
「そっちも」
軽く会話し、さっと離れる。今の一瞬の攻防で、エステルもホナミも相手の力量を感じ取っていた。
「アリサちゃんだけでも厄介なのに……」
ちらっと横を見るエステル。アオイとエリカは刃を打ち合わせたままこう着状態。
「マスターは役立たず……」
ちんこをへし折られた大和は、むきゅーと目を回したまま。もしかしたら再起不能かも。
「ま、やるしかないか」
ぺろっと舌を舐め、エステルはさっと駆け出す。長い金髪をはためかせ。
「アオイ……」
レイピアと刀を打ち合わせながら、エリカはじっとアオイの瞳を見つめる。
以前と同じように強気で真っ直ぐなアオイの瞳。
アオイもまたエリカの瞳を見ていた。天然の青い瞳。そして長い金色の髪を。
エリカはレイピア、アオイは刀。このまま打ち合ってたら、エリカのほうが不利。
細いレイピアは、打ち合うのには向いていない。
「はっ!」
それが分かってても、エリカは引かない。鋭く踏み込んで瞳を狙って突く。
「くっ」
わずかに切っ先が睫毛をかすり、アオイの方から引いた。あのままかわしてなかったら、確実に目玉を貫かれていた。
「危ないじゃない」
「無駄口叩かない」
相手が引いた隙にエリカはスカートをはためかす。
「ローゼスビット」
スカートの中から飛び出すバラの花。
「シュート」
花弁から放たれる魔法の光線を、アオイは避けようともしない。
刀の峰で光線を受ける。磨き上げた鏡のような刀身は、光線をあっさりと弾き返し、逆にローゼスビットを撃ち落とした。
「嘘っ!?」
「そう何度も、同じ技は効かない!」
怯んだ隙にローゼスビットがまた斬り落とされる。
アオイはずっとエリカと一緒に戦ってきた。敵としても何度も戦っている。
ローゼスビットの軌道を読むぐらいには慣れていたのだ。
「ならこれはどう。ローゼスハリケーン!」
バラの花が竜巻のようにアオイを包み込み、全方位から一斉射撃!
「ミラージュブレード」
だが。アオイの刀が幾つにも分裂していく。その数五本。そして宙に浮かんだ五本の刃とアオイの刀が、四方八方から飛んでくる光線を、全て打ち返した!
「えー。そんな、インチキ」
いつの間にそんな技、と思う間もなく、今度は宙に浮かんだ五本の刃がエリカに襲い掛かる。
「きゃーっ!」
一本はレイピアで弾いたが、残る四本が魔法少女のコスチュームを引き裂いた。
上は白、スカートはピンクのドレスがざっくりと切り裂かれる。だがエリカの白い肌には傷一つ無い。
上半身は胸元が破けて白いブラジャーが見え、スカートは短くなり白いしなやかな素足が晒される。
「エッチ!」
「うふふ。エリカの脚きれい☆」
「やだ、もう」
アオイの視線に冷や汗を浮かべながら、エリカは構える。レイピアを、そして魔力を注ぎ込んだ。
「大丈夫。優しくしてあげる」
アオイも刀を鞘に収め、居合の構えになり、魔力を高める。
「結構です!」
ちらっと横を見るエリカ。その先にはちんこをへし折られ、倒れたままの大和。
「あの男の子? エリカを抱いたのって」
「そうよ」
「そう」
ぺろっと唇を舐めるアオイ。
「すぐに忘れさせてあげるから」
それからは互いに無言でじりじりと距離を詰める。
そして間合いが一定になった瞬間、同時に必殺技を繰り出した。
「マジカル☆レイピア・ファイナルローズ」
「マジカル☆刀・ファイナル居合い!」
エリカはバラをまとったレイピアを。アオイは居合術で抜いた刀を。
どちらも全力の魔力を込めた一撃。
ざっ
身体が交差し、お互いの位置が入れ替わる。背中合わせで。
アオイの青いドレスの肩が微かに破れる。だがそれだけ。彼女が刀をちんと収めると、
「がはっ」
口から血を吐いて、エリカが倒れた。
「あたしの勝ちね」
振り返ったアオイは満面の笑みを浮かべ、床に流れる長い金髪を撫で、そしてエリカを優しく抱き起こす。
「大丈夫。優しくしてあげるから」
上半身をきゅっと抱きしめ、アオイは頬に軽く口付けし、徐々に唇に近付けていく。
手が胸に周り、柔らかな乳房をそっと揉んでいた。
「ア、アオイ……やめ……」
血の流れる口が微かに開く。アオイはその唇を己の口で塞いだ。
エリカは負けたのだ。
親友にキスされながら、エリカの青い瞳から涙がこぼれ落ちる。
「優しくするよ?」
ハァと熱い吐息を吹きかけながら、アオイはエリカを抱きしめたまま、またキスする。何度も何度も。
キン キン
両手の爪で包丁と斧を受けながら、エステルは防戦一方に追い詰められていた。
ヘイストで加速しているにも関わらず、ホナミもアリサもエステルの動きに付いてきている。
その二人の攻撃を受け流すのが精一杯で、反撃の機会すら掴めないでいた。
「エリカ!?」
そしてエステルは見た。アオイの前に敗れたエリカが、キスされているのを。
「余所見してる場合?」
「残ったのはエステルさんだけだね」
ホナミとアリサの言葉に、エステルはぎっと奥歯を噛み締める。
「それじゃ、こっちも終わりにしましょう」
一歩下がったホナミが包丁を構え、一気に魔力を解き放つ!
「 卍 解 !」
青白い魔力の嵐が吹き荒れ、その中心にホナミがいた。だがその姿は変わっている。
制服の上からエプロンを着けていたコスチュームがエプロンのみになっている。
その色は黒。裸黒エプロン。
そして手にした包丁も、長く黒くなっていた。黒包丁。
「なっ……!」
まさか卍解能力者までいるとは! エステルの瞳が驚きに見開かれる。
と、ホナミの姿がさっと消えた。
「ぐっ!」
かろうじて見えた。右。両手の鉤爪を向ける。そこに黒い包丁が振り下ろされた。
ガキッ!
疾い。そして重い。エステルの体が後ろにずささっと流される。
「へー。受け止めるとはね」
背後から声。一瞬で回り込まれた。
ザクッ
背中の黒いマントが切り裂かれる。だがエステルはいなかった。
「はぁ」
マントを脱ぎ捨て、横に飛んでかろうじてかわせた。一息つく間もなく、真上に斧が来る。
「アリサもいるんだよー」
ガキッ
魔法の斧は床に突き刺さる。エステルはこれまた横に飛んでかわすのが精一杯で、反撃する暇もない。
そして彼女はいつしか壁際まで追い込まれていた。
「ここまでのようね」
「ふふーん。もうおしまいだよー」
右から黒いホナミ、左からアリサが迫る。
「うふふ。安心してエステルさん」
無邪気な笑顔でアリサが言う。以前と変わらないように見えた。
「すぐには殺さないよ。腕を切って、脚を切って、目玉を抉って、内臓を引きずり出してあげる。
リリムちゃんやリリスちゃんのように。ふふっ。あの二人が『痛い痛い』て並叫ぶとこ、
エステルさんにも見せたかったな」
うっとりとアリサは語る。以前と同じように。
「ふー」
息を整え、エステルも覚悟を決めた。出し惜しみしてる場合じゃない。
「ナイトメア☆エステル・アクセルフォーム!」
不意に、エステルの黒いドレスの胸元がばっと開く。豊かな乳房が晒され、ぷるるんと揺れた。
ぷるんぷるん。
『Start up』
そしてエステルの姿が一瞬にして消える。
「えっ?」
「速い!」
アリサには全く見えず、ホナミでさえもかろうじて見えた。それは卍解したホナミをも超える超々スピード。
「アリサちゃん!」
ホナミが必死に黒包丁を伸ばす。
ガンッ!
アリサの目前で鉤爪が止まる。黒包丁に遮られて。そのままだったら、確実にアリサの目を貫いていた。
ぷるぷるぷるんぷるん。
そして大きく揺れるエステルのおっぱい。まるでその胸が超加速を付けてるかのように、エステルの姿が残像となって四方に分裂した。
アリサは気配で本体を探ろうとするが、残像の全てから気配を感じた。
「くっ。質量を持った分身だというの!」
無数のエステルの鉤爪に魔力が宿る。必殺技ほ光。
「アリサちゃん!」
「ホナミさん!」
咄嗟に背中を合わせ、ホナミとアリサも魔力を高めた。四方を完全に残像に囲まれ、回避は不能。
ならば。
「ナイトメア☆クロー・フルスラッシュアクセル!」
無数に取り囲むエステルが一斉に光る爪を振り下ろす!
「マジカル☆ダブルトマホーク・ファイナルブレイク!」
「マジカル☆包丁・ファイナルはにはに!」
同時に、アリサとホナミも必殺技を放つ。少しでもダメージを軽減するために。
そしてアリサはホナミの股の下に潜り込んだ。小学生で小さなアリサだからこそ。
「きゃあああああああああぁぁぁーっ!!!」
響き渡る悲鳴。
『Time over』
「はぁ、はぁ」
超加速を終えたエステルが深い吐息とともに膝をつく。開いていた胸元も閉じ、
ぷるるんと揺れていた乳房も隠された。アクセルフォームの稼働時間はわずか十秒。連続使用は出来ない。
振り返ったエステルが見たのは、がばっと倒れ込むホナミ。卍解が解け、元の魔法少女姿に戻る。変身までは解けない。
「あー、危なかった」
そのホナミの下から這い出てくるアリサ。咄嗟にホナミを楯にしたらしい。
「あんな切り札があるなんて。最初に戦ったときに使われてたらやばかったわ」
何気ない顔で、アリサは舌を出して見せた。
最初にヤマトとアリサと戦って敗れたとき、エステルはアクセルフォームを使わなかった。
捕まったので使えなかったのだ。そうでなければ、負けてたのはヤマトとアリサの方だったろう。
「さすがね。アリサちゃん」
よろめく膝を根性で抑え付け、エステルは立ち上がる。莫大な魔力を必要とするアクセルフォーム。
使った直後はろくに魔力は残っていない。それも今まで使わなかった理由の一つ。
「でも、もう奥の手はないわよね」
「さあ。どうかしら」
余裕のある笑みを見せながら、エステルは腕を上げて構える。肘を上げるのもしんどい。
「それじゃ、確かめてあげる」
ニィ、と笑みを浮かべ、アリサは疲労困憊のエステルに襲い掛かった。
「あっ! あああぅっ! イヤーッ!」
そんな戦いの最中。エリカはアオイの腕の中で辱められていた。
「あははっ。エリカ、気持ちいい? ねえ、気持ちいいでしょ?」
背後から抱きすくめ、長い金髪に鼻を寄せてエリカの香りを愉しみながら、
アオイの右手は胸、左手は股間へと忍び入っていた。
胸元は大きくはだかれ、形の良い乳房が晒され。引き裂かれたスカートの中、パンツも脱がされていた。
そこにアオイは容赦なく背後から陵辱の手を伸ばす。そして繊細で微妙な愛撫に、
エリカの体は敏感に反応してしまう。女性ならではの女の体を知り尽くした愛撫に。
「うふふ。エリカも感じてくれてるんだ。嬉しい」
「んっ……! そ、そんなこと……あうぅっ!」
コリコリした乳首を摘まれ、エリカの言葉は喘ぎに変わってしまう。
「嘘はダメだよ。ほら、こんなにしちゃって」
コリコリと勃起した乳首を擦り上げると、エリカの背筋がゾクゾクと震えるのが直に伝わってきた。
「ここも。こんなに濡らしちゃって」
「あうぅっ!」
股間をまさぐる左手が早くなる。割れ目をなぞってるだけだが、確かにしっとりと濡れていた。
「中はどうかな」
指を軽く入れる。まだ固い。その固い秘肉をぐちゅぐちゅとかき回した。
「はあっ! ああああっ!」
目を見開き、エリカの腰がガクガクと振動する。そこでアオイは手を止めた。
「うふふ。エリカったら可愛い」
「あ、アオイ……。もうやめてよぉ。こんなの、アオイじゃないよぉ」
「ううん。あたしはね。ずっとこうしたかったの」
耳元でアオイが囁く。真っ赤になった耳たぶを甘く噛んできた。
「あんっ」
「気付かなかった? あたしね。ずっとこうしたかったの。男の子みたいにエリカを抱きたかったんだよ」
「嘘! 嘘よぉっ! そんな!」
ショートヘアで活発で元気な葵。小さい頃からの親友。そんな目で見てたなんて信じられない。信じたくない。
「本当よ。ほら」
「あんっ!」
乳首と股間を同時になぞられ、エリカの体が悶える。アオイの腕の中で。
「うふふ。ずっとこうしたかったんだよ。男の子に先を越されたのは悔しいけど。これからはずっと一緒だしね」
股間をまさぐるアオイの人差し指がさらに中に挿れられる。ギチギチと固い肉を掘り進んで。
「ぐうぅっ! ダメ! それ以上は!」
「ねえ。男の子ってどんな感じだった?」
耳たぶをしゃぶり、熱い吐息を吐きかけながらアオイが訊いてくる。初めて聞くような艶っぽい声で。
「あたしと……どっちがよかった?」
「アアアー!」
アオイの指がどんどん奥へと入っていく。処女膜があったなら破かれてる所まで。
「ヒイィッ! 抜いて! 抜いてアオイーっ!」
裏返った声で必死になってエリカが泣き叫ぶ。溢れる涙が白い喉まで濡らしていた。
「だーめ。エリカの中、とっても暖かくて気持ちいいんだもん」
ぐちょぐちょに濡れた指先に意識を集中し、アオイはうっとりと呟いた。
固い肉壷が締め付ける感触が、敏感な指先に絡まる心地よさ。これが男の子の性器だったらどんな感じなんだろう。
「い、イヤーッ! アオイ! 抜いて! お願いだからーっ!」
「うーん。やっぱり指だけじゃ嫌?」
ずぼっ、と残念そうにアオイは指先を引き抜いた。
「はぁ……あぁ……」
滂沱するエリカを見下ろしながら、アオイは挿入していた指をぺろっと舐めた。
「うん。エリカの汁、しょっぱくて甘い」
「やだぁ。やめてよぉ」
泣きじゃくるような声でエリカはイヤイヤと首を振る。ピンクのリボンが結ばれた長い金髪も振り乱れ、アオイの頬を撫でた。それが気持ち良い。
「アオイ……お願いだから、もう……」
小さい頃は泣いてたら葵が助けてくれた。でも今は……魔法少女になったマジカル☆アオイに泣かされている。それがたまらなく悔しくて悲しかった。
結局……アオイを助けることなんて無理で。こうやって辱められるだけ。
「うふふ」
アオイは妖艶な笑みを浮かべ、エリカをそっと床に仰向けに倒す。長い金髪がふわっと床に広がり、背中に冷たい感触がした。
「可愛いわ。あたしのエリカ」
上に覆い被さってきたアオイが、顔を近付ける。唇を尖らせて。
「アオイ……」
エリカはもう抵抗することなく、キスを受け入れた。優しいキス。軽く触れ合っただけで、すぐに唇を離す。
「エリカ。大好き」
そしてアオイはエリカの眼前で、自分の胸元に手をかけ、一気に引き裂いた。
魔法少女の青いドレスが引き裂かれ、小振りの乳房が微かに揺れる。下を向いているせいか、重力で引っ張られ、いつもより大きい感じ。
「見て。ここ、もうこんなになってる」
アオイはブラジャーも着けていなかった。先端のピンク色の蕾はぷっくらと尖っている。
エリカを辱めてるうちにアオイも興奮していたのだ。見てと言われてエリカはさっと目を逸らした。
「ほら。ここが」
アオイが胸を突き出して、体を寄せてくる。
「重なると気持ちいいんだよ」
「アッ……」
思わずエリカは嬌声を上げてしまった。
乳首が触れ合った途端、軽く電気が走ったような甘い衝撃が伝わったから。
「かわいい☆」
体の下で真っ赤な顔をしてビクンと跳ねるエリカが可愛くて愛しくて。
絶妙のタッチで尖った乳首と乳首をツンとくっつける。
「んっ……あんっ……んふっ……やんっ」
ビクッ、ビクッと、乳首が擦れあうたびに、電気に打たれたかのように痺れてしまう。
それが気持ちよくて。不思議と嫌悪感はない。
「お願い……。アオイ……」
「もっと?」
むにゅっ。体重を乗せてアオイが胸を重ねてくる。
アオイの小振りの乳房がエリカの豊かな乳房に重なり、沈んでいった。
「わー。エリカのおっぱい柔らかいー」
「セクハラー」
涙目で訴えるエリカの顔を見て、ゾクゾクとアオイの背筋が震える。歓喜で。
「これなーんだ?」
胸をくっつけながらアオイが差し出したのは腰から鞘ごと抜いた刀。
「刀?」
「そう。これをね」
腰を上げたアオイは、刀を納めたままの鞘を、スカートの中、股間へと突っ込む。
「え、ええっ!?」
「んー。やっぱきつい」
スカートの中は何も穿いていない。その割れ目はぬるっと濡れているが、刀の鞘が、
乙女の肉壷にずぼっと入っていった。
「は、入らない! 無茶だよアオイ」
「大丈夫」
やや苦しそうな顔で、それでも笑顔で、アオイは鞘をずっぽりと、股間に挿入して見せた。
「あたしね。ダミちゃんたちにずっと抱かれてたんだよ。だからこれぐらい平気」
「アオイ……」
きゅんと胸が苦しくなる。今までアオイがずっと受けてきた陵辱を思うと。
女の子同士のエッチに慣れてるのも、鞘が入るぐらいに肉穴が拡がるのも、ずっと犯されてきた成果。
「ごめんね……アオイ……」
ツーと涙が頬を伝う。その涙を手で拭き、アオイは己の股間をエリカに突き出した。
鞘ごと刀の刺さった股間を。
「さっ。今度はエリカの番だよ」
「えー! ええええーっ!?」
同情も束の間、さすがに戸惑ってしまう。
「さ。こっちをエリカのここにっ、と」
鞘を股間に挿れたまま、今度は刀の柄をエリカの股間へと突きつける。
「きゃー! 無理! ぜーったい無理!」
叫ぶ間に固い先端が、割れ目にぴたっと当たる。刀の柄の先端。
「死ぬーっ! そんなの、そんなの入らないー! 死んじゃうーっ!」
「大丈夫、大丈夫」
柄を手で支えながら、アオイはぐっと力を込めた。
「ひっ……あぎゃああああああーっ! 死ぬ! 死んじゃうーっ!」
めりっ、めりっ。肉穴を引き裂くように押し広げ、刀は無情にもエリカの膣内へと差し込まれた。
「いぎっーっ! 死んじゃうーっ! 抜いて! 抜いて抜いて抜いてーっ!
死ぬーっ! 死んじゃうんーっ!!!」
メキッ、メキッと肉を裂きながら入ってくる刀に、エリカの腰がばたつき、浮き上がる。
「うふふ。エリカったらそんなに喜んじゃって」
「大和! 大和ーっ!」
親友の刀に犯されながら、エリカは半狂乱になって叫んだ。
「助けて! 大和ーっ!」
その頃エステルは。
「どうしたのエステルさん? もうおしまい?」
アリサに一方的に攻め込まれていた。
「はぁ、はぁ」
アクセルフォームで疲労困憊したエステルは、アリサの斧を避けるので精一杯だった。
それでも黒いドレスのあちこちが切り裂かれ、マントととんがり帽子が千切れ飛んでいる。
「そんなんじゃ、リリムちゃんたちみたいに、切り刻んちゃうぞ」
「マスター……」
冷たい汗を流しながら、エステルは主を小さく呼んだ。
そして大和は‐
「ん?」
誰かに呼ばれたような気がして、大和はふと立ち止まった。
「ここどこ?」
そして気付く。周囲は真っ暗な空間。なぜだか人間の姿の『大和』で一人立っていた。
『ここは君の脳内妄想空間』
不意に声がする。先程の疑問への答だろう。
『やあ。僕はちんこの妖精』
いつの間にか目の前にちんこが浮かんでいた。どう見てもちんこ。男の性器。
「えーと……ちんこの妖精?」
『そうさ。全てのちんこには僕たちちんこの妖精が宿ってるんだよ』
ちんこの形をした妖精が、口も無いのに喋る。大恐怖。
「なんでここに?」
『うん、それがね。僕はんもうすぐ死んじゃうんだ』
「なんで?」
『君のちんこがへし折られて、もうすぐ死んじゃうからさ』
言われて思い出す。アリサにちんこをへし折られた瞬間を。
しかし、あのアリサがどうして?
「くそっ、ダミアンめ。よくも優しいアリサを洗脳したな!」
それしか考えられない。あの優しい妹が、ちんこをへし折るなんてするわけない。
「それで、ちんこの妖精さんが、死ぬ前に最後のお別れを?」
『君はそれでいいの?』
「と言うと?」
『ちんこの妖精の僕が死んじゃったら、二度とちんこは使えないんだよ』
「おしっこも、射精もできないと?」
『うん。そうだよ。それでいいの?』
「うーん。不能になっても死ぬわけじゃないし。ちんこなくてもエッチはできるよ」
『そう。それでいいなら、僕は何も言わない。さようなら』
「あー。でもほら。何か手があるんだろ?」
『うん。ちんこを甦らせる方法はあるよ』
「どんな?」
「幸いというか、今の君は悪魔だ。僕が協力すれば、ちんこフォームに覚醒できる!』
「ちんこ……フォーム?」
『そう。ナイトメア☆ちんこが使えるんだ』
「ダミアンみたいに?」
『うん。彼のちんこの妖精はかなり優秀だね。もしかしたら、ちんこの妖精王かもしれない』
「うーん。それはいいんだが。何か問題ある?」
『うん。ちんこの妖精の僕の力を借りるということは、ちんこの業を背負うということだ』
「ちんこの業?」
『そう。命の源を生み出すちんこを万能の道具にするのは、それだけ業が深いということだよ』
「よく分からんが、ちんこの業を背負うと何がどうなるの?」
『ちんこの業を背負ったものは、ちんこの宿命を背負うってことさ』
「よし。分かった」
まだよく分からんが、業だろうが宿命だろうが背負ってやる。
「ちんこを使うことが罪なら! 僕が全て背負ってやる』
『よし。じゃあ行くよ』
そして。目の前のちんこの妖精が、大和の股間へと突っ込んでいった。
『ナイトメア☆ちんこ、発動承認』
瞬間、真っ暗な玄室が眩い白光に包まれた。
「きゃっ!」
「えっ? 何!?」
「お兄ちゃんが!」
「マスター!?」
魔法少女たちがそれぞれに驚き、目を丸くしてしまう。光の源は大和のちんこだった。
へし折られたはずのちんこ。それがむくっと起き上がり、さらに肥大化していく。
腕ほどの大きさへと。
光を発しながら、大和がむっくりと起き上がる。上半身を包む衣服がバッと裂けた。ズボンとパンツは脱いでいたのでこれで全裸。
さらにその背中から、ばっと黒い羽が生えた。コウモリの形の悪魔の黒い翼。悪魔時のヤマトの羽が、人間の大和の背中に生えている。
「これは……」アオイが呆然と呟く。「まさか……ダミちゃんと同じ?」
全裸にでっかいちんこに背中に黒い羽。天使と悪魔の翼の違いこそあれ、その姿はダミアンを彷彿とさせた。
光がやみ、微かに宙に浮かんだ大和が瞳を開く。力強い意志が宿る瞳。
大和の声が力強く響いた。
「ナイトメア☆ヤマト・ちんこフォーム!」
(つづく)