「ふええええーん」
「こーわーいー」
 頭上からの泣き声に耳を傾け、アリサはにっと口を歪めていた。
 マジカル☆アリサの頭上の木の枝から、リリムとリリスが吊り下げられていた。
「ふふふっ。そうよ。もっと泣け、叫べ。それが魔物を誘き出すエサとなるのよ」
「えーん。えーん
「おーろーし−てー」
 得意気に哄笑するアリサの頭上で、リリムとリリスはしくしくと泣くのだった。

 ルゥに話を聞いた日の深夜。日付が変わる頃。湖の上公園で、アリサの作戦は実行されていた。
 すなわち、『リリムとリリスをエサに魔物を誘き出そう作戦』である。
 ダミアン配下の魔物の目標ははリリムとリリス。ならばこの二人をエサにすればいい。実に正義の魔法少女らしい素敵な作戦であった。
 夜空は曇り。湖の上を流れる夜風がひんやりと肌を冷やしてくれる。
 木の枝から吊り下げられているリリムとリリスは、ずっとえぐえぐと泣いていたのだった。
 その木の下にいるのは栗色のツインテールの魔法少女、アリサただ一人。ただし大和たちも周囲に隠れている。
「さあ、来なさい。早く来ないと、この二人がどうなっても知らないわよ」
 待ち飽きたように魔法のバトンを回しながら、アリサは周囲に話しかける。
 夜の公園はしーんと静まり、誰もいなかったが。その誰もいない公園に、アリサの可愛い声が響いていく。
「まずね。足をちょん切っちゃうから。うん、足首。歩けなくなっちゃうよー。
 それから、手の指を切るの。まずは人差し指。不便だよー。
 それからそれから。片目に指を入れてぐりぐりしちゃうの。眼球潰れちゃうねー。でも大丈夫。もう片目は残しとくから。わー、あたしって優しい」
「ひいいいぃっ!」
「いーやー」
 アリサの声が聞こえたのだろう。吊るされている二人がじたばたともがく。
夏だというのに真っ青で冷や汗さえ出ていた。
「早く来ーい。そうだ。アリサ、歌いまーす」
 退屈してきたのだろう。ぶつぶつ呟いていたアリサは、バトンをマイクにして、いきなり歌いだす。
 曲はもちろん、
「魔法少女マジカル☆アリサ。みんな聞いてねー」

『魔法少女マジカル☆アリサ』

 マジカル☆アリサ!
 マジカル☆アリサ!
 みんなの みんなの 正義の魔法少女! GO!

 あのね いつもアリサは
 みんなの そばにいるんだよ
 あなたの影からそっと 寝首かくんだよ
 だから気をつけて 守ってね

 どんなに こわいときでも
 どんなに つらいときでも
 マジカル☆アリサの 魔法の 魔法の 呪文

245 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:19:15 ID:rC+k3kKT
 マジカライズ!

 ラララ 魔法の少女 可愛いアリサ
 LOVE LOVE ちゅっちゅっ
 マジカル☆シュートでぽん

 みんな聞いて アリサはね
 ずーーーーーーーーーと みんなのそばに いるんだよ
 いつも どこでも 背後から
 あなたを つきまとって あげる
 そして最後には 絶対 アリサが勝つんだよ

 正義の魔法 好き好き大好き
 マジカル☆スパーク あの泥棒猫ふきとばすよ
 邪魔者はみんな 殴る 蹴る どつく

 お兄ちゃんどいて そいつ殺せない!

 マジカル☆アリサ
 マジカル☆アリサ
 ちゃきちゃきアリサGO!


「みんなー。正義の魔法少女、マジカルアリサを応援してねー」
 歌い終えると、お決まりのセリフでぴしゃっと締め。
 それからいきなり、
「マジカル☆ダブルトマホーク」
 魔法のバトンを両刃の斧に変え、投げた。
「マジカル☆トマホークブーメラン」
 すぱっと魔法の斧が空を裂き、またアリサの手許に戻って来た。
「あれ? こっちかな」
 今度は反対方向に斧を投げる。
「うわっ」
 すると斧が向かう先、それまで何も無かった空間が揺らめき、黒い巨体が姿を現した。
 周囲に明かりはなく真っ暗だったが、魔物も魔法少女も夜目が利く。
「見ーつけた」
 戻って来た斧をキャッチし、アリサがキャッと飛び上がる。獲物を見つけた喜びで。
「ぐぬぬ。なぜ我が位置が分かった」
 闇夜に立ち尽くす黒い獣人。それはキツネ獣人であった。

「ナイトメア☆フォックス、キツネと参上」

 もはや隠れてても無駄と判断したか、自ら名乗る。ルゥとともにリリムとリリスを捕まえに来たダミアンの配下。
 消音機能で音を消し、光学迷彩で姿を消して近付いてきたフォックス。誰にも気取られない自信があったのだが。
「ふふーん。匂いで分かるもん。あなた、ケモノ臭いから」
「なんと」
 唖然となってフォックスは口をぽかんと開いてしまう。消臭機能はなかった。
「匂いとはな。これは盲点であった」
 素直に己の過失を認めるフォックス。というか、アリサの鼻が優秀なのだ。特にお兄ちゃんの匂いはすぐ分かる。
「ふえええーん」
「たーすーけーてー」

246 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:20:22 ID:rC+k3kKT
 頭上から聞こえてくるのはリリムとリリスの泣き声。
「待っていろ二人とも。すぐ助けてやる」
 フォックスにとっては母親の違う妹。助けたい気持ちに偽りは無い。だから
あからさまな罠と知りつつも、ここまで来たのだ。
 アリサの誘き出し作戦は大成功と言える。
「貴様っ。よくも俺の妹たちにひどいことを」
 背中の撤甲レーザーバルカンを向け、牙と爪を剥くフォックス。遠近両方ともにバランスの取れた装備。
「へー。妹思いなんだ」
 お兄ちゃん大好きのアリサは、妹思いの兄は嫌いではない。好感が持てた。
 だが勝負とは別。
「動くな」
 魔法の斧を上に向け、「マジカル☆シュート」を発射。
 斧から発射された赤い魔法の光が、リリムの顔のすぐ側を通り抜け、空に消えていった。
「ふわわーん」
「当たっちゃう〜」
 リリムとリリスの泣き声が一層大きくなる。恐怖で。
「き、貴様。どういうつもりだ」
「動くと、あの二人を殺す」
「え、えー!?」
 フォックス、顎がかっくんかっくん落ちる。
「動くと殺す。魔法を使うと殺す。武器を使うと殺す。姿を消しても殺す。
あなたが逃げても殺す。殺気を感じるとすぐ殺す。何もするな」
 アリサの目は冷たく輝き、そして殺気に満ち。フォックスはすぐに悟った。本気だと。
 しかし、これは、いくらなんでも。
「貴様! それでも正義の魔法少女か!」
「そうだよ。だから悪の魔法少女を殺したくて、うずうずしてるの」
 アリサの目は座っている。殺気で。
 本気だ。こいつ、本気で殺す気だ。フォックスは戦慄すら覚えていた。
「いやー。死にたくないー」
「たーすーけーてー」
 アリサの言葉、そして殺気が伝わるのだろうか。吊るされた二人がじたばたもがく。だが逃げられない。
「……俺が、動かなければ、妹たちは解放するんだな」
「うん」
 ニッと口の端を歪めるアリサ。
「だから動かないでね」
「承知した」
 バルカンを、牙と爪を引っ込め、フォックスはその場に立ち尽くす。
「えい」
 アリサはぶんと魔法の斧を投げた。
 くるくると回転する凶悪な刃が宙を裂いて高速で向かってくる。だがフォックスは動かなかった。
「ぎゃあっ!」
 ずばっと斧が右足の膝を切り落とし、アリサの手に戻っていった。
「へー。本当に動かないんだ」
 手にした斧を振り上げるアリサ。片脚で倒れ伏したしたフォックスは、そんな魔法少女を毅然と睨み付けた。
アリサの向こうに見えるのは、吊るされたリリムとリリス。
「すまぬ……」
 それがフォックスの最後の言葉となった。
 きゅいーんと斧に赤い魔力が集まり、振り下ろされる。

「マジカル☆ダブルトマホーク・ファイナルブレイク」

247 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:21:21 ID:rC+k3kKT
 どごっ

 薪割りのようにフォックスの身が縦に割れ、斧が地面に突き刺さり、しゅーしゅーと煙を上げた。
 そして二つに割れたフォックスは、闇となって崩れ去った。この世界で死んだ魔物は死体を残さない。
 フォックスの完全消滅を確認し、アリサは斧を振り上げ、ぱちっと可愛らしくウィンク。
「マジカル☆」
 正義の魔法少女マジカル☆アリサの完全勝利です。正義は勝つ。

「うえーん。ええええーん」
「えーん。えーん」
 頭上からはまだぴーぴーと泣き声がする。
「うるさいなぁ。そうだ。殺せばいいんだうん。そうしよっと」
 アリサが魔法の斧を頭上に向けると、
「わー! 待て待て待て」
 近くの木の影から大和が飛び出し、すぐにアリサを止めた。
「駄目だろう。解放するって約束したじゃないか」
「いいんだよ。悪い魔物の約束なんか破っても」
「だめー!」
 大和は両手ででバッテンを作り、カーと目を光らせる。アリサはぶーと口を尖らせながらも、斧を下ろした。
「怖いわんー」
「わー。怖い」
「うーん」
 大和が隠れていた木の後ろには、ルゥと明美先生とエステルもいた。ルゥは犬耳を押さえて丸くなり、明美先生とエステルもすっかり青ざめている。
 ちなみに変身前の大和と明美も暗視は利く。変身前はごく普通の少女である正義の魔法少女とは違い、呪いを受けた身だからだ。
「よーし。今日はこのまま、撫子お姉ちゃんを殺しちゃうぞー」
「おーい」
「楽しみだな。へへ」
「そんなことしないから。帰りますよ」
「えー」
「ほら。帰るぞアリサ」
「はーい」
 ぺたっと兄に抱きつくアリサ。そのままがくっと脱力。
「アリサ?」
 胸に抱きつく妹を見下ろすと、くーと寝入っている。深夜。小学生はもう寝ている時間。大和だって眠い。
「やれやれ」
 変身したままのアリサを背負い、大和は暗い夜道を歩き出した。
「ふえーん。置いてかないでー」
「おーろーしーてー」
「おっと忘れてた。エステル、あの二人は頼む」
「はいマスター」
 魔法の箒に乗ったエステルがリリムとリリスを降ろしてやった。
「えーんえーん。怖かったよー」
「ふえええ〜ん〜」
「はいはい。みんなお家に帰るよ」
 みんな一緒に家に戻る。明美先生とルゥはまた明日と別れた。
「ぐー」
 大和の背中でぐっすり寝入るアリサ。こうしてると無邪気で無垢な少女にしか見えない。
 でも。マジカル☆アリサは正義の魔法少女なのです。

248 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:22:27 ID:rC+k3kKT
「ほーら。お家に着いたよー」
 家に着き、二階のありさの部屋に、変身したままのアリサを寝かせてやる。
変身は基本的に、本人が解除するか魔力を奪わないとずっとそのまま。だから気絶しても眠ってもそのままなのである。
 ベッドに優しくアリサを寝かせ、そっと立ち去ろうとする大和。するとシャツの背中が掴まれた。
「いっちゃやだー」
 アリサが瞼を半分だけ開けて、こちらを見上げている。
「はいはい」
 苦笑しながら大和は振り返り、手を握ってやった。小さく柔らかい妹の手。
「今日はもう寝なさい」
「おやすみのちゅーして」
「おやすみ」
 口を尖らせるアリサにそっとキス。甘い蜜の味。
 大和はすぐに口を離すが、アリサは首に手を回して離さなかった。
「アリサ?」
「今日はずっと一緒にいて。そうじゃないとやだ」
「甘えん坊」
 くすっと笑い、大和もアリサの背中に手を回した。長い栗色のツインテールから、甘酸っぱい香りがしてくる。
「いつまで変身してるの」
「お兄ちゃん、こっちのほうが好きでしょ?」
「いつものありさだって好きだよ」
 好き、という言葉にアリサの小さな胸がぎゅっと締め付けられた。
「今日は……いっぱいドキドキしたから」
 今もドキドキ。お兄ちゃんに抱いてもらってるから。
「して。そうなないと眠れない」
 大和は無言で口を重ねる。暗い妹の部屋。微かな明かりもない。その暗闇の向こうの魔法少女の妹はとても可愛くて。
 妹の甘い唇を瞬時味わうと、その小さな体をベッドに寝かせ、覆い被さっていった。
「んっ」
 小さな唇を割って、大和の舌が入り込み、絡んでくる。
 アリサも自ら舌を絡ませ、ちゅっちゅっと口内で淫らな音が響く。
 大きな兄の舌と、小さな妹の舌が、ねっとりと絡み合い、唾液を交換し、さらに強く重なる。
「んーっ」
 体の下でアリサが背筋を上げ、びくんっと跳ねる。その小さな体を強く抱き、大和は口を離した。
「はぁっ……あっ……」
 二人の唇を唾液が結んでいる。アリサはもうぼんやりした瞳で兄に身を委ねていた。
「お兄……ちゃん」
 アリサの手がするすると下に伸びる。大和の股間へと。
「あはっ。もうこんなになってる……」
 ズボンの上から触れたそこは、しっかりと膨らんでいた。熱い。
「お兄ちゃん」
 きゅっと小さな手がズボンの膨らみをまさぐる。くすぐったさに大和の腰が震えた。
「お兄ちゃんも、して」
 熱く湿っぽい声に大和の手も伸びた。魔法の衣装である緑のスカートの中に手を入れる。
「あんっ」
 パンツの上からなぞられ、アリサの腰も震える。
「もっと。もっとしていいんだよ」
 してほしいんだろ。大和の手がパンツの中にまで入った。

249 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:23:21 ID:rC+k3kKT
「んんー。そう、そこ。そこだよ」
 パンツの中はとても熱くて湿っていて。すっかり潤んだ妹の陰唇を、兄の手がまさぐっていく。
 そしてアリサの手は、ズボンの上から大和の膨らみをぎゅっと掴むのだった。
「くっ」
「んんっ。んー。ふわぁ。お兄ちゃんのがこんなに……お兄ちゃんがアリサのそこ触ってる」
 熱に浮いたようなとろんとした瞳で、アリサは熱っぽく早口で声を紡ぐ。
 眠たさと性感でハイになっているらしい。
「触って。もっと触って。ねえ、触ってよぉ」
 腰をくねらせながら、甘い声でねだられ、大和は指をしゅっしゅっと縦筋に走らせた。
「もっと。もっとだよぉ。ちょうだい。お兄ちゃん、ちょうだい」
 兄の膨らみを掴み手が、じゃーとズボンのチャックを降ろす。ぽんと飛び出すお兄ちゃんペニス。
 その兄の勃起を摘むと、自ら足を開きそこに導く。兄の指で濡れた縦筋へと。
 積極的な妹に苦笑しながら、大和は撫でていた指でパンツを横にずらした。そこに、アリサ自らが導くお兄ちゃんの分身が突き刺さる。
「んっ」
 アリサが眉をしかめたのは一瞬。熱くたぎる妹肉が、兄肉を受け入れ、飲み込んでいく。
「あはっ。入った。お兄ちゃん、お兄ちゃんが入ったよ」
 下半身にずっしりと兄の重みを感じ、舌を出したアリサがハッハッとはしたなく熱い息を漏らした。
「入ってる。入ってるんだよー。お兄ちゃん、ずっと、ずっとこのままぁ……」
 ハァ、と満足しきった大きな吐息。そしてアリサは兄の胸に顔を埋め、動かなくなった。
「アリサ?」
 妹の狭い膣肉に痺れながら、大和は胸に抱きつくアリサを見やる。そして唖然とした。
 アリサはくーと寝入っている。兄のちんこを挿入しながら。
「おーい」
 さすがに大和は呆れ、そしてこれからどうしようと悩む。
 勃起したブツはアリサに入ったまま。このままじゃ収まりそうもない。かといって眠ってる妹にやるのは……。
「む、むむー」
 狭い妹性肉はぎちぎちに締めつけてきて、今にも動きそうになる腰を必死に抑える。アリサはすやすやと眠り、起きる気配は全くない。
「おーい」
 兄の性器を受け入れながら、ぐっすり眠る妹アリサ。大和の呆れる声も聞こえていない。
「はぁ」
 必死に性の快感に絶えながら、大和はアリサの寝顔を見やった。兄の胸で、兄のちんこを受け入れたまま、すやすやと眠る妹の可愛い寝顔を。
「アリサ……」
 長いツインテールをよしよしと撫で、大和はさっと腰を引いた。
「うぅん……」
 微かにアリサが身じろぐ。今まで性器を埋めていた兄肉の感触が消え、物足りなくなったらしい。
 だが大和は腰のものを仕舞い込むと、アリサを寝かせたままで部屋を後にした。
「おやすみ」
 正義の魔法少女マジカル☆アリサの夏休み一日目がようやく終わります。
 激闘の夏はまだ始まったばかり。今夜は良い夢を……。
「お兄ちゃん……好き……」

250 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:24:10 ID:rC+k3kKT
 下に降りると、エステルだけが起きていた。
「リリムとリリスは?」
「もうお休みになりました」
「そう」
 泣き疲れたらしい。元は両親の部屋、今はリリムとリリスとエステルの部屋でぐっすりと眠っている。
「まあ」
 降りてきた大和に、エステルが目を丸くした。そしてクスッと笑み。
 大和の股間が大きく膨らんでいた。挿入したところで終わったのだから仕方ない。
 決まり悪そうにソファに座り、大和はチャックを開いて勃起を外に出した。
「鎮めて」
「はい」
 微笑からうっとりした表情になり、エステルは大和の前に跪いた。そして長い金髪を掻き揚げ、勃起の先端を口に含む。
「ふー」
 美貌のエステルがおしゃぶりしてくれる。それだけで大和はすっと胸がすく思いだった。
 遠慮がちにペニスの先端を口に入れ、ちらちらと弱々しく舌で舐める。そのたどたどしい愛撫が、妙に心地よかった。
 エステルが素直にしゃぶってくれるのも、服従の呪いのおかげ。くすぐったいような心地よさを感じながら、大和は言う。
「はー。いいよエステル」
「ひゃいー」
 モノをしゃぶりながら何か言うと、口の中のモノにも刺激が来る。
「よし。もういいよ」
 許しが出ると、ぺっと吐き出すようにモノを吐き出すエステル。苦く、そして臭かったのだ。
「後ろ向いて、こっち座って」
 言われるまま、背中を向きくと大和の膝の上にエステルは座る。勃起したモノがお尻に当たった。
 エステルの柔らかい尻にペニスを踏まれ、大和はビンッと痛いほどだった。
それもすぐに気持ちいい性感に変わる。
 マントを外したエステルの、背中と長い金髪と黒い羽がすぐ目の前。輝く金色の髪を一房手にとって、鼻に寄せた。
「良い匂い」
「う〜」
 エステルは恥ずかしそうに赤くなっている。屈辱かも。
 背中から胸に手を回すと、その豊かな膨らみを両手いっぱいで包んだ。
「うんっ」
 ぷるぷる揺れる豊かな美乳。まだ小学生の妹ではこうはいかない。
「エステル。僕のを、自分で入れて」
「は、はい……」
 黒い手袋で覆ったエステルの手が、お尻の下で潰れる勃起を、恐る恐る握った。
 脈動する男の象徴を手にしっかり感じ、思わず離しそうになる。だがエステルはマスターの命令を忠実に実行した。それが服従の呪い。
 一旦腰を上げると、そろそろとスカートの中に握った勃起を入れていく。
 パンツは履いていない。手にした勃起の先端を、陰毛に包まれた割れ目へと導いた。
 そして再びすとんと腰を降ろす。
「はー」
「んんーっ!」
 衝撃に大和は感激し、エステルは苦痛に呻いた。
 エステルのそこはまだほとんど濡れていない。そこに大和の勃起が下から突き刺さる。

251 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:25:11 ID:rC+k3kKT
 それでもエステルは痛みに絶え、必死に飲み込んでいった。それが命令だから。
 苦痛を少しでも和らげようと。大和は胸を優しく揉む。だが胸への甘酸っぱい感触も、股間の痛みを和らげてはくれなかった。
「んんっ。んんーっ」
 エステルの金髪が目の前でゆらゆらと揺れる。黒い羽もぱたぱたとはためいた。
 大和は乳首をクリクリ撫でながら、金髪を顔に受け、しなる白い背中をじっくりと鑑賞した。そして勃起を包む甘い女肉に、腰を痺れさせる。
「マ、マスター……んっ。ど、どうですか……」
 冷や汗をかきながら、なんとか大和のモノを腰に納め、エステルがホッと息を吐いた。
 溢れる蜜が潤滑油となり、膣をいっぱいに満たすと、痛みはほとんどなくなった。身を守る生理現象。
「ああ。いいよ」
 目を閉じて、ハァと大和は熱い息をエステルの背中に吹きかける。そして胸をぎゅっと掴んだ。
「あっ……。はっ。あ、ありがとう……ございます」
 背筋をビクビクと震わせながら、エステルも深く息を吐いた。
「エステルはさ。好きな兄がいるんだったな」
「は、はい……」
「何て言ったっけ」
「カ、カイトお兄様、です……」
 その名を口にした瞬間、エステルの膣がぎゅっと締まる。布越しに手の平に触れる乳首も一気に膨らんだような気がした。
「くっ」
 今まで散々焦らされた大和の分身は、その締め付けに素直に欲望を吐き出す。
「はっ、アアッ……」
 熱い精子を流され、大和の膝の上のエステルはガクガクと腰を揺らした。潤んだ瞳からぽろぽろと涙がこぼれた。
「ふー」
 射精の爽快感に身を浸し、膝の上のエステルの重みに安らぎを覚える。
「はぁ……あっ」
 その膝の上のエステルは、微かに泣いていた。膣内射精されたお腹を見下ろしながら。
「エステル」
 金の髪に顔を埋め、大和は後ろからしっかりと抱きしめる」
「は、はい。マスター」
 ハッとなってエステルはすぐに応える。
「今日は、一緒に寝よ」
「はい……」
 ずぶっとペニスを引き抜き、大和はエステルを立たせた。
「ピュリファイケーションしていいよ」
「はい」
 一瞬、安堵した顔になり、エステルはすぐに顔を伏せる。
 ピュリファイケーション。浄化の呪文。膣内射精されたばかりの精液も消せるので、避妊の呪文としても使えた。
「いいさ。僕の子は妊娠したくないんだろ?」
「そ、そんな……」
 ぽろぽろ泣きながら、エステルは顔を横に振る。長い金髪も左右に揺れた。
「いいから。かけろ」
「はい」
 ピュリファイケーションの呪文を唱え、体の汚れと精液を消すエステル。
「行くぞ」
 まだ暗い顔をするエステルの手を引いて、大和は二階の自分の部屋へ上がった。

252 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:26:17 ID:rC+k3kKT
 意外なことに、ベッドに入った大和はエステルを抱きしめるだけで、それ以上は何もすることなく眠りに就いた。
 大和の腕に抱かれながら、エステルも眠りに就く。その日、エステルはどんな夢を見たのだろうか。

 次の日はみんな朝が遅かった。夏休みということもあるだろうが、昨日の夜はいろいろとあったし。
 昼過ぎになると、明美先生とルゥもやって来る。いろいろと話し合うために。
 話の中心はやはりダミアンの事。理由はまだよく分からないが、リリムとリリスが狙いな以上、また刺客が来ることは確実だろう。
 こちらから攻めることも考えたが、どうにも戦力不足。ルゥの説明によると、ダミアンの仲間は20人はいるらしい。
 かといって、守ってばかりでも埒が明かない。
 どうしたもんかな、とリビングでうんうん唸っていると、別の方向から事態は動いた。
「お兄ちゃん。いいかな」
 話に加わっていなかったありさが、二階から降りてくる。金髪の少女を連れて。
 白いドレスに、腰まで伸びる輝く金色の髪。背中には白い翼の少女を。
「オーロラさん!?」
 驚いて大和は声を上げた。エンジェル☆オーロラ。以前、レイズに負けたときに助けてもらった天使である。
「はい。お久しぶりです」
 優雅に挨拶するオーロラ。
「わんー。天使だわんー」
 明美先生の背中に隠れ、ルゥは体を丸めて震えている。怖いらしい。
「ご安心ください。今日はあなたたちを退治しに来たのではないので」
 オーロラは完璧に整った美しい顔で、大和と明美とリリムとリリスとエステルとルゥを見やる。
ありさ以外は本来なら討伐すべき敵。その中にあって、オーロラは美しく輝いていた。
「でも、どうしてここに?」
「オーロラさんなら、ずっと前から家にいるよ」
 代わりにありさが答えた。
「ええっ!? いつから」
「だから6月から。ほら、助けてもらったときから、ずっと」
「ずっとって……。僕は知らなかったぞ」
「だって。お兄ちゃんに教えたら、すぐエッチなことするじゃない」
「えー」
 納得できないように声を上げる大和だが、女の子たちはみんなうんうんと頷いている。
「リリムとリリスとエステルは知ってたの?」
「知ってましたよ。ありさちゃんのお部屋の押し入れに住んでますから」
 さも当然とばかりにリリム。
「一人でかくれんぼしてるときに見つけました。驚きましたけど、一緒にかくれんぼしてくれましたよ」
 どこから突っ込もう。悩んだ末に大和は全部突っ込む。
「かくれんぼは一人でするものじゃないでしょ。それどんな遊びですか。
 オーロラさんも。住んでるのが押し入れでいいんですか。というか、ここには悪の魔法少女と悪魔がいるのに、何もしないんですか!?」
「この家は中立なのでしょう? 天使の私が約束を破るわけにはまいりません」
 にっこりと上品に笑うオーロラ。大和は頭を抱えてしまう。
「あああ、今まで気付かなかったなんて。道理で、みんないるのに誰かがお風呂やトイレに入ってたり、食事の時に一人分多いと思ってたよ」
「お兄ちゃん、にぶーい」
 大和はそういう少年である。

253 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:27:07 ID:rC+k3kKT
「つまりこの家には、正義と悪の魔法少女と天使と悪魔とが一緒に住んでるわけね。楽しそうでいいじゃない」
 明美先生の的確なまとめに、あらためて凄い家だと思い知らされる大和であった。
「ところで大和さん。妹のありさちゃんに、ああいうことをするのは」
「ああいうこと?」
「わー! わー! わー!」
 オーロラの言葉に明美先生が首を傾げ、大声で大和が止める。
 ありさの部屋の押し入れで暮らすオーロラ。当然ながら、兄妹の禁断の情事を覗き見している。覗くだけで止めはしない。
「それよりも。今日は何の用事ですか!」
「そうでした」
 居住まいを正し、オーロラはありさと目を合わせて、話し出す。
「私は、ローラさんから頼まれ、ありさちゃんを見守ってきました」
 ありさを魔法少女にした天使のローラ。大和に処女を奪われて天界に帰ったが、残されたありさが心配で、オーロラに頼んできたのだ。携帯電話で。
「ですが。先日、他の天使より応援要請が参りました」
「応援妖精?」
「字が違うよお兄ちゃん。応援する妖精さんじゃないから」
「奈良県のはにはに市という所に、魔物が集結しているとのことです。そこでこちらも数を揃えて、討伐することに決定しました」
「はにはに市?」
 大和はまだ震えているルゥを見る。
「それって、ダミアンとかいう奴の?」
「報告にはそうあります。ご存知でしたか?」
「こいつから聞いた」
 明美先生の後ろでがたがた震えているルゥを指差す。
「そうですか。知っているなら話は早いです。それで、私は討伐部隊に参加しようと思うのですが」
 視線を受け、ありさが自ら言う。
「ありさも一緒に行くよ」
「ありさもー?」
「大丈夫。ありさにお任せだよ」
 自信満々に右手を上げるありさ。
「待って。ありさが行くなら僕も」
「大和さんは来ないほうがいいと思います」
「なんでー?」
「魔法天使に、正義の魔法少女がたくさん集まるのですよ。悪魔の大和さんが来たら、すぐに成敗されます」
「う、うーん。事情を説明したら……」
「無理ですね。大和さんはこれまで、複数の天使や正義の魔法少女を襲ってますし」
「うわー、ごめん。僕が悪かった」
「まあ、それはともかく。私ならいいですけど、さすがに他の天使の方は問答無用で成敗すると思います」
「うーん。さすがに無理か」
 腕を組み、今までの行為を振り返る大和。反省してなさい。
「で、それには何人ぐらい参加するの?」
「詳しくはまだ。ただ相手の魔物は20体はいるとのことで、それより多いのは確実です」
「大所帯だな」
 時期魔王選抜戦始まって以来の大規模戦闘であろう。なんだかこっちまでわくわくしてくる。
「ありさも行くの?」
「うん。行くよ」
「ルゥの話は聞いたろ。ダミアンてのは、かなりの変態だぞ」

254 名前:ナイトメアドリーム第二十八話 [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 13:28:01 ID:rC+k3kKT
「大丈夫。お兄ちゃんで慣れてるから」
「おーい」
 ありさの言葉に、女の子たちはみんなうんうん頷いている。オーロラも。
「まあいいか。オーロラさん、ありさをお願いします」
 ちょっと悩んだが、大和はすぐに許可した。
 仲間がいっぱいというのもあるが、先日のフォックス戦で見せたような、純粋で真っ直ぐなありさの正義の心は、誰にも負けないと思えたから。
「いいか、ありさ。みんなに迷惑かけちゃ駄目だぞ」
「かけないもん」
「無茶するんじゃないぞ。やばくなったら、仲間を見捨ててでも逃げろ」
「うん。他の人を盾にする」
「お土産に、正義の魔法少女を一人ぐらい捕まえてきて」
 ありさとオーロラのパンチが、大和の左右の頬に突き刺さる。
「わーい。お兄ちゃんに、許可もらったし。どうやって、そこまで行くの?」
「電車で行きます」
「電車かよ。天使が」
 両方のほっぺたを腫らせて大和。
「すみません。電車の方が楽なので」
「私が車で送って行こうか?」
「いいえ。これは私たちの問題です」
 明美先生の申し出を、オーロラは即座に断る。悪の魔法少女の助けは借りない。
「お金あるの?」
「はい、天界の次期魔法選抜戦阻止実行委員会から、予算は頂いてますので」
「予算ねえ」
 大和はちらっとリリムとリリスとエステルを見て、
「リリムたちは予算もらってないの?」
「魔界の次期魔王選抜戦監視委員会は、予算ギリギリで私たちまでには回しません」
 顔を見合わせ、代表してエステルが答えた。
「出発は明日です。今日中に準備してください」
「はい」
 オーロラにしっかり頷き、ありさは兄の手を取る。そして潤んだ瞳で見上げてきた。
「お兄ちゃん。ありさがいなくても、泣かないでね」
「泣いてるのはありさだろ」
「女の人を連れ込んだりしたら、ダメだよ。撫子お姉ちゃんとか」
「あっ、それいいかも」
「なんですって!? 出発前に息の根止めてやる!」
「冗談冗談。オーロラさんがびっくりしてるじゃないか」
 肩をすくめながらも、この妹なら大丈夫だろうと大和は思った。
「今日は。ずっと一緒だからね」
「はいはい」
 みんなの前で擦り寄る妹を、大和は優しく抱きしめてやるのだった。オーロラも明美先生もおだやかに微笑している。

 そして翌日。
「お兄ちゃん。行って来るね」
「うん。頑張って」
 あけるり市のあけるり駅から、ありさとオーロラは電車に乗って出発して行く。ちなみにオーロラはいつもの格好で背中の白い翼もそのまま。
 目的地は奈良県はにはに市。ダミアン軍団の待つ決戦の地。
 激闘の夏休みが始まる。

(つづく)