夏休みを目前に控えた7月の日曜日。空は快晴。
小学校の保険医、松坂 明美は地元の少年サッカー大会に、医療スタッフとして参加していた。
小学校に勤務するようになって4年。長い茶色の髪を首の後ろで一本に束ねている。
「は〜。いいわねー」
一つのボールを一心に奪い合う少年たちを見て、はぁと熱いため息をつく。
瞳は半ズボンからすらっと伸びたしなやかな脚に向けられていた。スネ毛などは全くない小学生の素足。
「ううん」
ついついお腹の奥が疼いちゃう。
ピー
選手同士がぶつかり、一人の男の子がグラウンドに転がった。明美先生は救急箱を持ってすぐに駆けつける。
「だ、大丈夫です」
「駄目よ。ほら座って」
男の子をグラウンド外に座らせ、明美先生はその脚をすりすりと撫でた。
細枝のようにか細く、それでいて若さに溢れ力強い少年の脚。
「うん、いいわー」
素早く止血して消毒しても、明美先生はすりすりと脚を撫で続けた。
「あ、あの。先生」
「いいからいいから」
「先生」
「いいからいいから」
監督にもういいですかと言われるまで、明美は男の子の脚に触れていた。
サッカー大会は滞りなく終了し、明美先生も帰路に着く。でも一人暮らしの彼女には待っている家族もいない。
何をするでもなく、ぶらぶらと公園に向かっていた。まだ子供たちがいるかもしれない。
日は西に傾き、そろそろ夕日になろうという時刻。あいにくと公園には誰もいなかった。
「はぁ。どっか可愛い男の子でも落ちてないかしら」
そんな都合の良い話が……。
「いたー!」
公園の少し奥の林の中。その『可愛い男の子』はいた。落ちているのではなく、木の枝に引っかかっていたが。
「う〜んわん〜」
ぐるぐると目を回していた金髪の男の子。年齢は小学6年生ぐらいに見えた。
半袖半ズボンのとっても可愛い顔立ちの男の子。何より目立つのは短い金色の
髪からべろんと垂れる犬のような耳。背中には小さな黒い羽。小さなお尻からはふさふさの尻尾。
「あらあら。まあまあ」
恐れもなく明美は近付き、犬耳の男の子を間近で見た。
「やーん。かわいー」
喜色を上げると、明美はよいしょっと犬耳男の子を担ぎ、お持ち帰りしてしまう。
「うふふ。今日は良い日だわー。こんな可愛い子を拾うなんて」
明美の自宅は勤務地のあけるり小学校のあるあけるり市の住宅街にあった。そこの木造平屋の一戸建てが明美の家。
一人暮らしにはやや広い家に、明美は気絶してぐるぐる目を回す犬耳男の子を連れ込み、自分の布団に寝かせた。
「この子、やっぱりあれかしら」
頭の犬耳とお尻から生えた尻尾、背中の羽。それが作り物でないことを確認し、明美は可愛い寝顔を見ながら呟く。
あれ、というのは最近このあけるり市に出没するようになった魔法少女や魔物の類だ。
明美にとっても決して他人事ではない。四月には勤務している小学校が化け物に襲われ、保健室がメチャクチャにされた。
6月には女子生徒の一人が惨殺死体で発見されるというショッキングな事件もあった。この事件の犯人も魔物であるとの噂を聞いている。
その犯人の魔物は、すでにマジカル☆アリサに倒されたという噂もある。
「ねえ。あなたはどこのだれ?」
紅で濡れた唇を寄せ、そっと囁く。甘い吐息が可愛い顔にかかる。
「わん〜……」
きゅっと可愛い眉が寄り、ばちっと目が開いた。
「わんー?」
つぶらな青い瞳が木の天井と見知らぬ若い女性を映す。
「はい。おはよう。もうこんばんわかな」
児童にそうするように、明美は優しく話しかけた。
「わ、わんわんー!」
びくっと飛び上がる犬耳の男の子。明美はくすっと微笑み、安心させるように手を握ってやった。
とてもすべすべで暖かい手。肉球の感触が心地良い。
「大丈夫。私はお医者さんだから」
それでどうして大丈夫なのか。よく分からないが、男の子は長い耳を垂れ、くーんと鳴いて大人しくなった。
握った明美の手もとてもすべすべで暖かいから。その温もりが安心させてくれる。
「うん。良い子、良い子」
つい手がサラサラの金髪を撫で、そのまま垂れる耳に触れる。男の子は嫌がることなく、気持ちよさそうに身を委ねた。
「私は明美。松坂 明美よ。あなた、お名前は」
頭を撫でながら聞いてみる。まず自分から名乗るのが礼儀。
「はいわん。ナイトメア☆ルゥと言うわん」
「そう。ルゥくん」
ナイトメアというのは可愛くないと思いながら、明美はにっこり微笑む。
「可愛いわねー」
耳から尻尾に手を伸ばし、ふさふさの毛の感触を確かめる。そのような扱いには慣れているのか、ルゥはただされるがまま、つぶらな瞳を明美に向け続けた。
その瞳がまた母性本能をくすぐる。
「わん〜」
と、その可愛い顔がしかめられる。
「あら。どうしたの。どこか痛いの?」
「お腹痛いわん〜」
ほっとしたら痛みを思い出したらしい。
「はい。横になって」
布団に寝かせて、半袖のシャツを捲って見る。すっきりしたお腹には大きな青痣が出来ていた。
「あらあら。まあまあ」
すぐに救急箱から痛み止めのクリームを取り出し、無駄な肉の全くないお腹に塗ってやる。
「私は小学校で保健室の先生やってるの」
薬を塗りながら笑みを浮かべる明美を、ルゥはぼんやりと見上げていた。
撫でられるお腹がとっても気持ちよくて、すぐに痛さを忘れてしまう。
「どう?」
「気持ちいいわん〜」
正直に言うと、明美もにっこりと微笑む。
「ありがとうわん〜」
「いいのよ」
薬を塗ったお腹を撫で撫でしながら、明美はその柔らかな感触にうっとりしてしまう。
このお腹の下はどうなっているだろう。
「でも、どうしたのこれ? 転んじゃとかじゃないでしょ」
これというのは、お腹の青痣のことらしい。服は破けてないが、何か強い衝撃を受けたようだ。
「はいわん。リリスお姉様に……わんわん〜」
ばっと起き上がるルゥを、明美はすぐに肩に手を置いて押さえる。
「いいから寝ておきなさい。どうしたの?」
「わん〜。ボク、ダミアンお兄様から命令されてたわん〜」
「命令?」
「はいわん。リリスお姉様とリリムを連れてくるように命令されたわん」
リリムが呼び捨てなのは、ルゥが兄だから。見た目はリリムのほうが年上に見えるが。
「うーん。よく分からないけど。今は休んでおきなさい」
「でも〜」
「いいから」
金色の髪をそっと撫で、明美は安心させるように微笑んだ。
「大丈夫。怒られたら私が一緒に謝ってあげるから」
髪を撫でる手が、力強く犬耳を撫でた。
「わん〜」
そういう問題でもないが、撫でられると心地よくて。ルゥは気持ちよさそうに目を細める。
「その、ダミアンお兄様というのはどういう人なの?」
「はいわん。ボクのご主人様だわん」
「ご主人様ー?」
笑顔だった表情が怪訝に曇る。ご主人様、という響きに嫌らしいものを感じたのだ。
「はいわん。ボクは服従の呪いで下僕にされたわん」
「服従ー?」
ますます目が険しくなる。
「ううん。こんな可愛い子を服従で下僕にするなんて。なんて羨ましい」
「わんー?」
「あっ、いいからいいから」
そのまま、とりとめとなく明美はルゥとの会話を楽しんでいった。
「そもそもさ。ルゥくんはなんなの?」
「魔族だわん」
「魔族?」
「はいわん。魔界から来たんだわん」
「へー。なんのために?」
「この世界を侵略して、魔界のものにするためだわん」
「物騒ねー」
「そして、次の魔王を決めるためだわん」
「魔王?」
「はいわん。百人の魔王の子供の中から、次の魔王を決める戦いだわん。一年の間に、一番頑張った者が次の魔王になるわん」
「それじゃあ、ルゥくんも魔王の子供なの?」
「はいわん。ボクのお父様は魔王で、お母様は犬だわん」
「へー」
あらためて、ルゥの仔犬のように可愛い顔を見詰める。こんな可愛いのに、魔王の子供だなんて。
「苦労してるのねー」
「そうでもないわん。この世界に来てすぐに、ダミアンお兄様に服従させられたわん」
そいつも魔王の百人の子供の一人なのだろう。
最近起こってる怪事件の原因を知り、明美は感心するばかりだった。
「それじゃあ、魔法少女はなんなの?」
「正義の魔法少女は、魔法天使が生み出すわん」
「魔法天使?」
「天界が送った、ボクたちの邪魔をする天使だわん」
魔界があるなら、天界もあるのだろう。明美はあっさりと受け入れた。何よりこんな可愛い子が言うのだから。
「このお腹の怪我も、魔法少女がやったの?」
「はいわん。リリスお姉様は、悪の魔法少女だけど」
「なんだか、いろいろと大変ね」
しみじみと頷き、明美は金色の頭をよしよしと撫でてやる。正直まだよく分からないが、決まってることはひとつ。
こんな可愛い子をこのまま帰すわけにはいかないということだ。
「ねえ、ルゥくん」
「わん」
くすっ、と微笑み、明美の手がするすると下に伸びる。頬を撫で、白い首を這い、すべすべした胸へ。
「わ、わんー」
服の上から胸を撫で撫でされ、どきっとルゥは胸を高鳴らせた。気持ちよさで。
「今まで大変だったでしょ?」
そして上からかけられる甘い言葉。唇は鮮やかに紅い。口紅を薄く塗ってある。
「お姉さんが、気持ちよくしてあげる」
手がさらにするすると降り、半ズボンにかかった。薄くマニュキアを塗った指がボタンを外す。
「気持ちよくわん?」
何をされるか全く分かっていない口調で、ルゥはただ明美を見上げていた。
「そう。とっても気持ちいいこと。はい、脚上げて」
言われるまま白い脚を上げると、ズボンがするすると脱がされた。
「わ、わん〜」
「あら。まあ。可愛い〜」
そうして下からちょこんと現れた可愛い膨らみに、明美は目を丸くして笑ってしまう。
陰毛などという汚らしいものは一本も生えていない。分厚い皮に包まれ、ぷらぷら揺れる男の子のちんこ。
ぷらぷらちんこー。
それが今、明美の眼下に揺れていた。
「わん〜」
「パンツは履いてないのね」
恥ずかしげに顔を赤くするルゥを見下ろしながら、明美は脱がした半ズボンを手早く畳んで置いた。
「魔界ではパンツは履かないんだわん」
赤くなりながらのルゥは説明してくれる。
「うふふ。いいわねー」
べろっと唇を舐め、明美は小さな小さな小振りのちんこを注視した。獲物を狙う目で。
まだまだ未成熟な淡い膨らみ。成長をはじめたばかりの青い果実。それが今、手を伸ばせばすぐ届く場所に。
「えい」
「わんー」
びくっとルゥの腰が跳ね上がる。いきなりちんこを掴まれたから。
「わ、わんわんー」
怯えたように鳴くルゥに、明美はキラキラ輝くような笑顔を向けていた。
「やーん。かわいー」
手の中に包んだちんこはぷよぷよの手触り。皮もぷよぷよ。
「わんー。はなしてわんー」
真っ赤な顔で涙目になって懇願しても明美は笑顔のままで、手の中のちんこをきゅっと軽く握る。
「わんー」
手の中のぷよぷよちんこが形を変え、刺激にルゥの腰がびくっと動いた。痛みか、別の感覚か。
「気持ちいい?」
「わんー」
ルゥは真っ赤な顔のまま硬直し、答える余裕もない。
ちんこを握ったまま真っ赤になった可愛い顔に顔を寄せ、明美は唇を突き出した。
ルゥの視界いっぱいに鮮やかな紅い唇が迫り、そして口に触れる。
唇を覆う、すべすべで湿った感触。嫌ではなくむしろ気持ちいいが、なぜか恥ずかしかった。
「キス、はじめて?」
こくんと頷くルゥ。キスは金縛りを解いたらしい。
ルゥの唇はかすかに赤くなっていた。明美の口紅で。それがキスの証。
「もっと、いいことしてあげる」
うふふっと笑みを浮かべたまま、明美は一旦身を離す。ちんこも離した。
するすると衣擦れの音がして、慌ててルゥは視線を逸らした。
「いいのよ、見ても」
服の下は白の下着。それも脱ぎながら、明美は自分のプロポーションを確認する。
お腹はへっこんだままで、余分な肉は少ない。保険医だけあって健康には気を遣っている。
ふくよかに膨らんだ胸は、児童からは羨望の眼差しで見られていた。気に入った男子児童には直接見せてもいる。
パンツも脱ぐと、無駄毛をしっかり処理した股間が晒され、あとは黒いストッキングだけの格好になる。
「どう?」
と言っても、ルゥは反対側を向いてきつく目を閉じたまま。赤い顔をして。
「見てもいいのに」
くすっと微笑を浮かべたまま、ルゥの手を取る。肉球のある小さな手。
「触ってもいいのよ」
その手を自らの豊かな乳房へと押し付ける。
「わんー!」
手に触れるむにっとした感触に、ルゥの心臓がばくっと跳ね上がる。なんだろう、このドキドキは。
「ほーら」
離れようとする手をしっかりと両手で持ち、さらに乳房へと押し込んだ。肉球の感触が心地いい。
「わんー。わんわんー」
困惑したような恥ずかしいような声を上げ、ルゥはようやく明美を見る。
ニコッと微笑み、小首を傾げる明美。一本に束ねた茶色の髪が裸の背中に流れる。
「きれい?」
「きれいわん」
正直にルゥは答える。赤い顔で。ふくよかなおっぱいを見ていると、しゃぶりつきたくなってきた。なんだろう、この気持ち。
「はーい」
するとルゥの気持ちを悟ったように、明美が身を屈め、ルゥの顔に乳房を押し付けてきた。
鮮やかな赤い乳首がすぐ口の前に来る。
「吸ってみて。ちゅうちゅうて」
言われるまま、ぱくっと乳首を口に含み、歯で噛まないように気を付けながらもちゅうと吸ってみた。
「ううん」
こりこりした乳首の感触。母乳は出ないけど、とっても甘い味が口に広がった。
「ふふ。ごめんね、おっぱいは出ないけど。もっと吸っていいの」
むず痒さに目を細めながら、明美はルゥの頭を抱え、胸を吸わせてやった。
まるで赤ん坊にしてやるように。こうしてると刺激された母性本能が満たされるのを感じる。
最初は遠慮がちに吸っていたルゥだが、やがてすぐに強く吸う。
「うんっ」
ちゅーとおっぱいを吸引されるむず痒い感触に、明美は頬を染め、胸を疼かせていた。
ドキンドキンという胸の高鳴りは、おっぱいを吸うルゥにも聞こえてくる。
心臓の音を聞いていると不思議と安心できた。それは母犬のお腹にいるときにいつも聞いていた音。
そしてこうして乳を吸っていると、赤ん坊だった頃を思い出す。母犬の母乳を飲んでいた仔犬だったあの頃。
でもここにいるのは母親ではない。
おっぱいを吸わせながら、明美の手がルゥの剥き出しの下半身へと伸びる。
「わんっ」
びくっと腰を揺らし、乳から口を離してしまった。明美の手が再びちんこをぎゅっと握ったから。
「あらあら。まだちっちゃいままね」
手に包んだルゥのちんちんはまだぽよぽよと小さいまま。まだ子供だということだろう。
「今度は私が」
ぺろっと舌なめずりすると、がばっとルゥの股間へと迫って行く。
「わんわん〜」
母性から一転恐怖を感じ、ルゥの縮みこまって震えた。ちんこも同じく縮んでしまう。
その小振りの未成熟なちんこをぱくっと口に咥え、舌でちろちろと舐める。
「わん〜」
がくっと腰が上がり、沈んだ。びりっと電気が走ったように頭が痺れ、股間が疼いた。
「わんーわんー」
それが何なのか理解できずルゥはただ怯えてしまう。
ルゥの震える股間と声に明美はにっこりと微笑み、分厚い皮の奥までしゃぶるように舌を強く押し付け、唾液をまぶしていく。
「わふ〜」
ガクガクと小刻みに震える腰。ふさふさの尻尾はお尻の下でさかんに揺れていた。
ルゥの頭にカチカチと白い閃光が走り、腰の奥がむずむずと痒くなった。おしっこしたいような、それよりももっと強い感覚。
それはルゥにとってはじめての濡れるという感覚。むず痒さがどんどん高まっていく。
「わふーわんー」
切ない息が鳴き声に混ざる。
明美は笑みを浮かべる目で汗を浮かべたルゥの赤い顔を見上げ、口の中のちんこが膨らんでいくのを意識した。
「ぷはー」
ようやく口を離すと、唾液に濡れたちんこはしっかりと勃起している。
「あー。美味しかった」
本当に満足そうに息を吐くと、ちんこの先端をピンと弾く。皮に包まれたちんこのそこだけが剥け、赤い身が微かに出ていた。
「わううー」
はじめてそこを触れられ、ルゥは敏感に痛みを感じてしまう。慣れていないのだ。何もかも。
「わんー。おちんちんが腫れちゃったわん〜」
大きくなって上を向く自分のちんこを、ルゥは涙目で見下している。明美はついクスクスと笑ってしまった。
「大丈夫。男の子は大きくなればみんなこうなるの」
「そうなんだわん」
「そうよ。これは自然な生理現象なの。恥ずかしがることないの」
敏感なちんこの先端をよしよしとさすり明美は説明する。性教育も保険医の仕事。
明美の場合はしばしば実践を伴うが。
「これをね。ここに入れると、すっごく気持ちいいの」
立ち上がり、明美は自分の股間を見せ付けてやった。
脚の付け根、無駄毛は処理しているが陰毛はしっかり生え揃っている。その奥の赤い割れ目。すでにてらてらと濡れていた。
「わん〜」
女性のあそこをこうも間近で見せられるのは初めてで。つい怯えた声を上げてしまう。
でも気色悪いとも汚いとも思わなかった。ただ素直に美しいとさえ思える。
そして何より、ちんこがむずむずと疼いた。
「よいしょっと」
ルゥの上を向くちんこ。そのさらに上に自分の秘所を持って行き、明美はしっかりと片手でルゥのちんこを支えた。
「それじゃあ。行くわよ」
「わん〜。はっはっ」
未知の行為への恐怖、それ以上の興奮に鼻からわふーと息が出る。はっはっと上がる息は発情期の犬を思わせた。
ゆっくりと明美は腰を降ろし、ちんこの赤い先端が陰毛に触れ、くすぐったくなる。続いて肉に触れるむにっとした感触。
「ふふっ。ルゥくんの童貞、もらっちゃうわね」
未知の快感にビリビリと痺れていた頭に、その言葉が突き刺さる。童貞。大切な事が思い出される。
「だ、だめだわん〜」
腰を引こうとしてもちんこは掴まれたまま。何より発情したルゥの体は雌を求めている。
「ぼ、ボクは、童貞なんだわん〜」
「うんうん。今もらってあげるから」
急に焦りだすルゥを、明美は直前で怖くなったからだと思った。初体験ではよくあること。
「だめだわん〜。童貞は、人間の女性に奪われたら〜」
するっ、と滑り込むように、ちんこが明美に飲み込まれていく。すとんと腰を降ろし、一気に根元まで。
「はい。もう挿ったわよー」
「わうー」
たちまち背筋をゾクゾクと快感が駆け上がり、瞬時に頭が白くなる。ちんこを挿れただけでこんなにも気持ちいいなんて、想像も出来なかった。
「うーん。いいわー」
胎内にルゥをしっかり感じ、明美はうっとりした表情でちんこを掴んでいた指を舐めた。
「わんんー。わんんー」
その明美の下で、ルゥの腰がばたつき、膣内に振動をもたらす。
「ううぅん」
うっとりと明美が童貞を奪った感触に酔い痴れ、膣内の幼いちんこを弄ぶ。
「わわんー」
滴る汗が白い頬を流れ、ルゥはただ気持ちよくて、ふわふわと飛ぶような快感の中にいた。
真っ白になる思考。快感に流される中で、かろうじて声が出る。
「呪いに……かかっちゃうわんー」
それでもいい、という声も頭に響く。そして何もかも白い閃光が飲み込んでいった。
「わんんんんんー!」
がくっと腰が跳ね上がり、金玉から竿を通じて、濃い液体がどろっと吐き出された。明美の胎内に。それはルゥの初めての射精。
「くうう〜」
膣内で幼いちんこが射精したのを雰囲気と経験で感じ、明美もまたぞくぞくと背筋を震わせた。一本に束ねた髪が背中で揺れる。
膣がきゅっと収縮し、ちんこを締め上げ、さらに射精を促がした。
「わんん〜」
精を放ちながら、ルゥはがくがくと腰を上下させる。それに合わせて明美も腰を揺らした。
「はぁ。あああっ、あはっ」
明美の額から流れる汗が顎から落ち、ルゥの顔にかかる。軽く絶頂を迎え、明美はルゥの動き以上に腰を動かした。
「わん〜。わんわんん〜」
ルゥの奥から遠吠えのような鳴き声が放たれる。そして射精は終わった。
「ふー」
ハァと熱い吐息を吐きながら、明美は顔を降ろしてルゥに寄せ、ぺろっと唇を舐めた。自身の口紅で赤くなった男の子の口を。
「ふふっ。ごちそうさま」
「はう〜」
初めての射精と絶頂の余韻に浸り、ルゥは放心したようにただ息を整える。
その可愛い顔に手を伸ばし、金色の髪をよしよしと撫でる。
どくん
と、急に胸の奥に鋭い痛みを感じ、明美はルゥの上に崩れてしまった。
心臓を直接刺されたような痛み。体に力が入らない。急速に意識が沈んで行く。
やだ。死んじゃうのかな、私。
沈み行く意識の中、ルゥの言葉が思い出される。
呪い。
そして明美はルゥに覆い被さるようにして、意識を失った。
その頃。ルゥを吹っ飛ばしたリリスは。
「はう〜。はう〜。はううう〜」
ベッドの上で、激しく身悶えていた。全裸で。長いピンクの髪がふりふりと振り乱される。
彼女の上に大和は覆い被さり、激しく腰を叩き付けていた。全裸で。
「んん〜。ご主人様〜。はげしい〜」
涙目で喘ぐリリスに構わず、大和はただ腰を振り続ける。
「うー」
そのベッドの横では、リリムが指を咥えながら、ただ見ていた。見せ付けられていた。
これはリリムへのお仕置きでもある。ただ見てるだけという。
「はううううう〜!」
膣内に熱い精を受け、リリスの背筋が仰け反り、そして硬直した。脚も上を向き、固まってしまう。
「ひくっ。ひくっ」
大和がリリスを抱く隣の部屋では、ベッドの上でありさが今もすすり泣いていた。結界のおかげで声は聞こえない。
「殺してやる……」
暗い声でぼそりと呟く。すでに涙は止まり、瞳は暗く輝いていた。
「殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる。殺す」
ただひたすらに同じ言葉を繰り返す。暗い声で。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
涙は涸れはて、代わりに暗い情念が浮かんでいた。
「そうよ、みんな、みんな殺せばいいのよ」
ありさは正義の魔法少女マジカル☆アリサです。
「ううーん」
気が付くと、誰かが頬を舐めている。あったかい。
「あら。ルゥくん」
目を開けると、犬耳に金髪の男の子の可愛い顔が見えた。
「きゃん〜」
目覚めた明美にばたばたと尻尾を振っている。脱がしたズボンを履いていた。
「ご主人様が目覚めたわん」
「ご主人様?」
そう呼ばれるのは嬉しいけど、いきなりそんな。
明美は身を起こし、そして気付いた。手に触れる硬い感触。
「注射器?」
何故か。でっかい注射器を右手に持っていた。野球のバットほどもある大きさの注射器を。
「おかしいわね」
こんなでっかい注射器は持ってないはずなのに。
立ち上がって、今度は背中の違和感に気付く。
「羽?」
背中に小さな黒い羽が生えていた。蝙蝠のような羽。束ねていた髪はほどけている。
「なんだか胸がきついわね」
自分の体を見下ろし、さらに気付いた。
「なにこれー」
いつの間にか、黒いドレスを着ている。肩が剥き出しで、スカートは長い。
その衣装は明美には胸がきつかった。手には肘までの長い黒手袋。
「ご主人様は、悪の魔法少女になったわん」
足元で四つん這いになったルゥが、すりすりと擦りよりながら説明してくれる。
「魔法少女〜?」
「はいわん」
あらためて自分の体を見下ろす。黒いドレスに黒い羽。年齢を考えると魔法少女というよりは魔女という気がするのだが。
とすると、でっかい注射器は魔法の杖の代わりだろうか。
「ご主人様は、ボクの童貞を奪ったから、呪いで悪の魔法少女になったわん」
「呪い?」
そう言えば、そんなことを言ってたわね。
「そしてボクも呪いにかかって、ご主人様の下僕になったわん」
「えーと。どういうこと?」
戸惑う明美に、ルゥは尻尾を振りながら、説明を続ける。
「魔王を決める戦いの前に、ボクたちのお父様、魔王はみんなに呪いをかけたわん。
ボクたちの童貞や処女を人間が無理矢理奪ったら、男は悪魔に、女は悪の魔法少女なるわん。
そして奪われた魔物は、その人間に服従するようになるわん」
「はぁ。なるほど」
なんだかよく分からないが、とりあえず明美は頷いた。
「でもルゥくん、呪いにかかってたとか言ってなかった」
「はいわん。ダミアンお兄様に服従の呪いをかけられてたけど、お父様の呪いのほうが強いからそっちは解除されたわん」
服従の呪いは重ならない。どちらか強いほうだけ残る。
わんわんと鳴きながら、ルゥは尻尾を振りながら、すりすりと金色の頭を明美に擦り付ける。
「これからよろしくわん。ご主人様」
「うん」
まだよく分からないが。
「よろしくね。ルゥくん」
とりあえずこんな可愛い男の子と一緒ならそれでいいや。明美先生はぎゅーっとルゥを抱きしめた。
「それじゃあ、とりあえず。さっきの続きをしましょうか」
可愛い顔を見ていると、また下半身が疼いてきた。今はパンツは履いていない。
「はいわん」
素直にルゥは頷く。服従の呪いか、それともさっきの交わりが気持ちよかったからか。
「ご主人様は、悪の魔法少女になったから、エッチした者から一度だけ魔力を吸収できるわん」
「へー。そうなの」
「だからボクの魔力をあげるわん」
「魔力は回復するの?」
「一晩休めば回復するわん」
「それじゃ」
ぺろっと舌なめずりし、明美はルゥを布団に寝かせる。
かくして新たな悪の魔法少女が誕生した。名前はこれから考えよう。
魔法少女といっていい年齢かはともかく。
一方その頃。大和や明美先生が暮らす埼玉県あけるり市から遠く離れた山中。
暗い山道を、高速で駆け抜ける蒼い巨体があった。蒼い虎男レイズである。
強い魔力に導かれるまま駆けるレイズ。それも、魔界の瘴気を含んだ禍々しい魔力だ。
「これは」
立ち止まり、見上げる。闇の向こうにさらなる闇が見えた。
それは黒いピラミッドに見えた。人の目には見えぬ結界が張ってある。
遺跡ではない。今ここに住み、使っている者たちがいるから。
黒いピラミッドからわらわらとその者たちが出て来る。
「ふん。壮大な出迎えじゃないか」
その数20あまり。レイズと同じく魔王の子供たちだった。ひとりだけ、
正義の魔法少女らしい人間が混ざっている。
その少女の隣にいる長身の男が前に進み出る。全裸で。そう何も身に付けていない。
短い青い髪に、すっきりとした長身。背中には黒い翼。レイズのような蝙蝠の羽ではなく、魔法少女のような羽毛のある鳥の翼。ただし黒い。
その全裸の男が、ちんこをぷらぷら揺らしながら言った。
「ナイトメア☆ダミアン、堕天に参上」
(つづく)