「へんしん」
「マジカル☆シュート」
 僕が変身するのと、アリサがバトンから赤い光を放つのは同時。

 どかーん

 背後に爆発を聞きながら、ぽかーんと口を開けていたリリムを抱え、僕は悪魔の姿で、
保健室から校庭に飛び出した。アリサが壊した壁より。
「はわ〜」
 リリムはお姫様抱っこされたまま、まだぽかんと口を開けている。
「待ちなさーい」
 背後からアリサの声。
「よくも保健室をメチャクチャにして!」
「そりゃお前じゃー!」
 ついいつもの口調で突っ込んでしまう。マジカル☆アリサの正体が、妹のありさと分かるとどうもやりにくい。
ていうか、正義の魔法少女が校舎の壁をを壊したり、保健室をメチャクチャにしていいんですか?
 校庭に出ると気付いたが、ファンファンとサイレンの音が周囲を囲んでいる。
どうやら警察のパトカーが小学校を取り囲んでいるらしい。エンジェル☆ローラを犯すのに夢中で気付かなかった。
 そのローラはもういない。僕が処女を奪ったら、天界に強制的に帰された。
「お兄ちゃん……ううん、ナイトメア☆ヤマト。許さない!」
 僕の前に回り込み、アリサがきっと睨む。普段は短い栗色の髪が今は長いツインテール。
その髪型と服装が違うだけで、顔も声もいつものありさと全く同じだった。
どうして気付かなかったのだろう。
「はわわ〜」
 抱っこされたままのリリムが腕の中で怯え、ぎゅっと二の腕を掴んでくる。
アリサが睨んだのはリリムだったからだ。なんだろう。やたら僕が抱っこしてるリリムを敵視してるような。
「よくも……よくもお兄ちゃんを……!」
 ギリリと歯を鳴らすアリサ。目がメラメラと燃えている。なんか怖い。
 ばっと翼を広げ、アリサを飛び越え、そのまま低い塀を越えて小学校の前の道路に出た。
「うわっ」
 無数のパトカーが並び、悪魔の姿の僕にたくさんいた警官が驚く。中には銃を向ける者もいた。
「逃がさないわよ!」
 頭上からアリサの声。同じように塀を飛び越え、バトンを突きつけ、
「マジカル☆シュート」
 リリムを抱えたままの僕に攻撃魔法を撃って来る。
「うわっ」
 咄嗟に身を屈めると、

 ちゅどーん
 
 と背後から爆発音。おそるおそる振り返ると、パトカーが爆発炎上し、
何人かの警官が倒れていた。幸い生きてはいるようだ。
「ああっ! なんてひどいことを!」
 地面に着地したアリサが口に手を当て、惨状に激怒する。
「ええっ!? 爆発させたのそっちだよ? ていうか、正義の魔法少女の魔法は周囲に被害は出さないんじゃないの?」

「言い訳しない!」
 うわっ、聞く耳なし。
「ねえ、さっきパチカー壊したのあっちだよね?」
 銃を持った警官に聞くと、こくこくと頷いてくれた。悪魔の僕と魔法少女のアリサ、
どっちを狙うべきか迷ってるようだ。
「そーれ」
 構わずにバトンを振り上げるアリサ。ああっ、ここだと被害が広がる。
 リリムを抱えたまま僕は再び飛び、小学校の校庭に戻った。アリサもすぐに追いかける。
 ひゅー、と風が通り抜ける校庭には誰もいない。触手をばら撒いていたおかげだろうか。
その触手の群れも、アリサ一人に片付けられた。
 校庭の中央にはでかい穴。僕がローラを倒すときに開いたものだ。
 太い脚でだだっと駆ける僕を、アリサはツインテールの栗色の髪を流し、軽快に追いかけてくる。
「アリサ!」
 さっと振り向き、
「きゃー!」
 抱えたままのリリムをぶん投げた。ピンクのツインテールも真っ直ぐ水平に流れる。
「えっ!?」
 この攻撃は予測し切れなかっただろう。

 ごつーん

 栗色ろピンクのツインテールの頭が真正面から激突。両者ばたっと倒れた。
「……勝った」
 必殺リリムミサイルと名付けよう。
「まだよ!」
 頭を押さえ、よろよろと立ち上がるアリサ。リリムはぐるぐると目を回している。
そのリリムの顔をぐにっと踏み付け、ぐりぐりとアリサは踵をめり込ませた。
「うーん」
 リリムは苦しそうに呻くだけでそれでも目覚めない。
「あなたが……あなたがお兄ちゃんを……」
 なんだか目が怖い。
「あー、アリサ。その辺で……」
 僕が止めようとすると、キッと睨まれた。やっぱり怖い。
「そう……。やっぱり、この泥棒猫が大事なんだ……」
 リリムのピンクのツインテールを掴み挙げると、顔も自然に上がる。ほっぺたには靴の跡がしっかり残っていた。
「えい!」
 そしてアリサは、ぱーんとバトンでリリムの顔を打つ。ずさーと校庭に倒れるリリムの華奢な体。
「痛っ!」
 さすがにリリムは痛みで目覚め、
「はわー。鼻血出たですー!」
 ぼたぼたと鼻から血を出し、校庭に落としていた。
「えーん。えーん」
 ぺたっと座り込んだまま、リリムは鼻血を出したまま不意に泣き出す。
うわー、痛そう。
「ふん」
 そんなリリムを見て愉快そうに微笑を浮かべるアリサ。いい気味というように。
そんな妹に育てた覚えはないんだが。

「あー。リリム、大丈夫か?」
 駆け寄ってピンクの頭を撫でると、リリムは涙と鼻血を出した顔で見上げ、
「わーん、ご主人様ー」
「はいはい」
 抱きついてくるリリムを大きな胸で受け止め、優しく撫でてやる。涙と鼻血で濡れるが気にしない。
「あー!」
 それを見て、さらに視線を強めるアリサ。
「なんで……なんで、そんな優しくするの!」
「いや、あの、そりゃ……。一応は仲間だし」
 リリムを抱きしめたまま、悪魔の姿でぽりぽり頬をかく。
「ダメ! ダメったらダメ!」
 ふるふると首を横に振ると、長いツインテールも水平に揺れた。
「何が駄目なんだよ?」
「お兄ちゃんはあたしだけに優しくするの!」
「うん。優しくするよ」
「じゃあ、その子は優しくしないで」
「うーん」
 まだグスグスと泣くリリムを見下ろす。放っておけない気分が芽生えていた。
「3人で仲良くすればいいじゃない」
「ダメー!」
「なんでー?」
 僕が聞くと、アリサはじっと下を俯く。そして、不意にしんみりとした声で、
「お兄ちゃんは……その人が好きなの?」
「え? ああ、その……下僕というか、仲間だよ。うん」
「そう……。そうなんだ」
「ああ、でも。一番好きなのはありさだから。うん、大好きだよ」
「分かった」
 キッと上げた顔はなぜか瞳が潤んでいた。涙が溜まっている。
「ええ!? なんでそんな泣きそうな顔するの」
「お兄ちゃん。あたし、本当はね」
「うん……」
「お兄ちゃんがいれば、それでいいの。ローラちゃんのことは許せないけど、
お兄ちゃんが無事だからそれでいの。でも」
 瞳に再び力が籠もる。今まで見たことのない、強い光。
 ああ、妹も大人になったんだな。と、そのときなぜか感じた。
「お兄ちゃんを横取りする泥棒猫は許せないの。だから」
 バトンを向け、
「その女は殺す!」
 さっと駆け出す。確かな殺意を持って。
「ええっ!?」
 リリムを地面に置いて、咄嗟に前に出て庇った。
「お兄ちゃんどいて! その女殺せない!」
「どくかよ!」
 つい怒鳴る。妹に殺人はさせられない。例え魔界の悪の魔法少女でも。
 僕にぶつかる寸前で、ばっとアリサの小さな体が宙に飛んだ。
「お兄ちゃん……やっぱり、その女のことが……!」
 バトンが向く目標は座り込むリリム。
「マジカル☆シュート」
「くっ」
 回避は不可能と判断し、迎撃に移る。
「デビルサンダー」
 角から放つ電撃が赤い光を打ち消し、さらに上空のアリサまで届いた。
「きゃああーっ!」
 予想外の威力に自分でもびっくりしてしまう。ローラの魔力も吸収し、大幅に威力が向上していた。

「アリサ!」
 空中で電撃に撃たれ、ビクンッと痺れ、アリサは落ちてくる。
「危ない!」
 受け止めようとするが、地面に激突する前にアリサは体勢を立て直し、下に走ってきた僕の顔を蹴った。
「僕を踏み台にした!?」
 顔に靴跡を付けられ、思わずお約束の台詞が出てしまう。
「もらった!」
 しまった!
 僕の顔を踏み台にしてアリサが向かうのはリリム。まだ座ったままの。
「きゃー」
 怖い顔で向かってくるアリサに、リリムは頭を抱えて丸まってしまう。
「馬鹿っ! 逃げろ!」
 叫んだがもう遅い。
「マジカル☆シュート!」
「リリム!」
 叫び、僕は駆ける。駄目だ、間に合わない!
「リリムー!」
「シ、シールド!」

 どかーん!

 赤い光が命中して爆発し……。
 それが消えるとリリムの周囲をピンクの光が覆っていた。そのシールドの光もすぐ消える。
 ……どうやら防御魔法で防いだらしい。そういや結界とかは得意だったな。
「はわー」
 座り込んだままぽかんと口を開けているリリム。僕は思わず脱力しかけた。
「ちいぃ!」
 だが連撃しとうとするアリサにすぐそれどころじゃないと悟る。
「こら! いい加減にしろ!」
 アリサの前に回り込み、リリムを後ろに庇って怒鳴る。さっき本気で心配しただけにこっちも本気だ。
「うっ」
 じんわりとアリサの目に涙が滲んだ。いや元々滲んでいたのがこぼれてきた。
「やっぱり……そうなの? お兄ちゃん、その女を愛してるの?」
「ええっ!?」
 驚いたのはリリム。
「そ、そうだったんですか〜。はわわー。そ、そんな、ご主人様がリリムを〜」
 ……なんだか誤解しているぞ。2人とも。
「ご主人様! リリム、子供はたくさん産みますから!」
 馬鹿! 刺激するな! お腹切られて「中に誰もいないじゃないですか」されるぞ!
「殺す!」
 ばちばちっと火花を散らし、アリサの体がふわっと宙に浮き上がる。
 あああああ、もうどうにでもなれ!
 僕も同じく魔力を解放して黒い球に身を包み、宙に浮かんだ。

「マジカル☆スパーク!」
「ナイトメア☆スパーク!」

 そして、お互いの全力が真正面からぶつかる。
「お兄ちゃああああああぁぁぁぁぁぁーん!!!」
「アリサあああああああああぁぁぁぁーっ!!!」

 爆発、閃光、そして衝撃!

「うおおおおおおおおおおお!」
 衝撃を突き抜け、僕は真正面からアリサに飛びつく!
「来ないで!」
 叫び、振り回すバトンを掴み、真っ向から叩き割った。
「きゃああっ!」
 そしてアリサに抱きつく。細く、華奢で、儚い魔法少女の妹に。
「アリサ!」
 耳元で怒鳴る。

「好きだ!」

 ありったけの思いを込めて叫ぶ。

「お前が欲しいいいいいぃぃーっ!」

「お、お兄ちゃん……」
 ふっと腕の中の力が緩む。
 今!
「デビルサンダー!」
「きゃああああああああああああああぁぁぁーっ!」
 零距離からの電撃にアリサは身体を仰け反らして絶叫し、そして脱力した。
腕の中でぐったりと失神したアリサを確認し、僕は電撃を止める。
「ご主人様ー」
 後ろからぴょんとリリムが抱き付いてきた。
「結婚式はいつします? あ、その前にお父様に挨拶しないと」
 リリムの父親って魔界を統べる魔王だろ? 冗談。
「あのなリリム」
 気絶しても変身は解けないマジカル☆アリサをお姫様抱っこし、僕は後ろのリリムに、
「さっきのはアリサの勘違いだから。リリムは嫌いじゃないけど、愛してるとかじゃないからな」
「はわ〜」
「でも、まあ」
 アリサが気絶してるのを確認し、僕は続けた。
「リリムを抱くのは結構気に入ってるぞ。気持ちいいから」
「えへへ〜」
 前に回ったリリムは、手を後ろに組み、照れたような笑みを浮かべる。鼻血出しながら。
「リ、リリムも。ご主人様とエッチするのは大好きです!」
 最初は照れていた笑みが、ぱっと輝く笑顔に変わる。鼻血出しながら。
「だって、リリムのはじめての人ですから」
「ああ、そうだな」
 思えばそれがはじまり。僕がリリムの処女を強引に奪ったのが。
「帰るぞ。ここもうるさくなったからな」
 ファンファンとパトカーのサイレンが増えていく。
 大きな黒い翼を広げ、僕は空に待った。大事な妹を大切に抱えて。
「あーん、待ってくださいよー」
 後ろからリリムの小さな羽音も付いてくる。
 今日の作戦は、大 成 功。
 さて。帰ったらマジカル☆アリサにお仕置きだ。

「うぅん」
「お、やっと目が覚めた」
「きゃっ」
 僕のベッドの上で目を覚まし、アリサが身を上げようとして……ぐらっと傾いてまた横になった。

「なにこれー?」
 自分の背中を見て唖然とする。アリサの両手は腰の後ろで縛られていた。アリサ自身の長い栗色のツインテールに。
「髪の毛縛り。どうだ、自分の髪の毛に縛られた気分は」
 椅子に座りながら、人間の姿になった僕が声をかける。長いツインテールを見たときからやってみたかったんだ。
「むー」
 ベッドの上で髪の毛で縛られ、マジカル☆アリサは頬を膨らませる。
 ……変身解除して元のショートヘアに戻れば髪の毛縛りも解けるんだが気付いていないらしい。
しっかりしてるようで肝心な所が抜けてるのが妹の可愛いところ。
「リリムもやってみる?」
 椅子の横でちゅこんと座るリリムにも聞いてみる。鼻血は止まって顔はちゃんと拭いた。
「いえ、結構です」
 長いピンクのツインテールの髪の毛縛りも見たいが残念。命令すればやらせてくれるんだろうが。
「んがー!」
 僕の横に座るリリムを見て、アリサはガチガチと歯を打ち鳴らして威嚇。
「こーら」
 怯えるリリムのピンクの頭を撫でながら、
「仲良くしないと駄目だろう?」
「しないもん!」
 まあ正義の魔法少女らしな。悪の魔法少女とは仲良くできないのも分かる。
アリサの場合、別の感情もあるようだが。
「リリムは仲良くしてくれるか?」
「はい。ご主人様の妹さんですから」
「良い子だなー」
 良い子、良い子と頭を撫でると、「えへへー」とリリムは無邪気に笑う。
「ご褒美だ」
 さらに僕は椅子から降り、リリムの細い顎をつまんで上を向けさせ、ちゅっと唇を重ねた。
「あ〜!」
 ベッドの上でアリサがじたばたもがく。だが髪の毛の根元の頭皮が痛いだけだった。
変身解除すればいいのにねー。
「アリサも、リリムと仲良くしてくれたらご褒美だぞ」
「う〜」
 歯をギリギリ鳴らして唸るアリサ。こんな妹だったとはお兄ちゃん嬉しい。
「ほーら」
 さらにちゅっちゅっとリリムにキスの雨を降らす。
「んっ、んっ」
 赤い頬でキスを受け、リリムはうっとりと瞳を潤ませた。
 そしてリリムをぎゅーと抱きしめ、ぶちゅっと口を押し付け、舌を絡ませ、
ぐちゅぐちゅと淫らな音を立てる。アリサまで聞こえるように。
「やめて!」
 涙目になってアリサは訴える。
「分かった! 仲良くする! 仲良くするからもうやめて!」
 妹に泣かれたら仕方ない。
 リリムを離し、のっそりと立ち上がってベッドの上のアリサを見下ろした。
 魔法少女の衣装のまま、自らのツインテールで縛られたマジカル☆アリサ。
泣いてる瞳でじっと僕を見上げてくる。
「本当に、リリムと仲良くする?」
「う、うん。本当」
 こくこく頷くアリサ。本当かなー?
「それじゃあ」

 僕は後ろのリリムを振り返り、
「リリム、アリサとしてみろ」
「ええっ!?」
「いつも僕がしてるみたいにすればいいさ」
「お、お兄ちゃん!?」
 目を丸くする妹に視線を戻し、ちゅっと頬にキスし、僕は囁いた。
「仲良くしてくれるって証明できたら……たくさん愛してやるからな」
 カーと頬が熱くなる。
「そ、それでは」
 ごくっと唾を飲み込み、覚悟を決めた表情でリリムは自分の服に手をかけた。
悪の魔法少女らしい黒いワンピースを脱ぎ、その下のリボン付きのパンツも脱ぐ。
パンツはエンジェル☆ローラから奪った物だがアリサは知らない。
 すらっとしたリリムの肢体。華奢だが胸は豊かで、股間にはまだ毛も生えておらず、
ピンクの縦筋が丸見え。
「は、はわわ〜」
 おぼつかない足取りでベッドに寄り、リリムはあわあわとアリサを見下ろす。
何度も吹っ飛ばされてきた宿敵の魔法少女。そのアリサと仲良くなるのだ。緊張するのも当然。
「……早くしなさいよ」
 逆にベッドの上のアリサは目を座らせている。はっきりいって怖い。
アリサの視線はリリムの胸に注がれていた。小柄で華奢な外見の割に豊かな胸。
揉むと心地良いんだよね。
「その胸で……お兄ちゃんを……」
 アリサのぺったんこな胸も好きだけどね。まだ小学6年生だし。
 緊張して身動きできないリリムに、椅子に座った僕が声をかける。
「リリム。抱きしめてみろ」
「は、はい」
と、ベッドの上に膝を乗せ、裸で服を着たままのアリサに抱きつく。
「んっ」
 リリムに覆いかぶさられ、かすかに身じろぐアリサ。
「そしてキス」
 言われるまま、そっと唇を重ねる。女の子の桜色の小さな唇がむにっと重なった。
アリサは目を丸くしたが暴れることはしない。
「はぁ」
 口を離すと、どちらからも切ない息が漏れる。
「どうだ?」
 感想を聞くと、リリムは口を押さえ、
「すごく……甘いです」
 一方のアリサはふんと横を向いている。
「胸を出させて」
 アリサの胸を覆うのは一枚の赤い布のみ。その布をリリムはそそくさと外していった。
「……」
 ぎっと歯を食いしばるアリサ。薄いほぼぺったんこの小学6年生の胸が晒せれる。
小さなピンクの乳首が可愛らしい。
「自分の胸と合わしてみろ」
 リリムの豊かな胸が上から重なり、むにゅっと押し潰された。
「あっ……」と、両方から声が漏れる。
「そのまま胸を揺らして」
「は、はい……」
 上から胸を重ねたまま、ふるふると上半身を揺らすリリム。
「……んっ」

 振動がアリサの小さな膨らみも刺激し、そしてリリムにも返っていく。
「あっ……んっ……アッ……ンッ……」
「……んっ」
 早くも小さく喘ぐリリムに対し、アリサはきゅっと眉を寄せて何かに耐えている。
「……はぁ」
 そして胸に溜まった熱いモノを吐き出すのだ。と、その潤んだ瞳が僕と合う。兄の僕と。
「……お兄ちゃん……あっ……」
 僕に見られるのが刺激になるのか、小さく甘酸っぱい喘ぎを漏らした。そして小さな体がふるふると身悶える。
「うふふ」
 すりすりとより早く上半身を揺らし、リリムは豊かな乳房を押し付けてくる。
どうやらこのプレイが気に入ったようだ。
「気持ちいいですか? アリサちゃん」
 マッサージしてるように聞いてくる。
「気持ちよくなんか……アンッ……な、ないもん……」
 頬を赤く染め、汗を浮かべ小刻みに身悶えし、それでもアリサは上擦った声で否定する。
「でも、ほら」
 密着するリリムにははっきりと分かっていた。
「乳首、カチカチに固くなってますよ?」
と言うリリムの乳首も尖っている。そして固くなった乳首同士が触れ合う度、
お互いの胸が電気が流れたように痺れた。
「アッ……!」
「あうっ! ア、うぅ……!」
 互いの背筋がガクッと仰け反る。
「リリム。スカートの中に手を入れて」
「は、はい……あっ」
「や、やだっ」
 アリサのふわっと広がる緑のスカートの中にリリムの手が伸び、
「そのままパンツの中まで入れて」
 純白のパンツの中まで白い手がしなやかに忍び込む。
「アアッ……!」
 びくっ、びくっと白い喉を見せ仰け反るアリサ。
「くちゅくちゅしてみろ」
「はい……!」
 パンツの中でリリムの手がくちゅくちゅと動き、縦筋をなぞり、揉んでいった。
「アッ……だめ、ダメェ……。あんぅ……!」
 縛られた身で悶えるアリサにリリムもリズムを合わせ、上から覆いかぶさりながら股間に指を這わせていく。
「はあっ……アッ、アアッ、アアっ……」
 小刻みに喘ぎを刻み、アリサの腰が徐々に浮かぶ。
 その様子に僕もベッドに寄り、そしてふりふり揺れるリリムのお尻を撫でた。
「ひゃんっ」
 ビクッとリリムの腰が震え、その刺激がアリサにも直接伝わる。
「あっ……アアッ……アアッ……」
 リリムのお尻を撫でながら、アリサの喘ぐ顔をじっくり鑑賞。間近で視姦されてるのを感じ、
アリサはさらに赤くなった。
「はあっ……お兄ちゃん、も、もう……」
「リリムと仲良くするな」
「う、うん……。仲良く、仲良くするよぉ」
 喘ぎ混じりに訴え、その間にもアリサは撫でられる腰をガクガクと揺らしていた。

「よーし、もういいぞ」
 やや名残惜しそうにリリムは手を止める。
「そのままパンツずらして」
「やっ」と言ったものの、アリサは抵抗しない。
 するするとスカートの中からパンツが下ろされ、細い脚を通して脱がされた。
「こっちへ」
 リリムからパンツを受け取ると、わずかにシミが付いていた。そのパンツを鼻に当てて匂いを嗅ぐ。
「うん。アリサの匂いがする」
「もー。やだー」
 真っ赤な顔がさらに恥ずかしさで泣きそうになる。
 パンツはベッドの脇に大事に置き、ベッドの上のリリムに言った。
「リリム。アリサの身を起こして」
「はい」
 リリムが抱き合ったまま身を起こし、僕はアリサの後ろに回り、
「もう縛る必要ないな」
と、両手を縛る髪をほどいてやった。栗色のツインテールがするするとほどけ、
流れていく。
 アリサは特に暴れることなく、ベッドの上で座り込み、リリムと抱き合っていた。
「うん。そのままで」
 抱き合ったままの二人の、ツインテールを一本ずつ手に持つ。アリサの栗色の髪とリリムのピンクの髪。
「うん。良い匂い」
 手に触れる感触はさらさらで、鼻に寄せると良い匂いがした。カーと二人して赤い顔をさらに赤くする。
「そのままな」
 動かないように命じると、栗色のピンクのツインテールを重ね、きゅっきゅっと結んだ。
「ご主人様!?」
「お兄ちゃん!?」
 目を丸くする二人に構わず、もう片方もきゅきゅっと蝶々結び。
「ほーれ、ツインテール結び」
 正面から抱き合うアリサとリリムの長いツインテールを結んだのだ。これも前からやりたかった。
「はわー」
「もー。へんたい」
 リリムは口をぽかんと開き、アリサは毒づく。これもアリサが変身解除すれが解けるんだが。
「それじゃあ」
 僕もいそいそと服を脱ぎ、素っ裸になると、
「なめて」
 二人の間にちんこを差し出す。もうギンギンに勃起した男の象徴を。
「やんっ」
 アリサが目を背けようとするが、結ばれたツインテールが引っ張って離れない。
「きゃんっ」
 ほらリリムが痛がる。
「あっ、ごめん」
 慌てて正面を向くと、やっぱりお兄ちゃんちんちんが目の前。
「う〜」
 眉をしかめてアリサが唸っていると、
 ちろ
 とリリムが舌を出して脈打つペニスの青筋を舐めた。
「おおう」
 びりっと快感に痺れ、思わず腰を振る。

「はー。リリムの口は気持ちいいなー」
 ぺろ、ぺろとリリムが舌を伸ばす度、ペニスが感激に打ち震えた。
「あ、あたしも……!」
 その様子に、恐る恐るアリサも口を寄せる。根元に陰毛の生え、勃起した赤黒い肉棒に。
 そっと小さな舌がペニスの横に触れ、頭までビリッと痺れた。
「う、うん……。アリサもなかなか」
「……へんたい」
 毒づきながら、ぺろっと舐めていく。リリムと目を合わせ、お互いにちろちろと舌を走らせていった。
「はー。ごっつええ」
 たどたどしいが、だからこそ、こそばゆい感触が絶妙の快感になる。口でさせる気持ちがよく分かった。気持ちいいからだ。
 ブル、ブルと腰が勝手に震える。
「よーし。もういいぞ」
 僕は慌ててペニスを引き戻す。危うく射精しそうになった。
 まだだ。出すなら妹の膣内に。
「アリサ。リリムの上になってこっちに尻を」
「う、うん」
 ツインテールを結んだまま、今度はアリサが上になる。そして、緑のスカートに包んだ小さな尻を掲げた。
「うん。濡れてるな」
 スカートの中をのぞくと、毛もない縦筋はうっすらと濡れている。うっすらと蜜の匂いがした。
「いくぞ」
「う、うん」
 下になったリリムをぎゅっと抱き、リリムも安心させるように抱き返した。
 上にアリサ、下にリリム。二つの股間を見て、上のアリサのスカートの中に腰を進める。
「あっ」
 先端が濡れた割れ目に触れ、ビクッとアリサの背中が揺れた。結んだツインテールも揺れる。
「大丈夫」
 下になったリリムが声をかけると、アリサの頭を撫で、
「私も一緒ですから」
と、ちゅっとキス。同時、僕も一気に妹を貫いた。
「!」
 衝撃にビクッとアリサの小柄な体が震え、
「アアーッ!」
 リリムがキスした口を離すと、絶叫が漏れた。
「ああっ! ハアアアッ! ああああーっ!」
 いきなりの早さでアリサの小さな尻が左右に揺れ、そして狭い幼膣がギチギチに締め付けてくる。
「くっ!」
 さっきは我慢した射精感がすぐにぶり返し、たちまち脳内に白い閃光が走った。
「アアアッ! アアアアッ! お兄ちゃん! お兄ちゃん、お兄ちゃん!」
 下になったリリムに抱きつき、ガクガクとアリサの腰が揺れる。早く、早く。
 その腰の動きと肉壷の狭さ、そして叫びが、たちまち僕を絶頂に導いた。
「お兄ちゃん! お兄ちゃん! お兄ちゃん! お兄ちゃん、お兄ちゃん! お兄ちゃーん!!!」

 ドクッ

 挿入して間もないのに、妹の猛烈な責めにあっさりと射精してしまった……。
「ふああああーっ! お兄ちゃん! お兄ちゃーん!」

 結んだツインテールも激しく揺れ、そして止まる。
 白い背筋を仰け反らせ、硬直し、精を受け止めるアリサも絶頂した。

「アアアアアアアアーッ! お兄ちゃーん!」

 どくん……ドクン……。
 導かれるまま射精し、僕はなんだか脱力して肉棒を引き抜いた。先端からぽたぽたと出しこぼしの液が漏れ、アリサの尻にかかる。
「はぁ」
 ぐったりとため息が漏れる。こんなすぐに射精しちゃうなんて……敗北感。
「ふー」
 一方のアリサは満足気な顔で、リリムに抱きついている。なんだか勝ち誇っているように見えた。
「ねえ、お兄ちゃん」
 息を整えると、アリサは潤んだ瞳で、
「髪の毛、ほどいてよ」
「あ、うん」
 言われるまま、僕は結んでいたツインテールを解いていく。でもそれだけじゃなんだか悔しい。
「こっちもほどくぞ」
 アリサのツインテールの根元、黄色いリボンをほどいた。さっと栗色の髪が白い背中に流れる。
「長いんだな」
 サラサラの栗色の髪を背中ごと撫で、僕は言った。普段は短い栗色の髪も伸ばせばこうなるんだろうか。
「うん……。長い髪って憧れるから」
 それで変身すると髪が伸びるのか。
「あ、あの。こっちも」
 控え目にリリムも懇願してくる。
「ああ」
 こっちはピンクのリボンで髪を結んでいる。それを二つとも解くと、ピンクの髪がベッドに流れた。
「髪を降ろしたリリムも可愛いよ」
「えへへ」
 無邪気に笑い、アリサの下で顔を振って長いピンクの髪を揺らすリリム。
 アリサはリリムの上から横に回り、長い栗色の髪を広げていった。
 栗色とピンク、二人の魔法少女の長い髪が混じりあい、幻想的な色合いを僕に見せてくれた。
 その二人のさらさらの髪を撫でながらアリサに聞く。
「これからどうするつもりだ?」
「お兄ちゃんはどうするの?」
 逆に聞き返された。
「とりあえず、今までどおり続けるよ。魔王の呪いを解かないと」
「はい。リリムは魔王目指してがんばります」
 ……一応、目指してたんだな。リリムとアリサの目が合い、ニコッと微笑みあう。
「じゃあ、あたしも正義の魔法少女続ける」
「えっ?」
「止める人が必要でしょ?」
「うーん」
 困ったが、どこかこうなるだろうと思っていた自分がいる。こういう妹なのだ。
「あのな。僕やリリムならいいけど、他の魔物にやられたら酷いことになるんだぞ」
 まさか魔王候補者の100人の魔王の子供全員がリリムみたいな奴ではあるまい。

……100人全員がリリムみたいだったら、それはそれで嫌過ぎる。
「大丈夫だよ」
 くすっと微笑み、アリサは手を伸ばして僕の頬を撫でる。
「そのときはお兄ちゃんが助けてくれるもん」
「うーん」
 もう一度唸る。
 そりゃそうだけど。でも危ないことには変わりない。
 妹を魔法天使にした魔法天使エンジェル☆ローラは言っていた。魔法少女は絶望すると、
魔法を失い、魔法に関する記憶も失うと。つまり絶望すれば普通の女の子に戻る。
 でもなー。妹が絶望するほど酷いことはさすがに出来ない。
 そりゃ両手両足切断して、お腹開いて肉便器に改造し、三日三晩おしっこかければ絶望するだろうけど。
そんな酷いことを出来るわけがない。
「分かった」
 言って、ちゅっとアリサにキス。それから横のリリムにもキス。
 アリサはもう何も言わない。ただ険しい目で睨むだけで。
「これからも、お互いの道を行く。それでいいな」
 アリサは正義の魔法少女を。リリムは悪の魔法少女を。そして僕、千巻 大和は悪魔の道を。
 お互いの道を進んで行くと決めた。
「ただし」
 僕は二人に指を立て、
「家の中は中立地帯。絶対に争わない事。いいな」
 家の中までドンパチやられたらたまらない。
「うん」
「分かりましたー」
 分かってくれたらしい。それでは、
「今日は学校は休み」
「お兄ちゃんのせいでね」
「ということで。一日中やろう」
「さんせーい」
 リリムはすぐに笑顔にになり、アリサは顔を赤らめ、小さく頷く。
 そう。今日はずっと3人で抱き合うのだ。
 と、その前に、
「ご飯にしよう」
 考えて見れば、昨日は夕飯抜きで、今日も朝に食パンを食べたっきり。アリサも何も食べていないだろう。
「それじゃ、ご飯の用意するね」
 アリサはさっとベッドから降りる。食事を取ってゆっくりとやる。そう考えたのだろうか。
「うふふ」
 その横顔は微笑を浮かべていた。
「あ、リリムもお手伝いします」
 リリムが続こうとすると、
「いい? リリムちゃん」
 キッと睨んでアリサは告げる。
「お兄ちゃんはあたしの作ったご飯が好きなの。『美味しい、美味しい』て言って、
全部食べてくれるの。
 だからお兄ちゃんのご飯は全部あたしが作るの。分かった? 分かったら『はい』と言いなさい」
「は、はいですぅ」
「よろしい」
 すたすた階段を降りる妹に、怯えながら戻ってくるリリム。

 はぁ。これからどうなるのか。
「ご飯だよー」
 呼ばれて下に降りると、「ありさ」はエプロンのみを着けていた。裸エプロン。
長い髪は元のショートヘアに戻っていた。変身を解いて戻ったのだ。
 ごくっと唾を飲み込む僕に、
「どう? お兄ちゃん」
 くるっと回転するありさ。小さなお尻が丸出し。小さな胸が上から見えるのもまたよし。
「ご飯食べたらたくさんしようねー」
 こくこく頷く僕。
 いろいろあったけど、今まで以上に仲良しの兄妹です。
 さて。ご飯食べたら、小学生6年生の妹と裸エプロンプレイだ。

 この街には二人の魔法少女と一人の悪魔がいる。
 一人は、
「ナイトメア☆リリムただいま参上〜」
 デパートの屋上のステージで豊かな胸を張るリリム。そして、
「ナイトメア☆ヤマト、邪悪に参上」
 日曜日の平和なデパートの屋上。そのステージに現れたリリムと悪魔の僕に、
子供たちから、「わるものだー」「きゃー」と笑顔で悲鳴が上がる。
 今日の作戦は、『デパートの屋上を占拠して、子供たちを遊べなくする大作戦』。
 なんという邪悪、なんという外道!
「待ちなさい」
 だがそこにかかる鋭い声。そう。もう一人の魔法少女。
「マジカル☆アリサ、ちゃきちゃき行くよー」
 ステージに颯爽と登場した正義の魔法少女にデパートの屋上はヒートアップ!
「わー」「きゃー」と、ステージの下の子供たちの歓声も一際大きくなる。
「みんなー。正義の魔法少女、マジカル☆アリサを応援してねー」
「アリサちゃーん」「がんばれー」「やっつけろー」
 子供たちから飛ぶ素直な応援。いいなー。なんかいいなー。
「さあ、ナイトメア☆リリム。今日も悪い子にはお仕置きよ」
「わはは。マジカル☆アリサ。今日こそお前の最期だー」
 用意していた台詞を吐き、がおーと吠える僕。
「さあ、ナイトメア☆ヤマト。一緒にマジカル☆アリサをやっつけましょう」
 リリムも台本通りの台詞を言う。うんうん、たくさん練習したもんね。
「さあ、ナイトメア☆ヤマト。一緒にナイトメア☆リリムをやっつけましょう」
 ええっ!? なんでアリサがそんなこと言うの? 台本と違うよ?
「お兄ちゃん!」
「ご主人様!」
 正義と悪、二人の魔法少女が左右から僕に詰め寄る。そして二人同時に唱和して言った。

「「どっちの味方するの?」」

 ステージの下からは「わー」「きゃー」と子供たちの歓声。

 えーと。どっちの味方しよう?

(おしまい)