紅の輝き……巨大な光球に『力』が蓄えられていく。
誰が見てもそんな印象を受けるだろう。
その光の下…球の圧倒的な『力』よりも、その愛らしい顔に『力』…『魅力』を感じる。

「……パワーランページ!…そぉぉる!!………ルビィーーーッッ!!」

可憐な声と共に少女の腕が振り下ろされる。
光球は少女の手…いや、その手に握られた『杖状のモノ』を中心に形成されていた…
そう、既に光球は少女の動作の瞬間に放たれていた。

「ぐわあああああっ!」

断末魔…声と言うより稲鳴きに近いそれは爆音に掻き消される。
…………
ここでTVの画面はスタジオに戻った。
「……このように日中に現れた『怪人』は何時ものように
 『ソルティーナッツ』を名乗る少女によって…………
…プツン
電源を切られたTVは沈黙し、少女の溜め息を吹きかけられる。
ベッドに座っていた少女は…そのまま寝転び手にしていたTVのリモコンを放り出す。

「まだ慣れないのか?……菜摘?」

部屋には少女しか居ないにも関わらず壮厳な男の声が響く。
名を呼ばれた少女は寝たままでプイと顔を横に向け否定の意を示した。
(そんなんじゃ………ないもん………///)
恥じらいと拗ねた表情が少女に歳相応の幼さを纏わせるが…
その顔は先程TVに写しだされた『少女』のものと同じだった。
『力』など微塵も感じさせないが…愛らしい『魅力』は幾分も損なわれていない。
「撮影されるのが嫌ならカメラごと撮影者を破壊すればいいといつも言っているだろう」
威圧感のある声が『破壊』という言葉の意味を強くする。
「いつも言ってるでしょ?……そんなのダメだもん……」
力なく気のない返事をいつものように囁く。
そう、この少女こそが先程のニュースで報道されていた『怪人』を倒した本人…
『ソルティーナッツ』だった。
既に10体以上の『怪人』を倒し、その大部分はマスコミで報道されている。
警察どころか軍隊でも敵わない怪人に対峙できる唯一の存在として世界中の注目の的……
もともと恥ずかしがり屋な菜摘にとって確かに脚光を浴びるのは苦手なことだ。
だがだからといって罪のない人間を攻撃していいはずもない。
最初から繰り返されてきた『声の主』と菜摘とのやり取り……
そして菜摘は気付いていた。
『声の主』…杖状の物体………
彼がいつも同じ事を言うのは本来の菜摘の憂鬱…溜め息の理由から遠ざけるためだと。
だが、それは避けるわけにはいかない事なのだ。
菜摘は『彼』の気遣いをありがたく思いながらも核心に触れた。
「………何回ぶん?…///」
少女の恥じらいが混じる問い掛けに即座に彼は答える。
「二回だ。…一回でも満杯に近いがな」
鐘のように響く声…だがそこに感情は感じない。事実のみを告げている実感を与えるが。
「ホントに?!……ホントにそれだけ?」
予想していたよりも少なかったのだろう。菜摘は跳ね起きて喜び混じりで問い質す。
「ああ、それだけ出力調整が上手くなった証拠だ……
 だから無理をせずとも…あと10回ぐらいは戦えるはず……」
やはり感情こそ感じられないが言葉の内容は少女を案じている。
しかし彼の台詞は中断された。
少女の瞳には確固たる決意が現れていたからだ。

「……その……今から………する……ね?…///」

菜摘はまず部屋の空調設備を少し高めの温度に調整する。
それからベッドの掛け布団をめくり…思い出したようにカーテンを閉める。
クローゼットの下に隠してある介護用吸水性シーツを取り出し……
微妙だった赤面をあらわにする。
耳まで真っ赤にし自身のベッドにそれを敷くと……
もたもたと…白い長袖Tシャツの上に着ていたキャミソールを脱いだ。

何の変哲もない普通の少女である菜摘が想像を絶する『力』…魔力を使うための代償……
これから始めるのはそのための儀式……
(……したくて………してるんじゃ……ないもん…///)
仕方がないと自身に言い聞かせつつも菜摘は羞恥に震える。
膨大な魔力を持つ『彼』から魔力を補充して初めて少女は魔法を使える。
だが。補充の際には『彼』の精神領域に己の精神領域を近付ける必要があった。
その為の手段として…少女には『性的絶頂』以外の選択肢がないのだ。
快感の絶頂…そのある種の精神的トランス状態で一時的に『彼』の精神領域に近付ける。
その際に少女の魂の許容量に応じて魔力が注がれるのだ。
………菜摘は『初めて』の時を思い出す。
『怪人』により屈辱の強制絶頂へ追いやられた時のことを…
それまで自慰すらしたことのなかった少女にはあまりにも強すぎた快感……
あの時に『彼』と出会わなければ…
そのまま処女も奪われて家畜同様の性奴隷となっていたはず。
(それと比べれば……これくらい………///)
デニムのスカート、Tシャツを脱ぎ…白いショーツだけの姿で菜摘はベッドに横になる。
夕方とはいえまだ明るい。天井がやけに高く感じる仰向けで少女は胸に手を添える。
(………ん!)
まるで待ち侘びていたかのように乳首からの甘い刺激に意識が揺れる。
行為自体にも揺れる意識にも羞恥を感じるが…その両方を加速せざるを得ない。
小さい手の平から指の先までを使い乳首に触れるか否かの愛撫……
早くも幼い膣内に何かが溜まっていくのが実感できてしまう。
(やぁ……また……ぱんつ……汚しちゃう………///)
そう思ってもショーツを脱ぐことは躊躇してしまう。
言わば菜摘にとって下着は最後の理性。
汚してしまったとしても完全に取り去ることには抵抗があるのだ。
戸惑いを誤魔化すかのように両手は執拗に胸を、乳首を弄る。
さほどの膨らみではない双乳で快感を得るために必然的に乳首に重点が置かれた愛撫…
相当な時間、胸を捏ね回してから…ようやく片手が腹を這い股間へ向かう。
既に膣に納まりきらない愛液がショーツをお尻まで濡らしている。
(こんなに………濡れちゃうなんて………///)
まるで失禁したかというほどの自らの恥態を自覚しなければならない。
そして…この先、さらに濡らしてしまうことも覚悟しなければならない。
最初の『怪人による』性行為が凄まじすぎたためか、少女の本来の体質か…
菜摘は性行為の際に異常なほど愛液を分泌してしまう。
タオルなどでは間に合わないほど大量にだ…故に吸水シーツが必要なのだが……
物理的なことより何よりも菜摘自身が恥ずかしい。
淫らに反応してしまう身体…自ら自身が淫らではないかと考えてしまうのだ。
そしてある意味ではそれは否定しようがなかった。
『怪人』にイかされたのはやむを得ない。怪人は例外なく催淫性の体液を持つ。
通常の女性なら狂わせられて当然。それは体験した菜摘が1番理解している。
だが以降の短い期間に20回を越える絶頂を伴う自慰行為は…
菜摘の年齢から考えれば淫乱としか言いようがない。
魔力の補給という理由があっても事実は変わらない。
そう、菜摘が『キモチいい』と感じてしまっている事実には変わりがないのだ。

「あ………ふぁ………///」

濡れたショーツの上から軽く触れただけで声と愛液が漏れる。
こうなると昇り詰めるまで降りてこられない。
羞恥をなるべく早く終わらせるべく行為は加速していく………

下着の上から幼い性器全体を揉むように押さえる。
ジュクジュクと手全体が自分の恥液にまみれていく。
その手を胸に戻し胸を責めていた手を股間へ……
そうやって何回も愛液を胸に塗りつけると完全に乳首が隆起してしまう。
指で摘むように乳首を虐めながら…もう一つの急所…未発達なクリトリスへ……
まだ皮に包まれた幼い芽をショーツ越しに撫で回す。
布と皮の二重二様の擦れ方が今の菜摘にはたまらなくキモチいい。
「あ………ぁ………ふぁ………んっ!」
激しくなる喘ぎと呼吸にビクリビクリと痙攣するように悶える。
もうしばらく行為を続ければ絶頂へと誘われる………そんな時、菜摘は考えてしまう。
(今日の怪人さん……狼男みたい……だったな………///)
今の菜摘は…鋭い牙よりも口から滴る唾液と器用に動く長い舌を思う。
(もし…負けてたら……///)
あの舌で文字どおりケダモノに舐められていた……
「あう!………ん………っ!」
急に刺激を増す身体に…いけないと思いつつ想像は進む。
(きっと……私も……四つん這いにされて………どーぶつみたいに………///)
空想に合わせるように俯せになり…お尻を高く上げてしまう。
手は乳首とクリを責め続けている為に肩で上体を支えることになるが…
逆に膝から上の腰だけを自在に動かせる。
いやらしく揺れる尻…下着越しにも関わらず股間から糸を引いてシーツまで滴る愛液…
(やぁ………そんなに………ペロペロしちゃ………ダメぇ………///)
無意識のうちに胸を布団に…手で責められないほうの乳首にシーツの感触を味あわせる。
「くぅぅ………やぁ………ん!……き、キモチ……いい…………っ」
快楽を言葉にしてしまうとそれがアクセルになる。
淫らに全身を揺らし愛撫も指使いも勢いを増し……
「あ!………うああ………っ
 やああああぁ…………っ………イく、……イっちゃ…………っっ!!」
プシュっ!…ピュ……ッ!
ぐしょぐしょに濡れたショーツの布越しに愛液が飛沫を伴い舞う……
菜摘はその言葉すらまだ知らない『潮』を噴いて絶頂に達した…………
「……………ぁ…………ぁ………………………///」
視界が反転するような錯覚…白くなっていく意識……快感に麻痺した身体………
力なくチョロチョロと漏れる尿の感触と余韻の中………悦に満たされていく。
………
……

気を失いそうな余韻がようやく治まりかけてから菜摘は身体を起こそうとする。
吸水シーツに両膝をついて尻を上げていたため、尿もそこを中心に染みている。
二つの円は愛液の染みと合わさり吸水シーツの大半を湿らせているが……
「………あと………もう一回…………///」
菜摘は、まだ敏感な性器を触れようとする。
魔力を限界まで補給しておく為だ。いくら余裕があると言われても納得できなかった。
(もし…負けたら………ホントに…やられちゃう……///)
幼い少女には犯される恐怖より快感に負ける羞恥のほうが大きい。
今のオナニーのようにイかされてしまう……一度経験しているからこその激しい羞恥。
絶対に他人に見せたくない姿。だからこそ戦いの場には万全で立ちたい。
オナニーに吸水シーツが必要な点からもなるべく一度で済ませなければならない。
そんな少女の焦りを解すように声が響く。
「…今回は一度で最大値まで溜まったが?」
それを聞いて安堵と共に新たな羞恥も感じながら少女はペタリと倒れこんだ。
魔力の補給量は菜摘の高まりに比例する。感じれば感じるだけ補給されるのだ。
(つまり………その………今日は…いつもより……えっち…だった………はぅ…///)
恥ずかしさに耐えるために少女は余韻に身を浸し…そのまま眠りに堕ちていった。

(わたし……たぶん日本で1番…えっちなコだよぅ………///)

目覚めた後…ほてりをシャワーで鎮め身を清めた後。
さっき着ていた服と新しいショーツを穿いて菜摘は恥ずかしい自慰の後始末をしていた。
(ぅぅ……///……おしっこまで…もらしちゃった……///)
尿と愛液にまみれたショーツを捨ててしまいたい衝動に駆られるが…
もう何枚もそうやって汚しては捨てている。これ以上下着が減れば親に怪しまれるかも…
そう思うと恥ずかしくても洗うしかなかった。
両親は共働きの為、今は家にいないが…そろそろ帰るはず。
誤魔化すために下着を手洗いした後、他の洗濯物と一緒に洗濯機に入れた。
洗剤とスイッチを入れた時に洗濯機より先に『彼』が唸る。

「…言わなければ怒るのか?」

その言葉だけで菜摘は理解した。…また『怪人』が現れた。
(一日に二匹もなんて……)
思いながらもそれは想定したことがあった。だからこその魔力のフルチャージなのだ。
してしまった行為に理由…言い訳ができる。
「…昼間みたく…お外で変身しなくていいからラッキーだよ♪」
気遣かってくれた『彼』に強がりの笑顔を見せると菜摘は祈るような仕草を取る。
まず髪と瞳の色が変わる。『菜摘』ではなく『ナッツ』の私服姿……
なるべく正体がバレないようにとの少女なりの配慮だ。
それから足元に魔法陣が輝き少女の身体が宙に浮かぶ。
これからの変身プロセスを思うとやはり赤面してしまい目を強く閉じる。
変身には全魔力を集中させるため完全に無防備になる。
他者に見られても後から記憶を消すぐらいしか対処法がない。
また、記憶の改竄は魔法を以ってしても人格の保護観点から危険らしい。
もちろん正体がバレるのも禁忌しなければならないが…それ以前に恥ずかしいのだ。

浮かぶ少女の身体へ向かい魔法陣から光の触手が伸びる。
触手は丁寧にゆっくりと菜摘の服を脱がしていく。
勝手に衣類が脱げていく感覚はいつも恥ずかしい。
突然消えるのではなくリアルに脱がされて…より「裸」にされていくことを自覚させる。
生まれたままの真っ裸にされた少女は身体を「くの字」に曲げお尻を突き出す。
両手を左右に広げそのまま後ろへ……あたかも妖精が羽を伸ばしているようだが……
真横から見れば『了』と言う字に似たポーズ……これがまた恥ずかしい。
幼い胸も隠せない、お尻…性器が見えてしまわないか……
たとえ目を開けていても後ろは見えない。
いつも「みられているのでは?」と不安と羞恥を呼ぶが
この姿勢を取らないと衣装が装着されないのだ。
本当に性器の縦筋が見えるくらいにお尻を突き出して初めてショーツが構成されていく。
緊張から半分ほど乳首が立つとブラが構成されていく。
いずれも菜摘の『とっておき』と同じデザインの魔法の下着。
少女の周囲を光の風が流れ回る。
緩やかに回る少女の身体にゆっくりと服が具現化……
ふわふわのフリルスカート、襟と袖にフリルのインナー、やはりフリル過多なジャケット…
ストライプのオーバーニー、基本をオレンジ、金色で装飾が成された。
『魔法少女』そのものの衣装。
最後に魔法陣の上に現れたブーツを履く。
ゆうに3分はかかる長く恥ずかしい変身………
右手を掲げ現れた杖を回しながら自身も回転、少女なりの決めポーズ……
「魔法少女……ソルティーナッツ!」
これからの戦いに備えての気合いの名乗り。その瞳には『力』に劣らぬ強い意思。
魔力に満ちた少女の感覚が『怪人』を察知する。
今日は二匹め……何らかの策や罠も考えられる。苦戦は免れないかも知れない。
…それでも。
菜摘は行く。自分しか『怪人』を倒せないのだから……
自分のように怪人の淫毒に冒される者を一人でも減らすために………

…………完