エリスの体は、何度汚されても傷つけられても、時間をかければ再生する物だった。
 すべては守護闘衣の加護によるものだった。
 しかしここに不思議な事実があった。

 いくら守護闘衣の加護があろうとも、その魔術の奇跡を発動させているのは、所有者の魔力によるもの。
 どれだけ魔力を消費させても、彼女の魔力が枯渇することはなかった。
 まるで無限の魔力源泉。
 天才、麒麟児、そんな呼ばれ方をするだけの逸材だったのだ。エリスは。
 
 本来ならば人一人が扱える魔力総量は、一生のうちで決まっている。その大小にかかわらず、一日で使える一定の量という物が決まっており、小出しにしか出来ない物だ。
 普通、毎日と言って良いほどの“人体蘇生”の奇跡を体現できる魔力を、そう何度も体の内から搾り出せる存在はいやしない。

 しかし尽きない。
 どうやっても尽きない。
 魔族がどれだけ彼女を陵辱し、蹂躙し、犯しつくし、魔力を搾取しようと彼女の体から魔力が尽きない。
 さまざまな意味で彼女は魔族にとって重要な存在となっていた。
 
 だが、その事実を知るものは少ない。
 限りなく―――。

 エリスを魔界につれてきた人物が立っていた

 死神種族としては若手だが、その能力の高さは他の追随を許さないほどの力の持ち主。死神の中の上位クラスでも彼を無傷で倒すことは出来ないであろう存在。
 身長は魔族の中では小さく、三メートルにわずかに届かない。それでも大きい。
 見た目の体から痩身に見えてしまう美形の男だった。

 名は存在しない。個体を呼ぶための名など必要ないと思っている彼は、エリスを放り込んだ魔族、無限の大蛇に語りかける。

「彼女を出せ」
「えー、やだよー。まだたのしむのー。しんでないのー」
「彼女は死なない。犯すだけではどうやってもな」

 大蛇はしぶしぶエリスを口の中から放り出した。
 今現在も犯されていた途中なのか、体中白濁液で汚れていた。
 黒いワンピースのような守護闘衣。スカートは可愛らしいティアードスカートの様になっている。今ではすべて白く汚れているが。
 ビクビクと体を揺らすエリス。
 その体がまだ死んでいないのを確認すると、おもむろに彼は大鎌を取り出した。
 漆黒の大鎌だ。黒く鋭く、人の魂を刈り取るために存在する。彼ら死神種族は魂を狩り生きている。
 大鎌を取り出すときは体を破壊し、魂を刈り取るときだ。
「あれー、ころすのー?」
「ああ」
 
 彼はあっさりと頷き、大蛇の頭部を両断した。

「あれ……?」
 ずるん、と分断される大蛇。
「俺の殺意に気がつけなかった自分を呪うんだな。鈍間が」
 笑い、彼はエリスを見下ろす。
 これを手に入れれば、無限の魔力が手に入る。もっと強い力を手に入れることが出来るのだ。
 彼女の体に無限の魔力が存在することを知る者はもう存在しない。
 彼の大鎌の一撃で消滅したのだ。
「ふん、こんな小娘がな」
 以前と同じように、エリスの頭をつかんで引きずろうと考えていた。
 彼女の黒い髪、その小さな頭を片手で包み込むようにつかんだ瞬間、

「……っ! 月華ッ!!」
 
 至近距離だった。
 まだ動けるだけの力が残っているのかと驚愕した。
 体はいくら再生しても、精神と体力が限界だと思っていた。
 しかし彼女の目には光が灯り、今まさに彼に一撃を入れたのだ。
 傷一つつけることは出来なかったが。
「……面白い」
 まだ手のひらを彼に向けて、エリスは力を込める。
 面白いと思った。
 ただの人間がここまで出来るとは想ってもみなかったのだ。
 見縊っていた。
 同時に気に入った。
 魔力を搾取するだけにしようと思っていたのだが、彼女を自分の物にしたいと心変わりした。
「はなして、……くださいっ」
「駄目だ断る」
 頭をつかんだ手を引き寄せて、眼前までにエリスの顔を持ってくる。
 幼い顔立ちの中に強い闘志が残っている。
「お前はこれから俺のモノになる。拒否権は存在しない。お前は俺の道具になるんだ。わかったか?」
「わかりません……ッ!」
「わかる必要はない」
 彼は笑い、エリスを連れて行く。
 今の魔力の一撃が、今現在の限界だったのだろう、その後は口で反論するだけでほとんど動くことも出来ない状態となった。


 魔界の奥。彼が住まう場所の近くに、特殊な池が存在する。
 浅い池だ。くるぶしまで程度の浅さ。池というより水溜り。しかしその水溜りがまるで海のように広がっている。
 わずかに赤色を含んだその水は、赤い蒸気を舞い上がらしてその場所を濃密に血の色に染めていた。
「あ、く……っ」
 その蒸気を吸い込んだからだろうか、彼女の体が震えた。
「わかるか? ここの空気。人間にとっては濃密な媚薬と同じ効果を持っている。ここから生まれる樹木の魔族がここの原液の千分の一の効果で女を取り込んで弄ぶんだがな」

 エリスは知らない。まだ先の未来、その樹木の魔族に自分の妹が犯されたことがあるなどとは。

「吸うだけで、その魔族が最も強く出す媚薬と同じ効果を持っている」
「あ……あっ、ああッ!」
 引きずるだけでエリスの体は絶頂する。接地した体が敏感なりすぎているのだ。
「やめ、やめて……や、ひっぱらなでぇええぇッ!」
 暴れれば余計に全身が絶頂する。すべてが性感帯だった。
 頭をつかんでいた手を離し、床に転がす。
「一ヶ月か。あの大蛇の中で過ごした期間だ。あの中に放り込まれた魔術師の最長生存記録といえば、三日だったんだがな」
「あああっ、あっ!んはあぁぁっ!ふあああッッッ!!?」
 もだえ苦しむエリス。
 それを笑い飛ばし、彼は呪文を唱えた。
「先ほどまで蛇の中に入っていたところを悪いんだが、今度は蛇に入ってもらうことにてもらおう。多少……特殊だがな。逃れたければ俺に忠誠を誓え」
 生まれた魔法陣から出現したのは、蛇とは名ばかりの異形の存在。
 見えないレベルの短い針がその体を包む蛇だ。体は歪に大きさがまばら。膨らんでいる部分もあればとがっている部分もある。蛇には見えない。
 それが無数に生み出されたのだ。
「あ、あああ……い、や……やだ……」
「何度も言わせるな。お前に拒否権はない」
 蛇らしい動きを見せて、異形の蛇はそのタワシの様な体をエリスの秘所にもぐりこませた。
 黒いスカートが膨らみゆがんでいる。
「そ、そんな……っかは!……くふ、っくぅッッ! 痛ぃぃいあいああッ!うッ あ、あ! 痛いいぃぃぃいいッ! お、大きいッ! こんな、こんなぁッ!」
 首を振って涙を撒き散らしながら、エリスは絶叫するが蛇はそんな言葉を聴きはしない。エリスの中を蹂躙するために、その痛々しい体を幼い秘所の襞を傷つけながらもぐりこんでいく。
 地獄のような痛みがある反面、強い媚薬の効果で同時に体を絶頂に叩き上げられる。
「うあぁ、あ、ああッッ! 太いッ……大きすぎます…ッ! こんなの無理です……おぉぉ、おなかっ、こ、壊れちゃ、うぅううッッ!」
「壊れない。お前は壊れないんだ。皮肉だな。お前が着ている守護闘衣が、お前を決して殺してはくれないんだ。精々苦しみ悶えろ」
「やーーーッ、いやーーーっ、たす、いや、ひぃい、ぎいいい! 痛ぁぁぁ……ひぎ、ひぎっぎひぃいいいぃいい――!」
 地面にて悶えるエリスを冷たい目で見下ろし、彼は近くの岩の上に座り込んだ。じっとエリスの姿を観察する。
 幼く小さな体が蹂躙される様を。
 黒いワンピース型の守護闘衣の中を、異形の蛇が這い回る。胸に取り付きとぐろを巻いて、突起をその口に含んだ。
「だめぇッ! 噛んじゃやだぁッッ!!」
 見えなくても彼には見ることが出来た。
「はぁ、あぎひぃいいッッ! いやぁ、も、もういひゃ…ゆ、ゆるし!? ひいっぎゃああぁァアァ〜!」
 子宮の奥を貫いた。


「あ、ああぁ、あぐううぅぅッ! だ、だめですッ!も、もうこれ以上、だめ―――ッ、お、奥まで入っちゃだめぇええええッ! もういやぁぁッ! はぐぅっ、ひぎぃいいいいッ!?」
 細い子宮口を容赦なくその体で傷つけていく。中に入る速度は緩めず、出てくる速度も緩めない。長い長いストローク。
「うあぁあ、いひぎぃいいい! こんなぁ……ぎぃ、ひぎぅッ!こんなの壊れ、ぇぇええぇくあああぁああぁ!!だめ、だめだめだめだめぇッッ!裂けてっ、死んじゃうぅぅッッ!」
「だから死なないといってるだろう?」
 当たり前のように降り注ぐ彼の言葉に、エリスはその目を見開いて懇願する。
「ひ、いや、いやあぁぁッッ! ひぐぅうッ!だめ、だめぇ! お願いです、止めてくださぁああああああっっ!」
「駄目だ」
 きっぱりと言い放つ彼に、エリスは今度は蛇に懇願する。
「出てってぇ、お願い、やめてくださぁ……ひぎ、痛ぅああぁぁ! ぎッ!? うぐふぅッッ!ひうぐぅッ! あぐぅッ、あぐッ! あぐぅッ! ひあぁぁああああッ!」 
 暴れまわりながら、何十、何百と絶頂を体験する。激痛を感じるたびに絶頂しているのだ。
 蛇はその小さな体をひっくり返し、エリスをうつぶせにする。
「くはぁッ!? っひぃいい! そ、そっちなんて!? ふぁ、だめ、だめですぅぅ!…んぎぃっ、いぎいぃぃぃいぃッッ!かぁっひぃいいい――ッ!」
 そしてエリスのアヌスの中にその体をもぐりこませた。
 大蛇の中でも何度も蹂躙された場所だ。
 しかし守護闘衣の癒しは、彼女のそこを小さく閉ざし、真新しい痛みを彼女にまた与えることとなる。守護闘衣は、エリスを守るために存在するのに、今はエリスの苦痛を長引かせるための存在でしかなかった。 
「ひあっ、はっひぎぃいいいッッ! も、もう入らない……っくふぁあああぁぁッッ! お、奥まで入って、う、動いてくる……っうぅううぅ――ッッ!」
 叫ぶエリスは逃げるために、四つんばいで前に進む。
「…………ほう」
 男は笑った。
 蛇を体に埋め込まれながら必死にエリスが進む方向は、彼女を狂わせている媚薬の池が存在している。
 エリスは混乱していて気がついていない。
 徐々に進むエリスは、そこに到達して、その手がその液体に触れた瞬間、思い出した。
 はじめに突いた手のひらが、突然燃え上がった。
「ふうっ!はっ!ひっ!ひっ!ひはあぁぁぁぁぁぁっっ!!」 
 それだけで叫んでしまった。転がるようにその池から逃げる。
 触れただけですべてが真っ白になり、絶頂だけで死ぬかもしれないとエリスは思った。
 ここに近づいてはいけない。
 エリスは方向を変えて、逃げようとするが。
「遠慮することはない。入れ」
 彼は手のひらを一閃するだけで、エリスの体を吹き飛ばして浅い池に落とした。
 びやり、と身体が完全に池に浸かる。


「あ――――――ッ!!!」

 体を折れんばかりに仰け反らせて叫んだ。
「ひ、ぃいやぁぁぁ、たすけ、ぁあああああああ!!ああ、あああああああ!! い、ぐぅあああ! いあ、あああぁぁ!!ああ、ぅはぁぁぁああ! いや、も、がぁぅぅぅ! も、もうだ、だぁぁああぁあ!」 
 叫ぶ。蛇はその中でエリスの体をさらに蹂躙する。
 腹部を膨らませて踊り狂い、エリスをさらに狂わせる。
「ああ、あああああああああッ!! い、いがああッッ、ああ、いやぁぁあッッ!ああ、や、ああひッぐうぅぅ!! ひ、ひぁぁぁ!」
 暴れて転がるたびに、全身に降りかかり塗りこまれていく媚薬池。叫びながらであるためにみ、エリスの口の中にも媚薬が入り込む。
 内部からも焼かれ、叫ぶことしか出来なくなる。
 何度も暴れ周り、蹂躙され、エリスは助けを呼ぶ声とあえぎ叫ぶ声だけを響かせ続ける。
 それが四日。
 エリスにとって地獄の時間だった。
 もう動ける力も叫ぶ力も存在しないはずなのに、守護闘衣は彼女に叫ぶ力と暴れる力すら与えてしまうようだ。

 いまだに暴れ狂うエリスに、彼は蛇を突然消した。

 糸が切れた人形のように池にべちゃりと倒れこむエリス。
 身体の中に入っていた存在が突然消滅し、エリスは困惑気味に焦点の合わない目を空に向けていた。
 魔界の空は真っ赤だった。
「こうなっても壊れないお前の精神力……。感心する」 
「も、やめ……て、ください」
「まだ喋れるしな。恐ろしい。やはりお前は是が非でも俺のものにしたい」
 エリスの身体を抱きかかえる。
「う、ぐっ、ひああぁあ……ッッ」
 触れたところが感じるのか、顔を真っ赤にして目に涙をためて首を振って絶頂する。
 その姿に笑い、彼は自分の物を取り出し、エリスの荒らされた秘所に入れる。
 それは太かった。先ほどまでエリスを蹂躙していた蛇よりも。
 しかし形から表面が普通であるため、痛みなどは伴わなかった。拡張されたエリスの秘所は彼のイチモツをあっさりとくわえ込んだ。
「ふぐぅぅぅうぅうッ!」
「どうだ?」
「ん、く……ふあああぁっ」
 両手を胸の前で折りたたみ、先ほどまでの激痛を伴う行為から一転、どこか優しさすら感じる行為にエリスは首を振る。
「や、や……なのです、もう、やめてほし、い……ふあんっ!」
「何度も言うようだが、お前に拒否権はない。やめてほしいなどと口にするな」 
 エリスの腰を掴み、彼は緩やかに動き出した。 
「ふあっ、ひあぁっ、ん、くっ、ふあぁんっ、ひあっ、あああっ、やっ、やっ!?」
 小さく首を振って、突然の快楽だけの感覚から逃れようとする。
「感じろ。何も恐れることはない。お前が俺を受け入れれば、この感触だけを与え続けてやる」
「あはっ、は、ひやぁあああああっ!」
「俺のものになれ」
「い、や……ですっ! うくぅぅうッ!?」
「何故だ?あれか。お前が必死になって隠した、あの小娘のためか?」
「―――――――――なっ、知って!?」
 エリスはその目を見開いて、彼を見つめた。
「大鎌を結界化することで、俺ですら手が出せなかったからな。見逃してやったが」
「くっ、ひぐぅっ、あ、ひ、あぐぅうぅッ!」
「だが、それでいいのか? お前はここで魔族に犯され、苦しみ続け。命がけで逃したあの小娘はのうのうと普通に生きている。お前が助けを求めたのに、あの娘は動こうともしなかったではないか」
「そん、なっ、はひっ、ふあぁんっ! ん、ひきぁあああっ!」
「俺の物になれ。そうすれば、おろかな小娘を殺すことも出来るぞ?」
「そんなこと、しない、ですっ、くっ、くひあああっ!うぁ、んっあ! こんなの、い、いやですくぁ、あああッ!」
「強情だな。まあいい、お前がうなづくまで、ここで犯し続けてやろう。次は後ろだ」
「は、ひぃっ、やっ、やぁっ、ひああああっ!!!!」
 エリスは後ろに挿入された快感でまたも絶頂した。

 その後―――、エリスは三年間犯され続けることとなる―――。