力なく泣き崩れている伊万里を突然突き放し、アリスは自分の武器である真紅の鎌を伊万里の足元に突き刺した。
「う……ぁ?」
一瞬何が起こったかわからない伊万里は、次の瞬間に起こった閃光に悲鳴をあげた。
閃光と共に巻き起こった爆音で悲鳴は掻き消える。
伊万里とアリスの周りに形成された真っ赤な光の護法陣に二人は守られていた。当然アリスが生み出した物である。
「……この公園、他にも居たのね」
アリスはその銀髪から見える鋭い瞳で敵を射抜いた。
「へへッ、美味そうなガキが二人。やっぱ女は若いほうがいいな。腹は満たされないが肉が上手いし、悲鳴も楽しい」
(しかも下種ね)
目線を強くしてアリスは敵を見つめる。
真っ白な獣毛に包まれた獣だった。二足歩行で歩いているが、頭のほうは弱そうだ。力だけで相手を押すタイプ。
アリスは生み出した結界を見つめる。
最大の武器である真紅の鎌そのものを結界とする強力なものだ。本人の意思で解除するか、死ぬかしない限り解けることの無い結界だ。
「伊万里、そこでじっとしていて」
「ア、アリスッ、武器も無いのにどうするの!?」
「大丈夫。これでも魔術師の家系だからね」
手の平に魔術光を瞬かせる。生み出される魔術文字のリングは彼女が先祖から受け継いだ、一つの機能を持った魔術兵装である。
「あの程度の力馬鹿なら、これで十分なんだ」
相手の力量は目で見てわかる。これでも戦闘経験は豊富なのだから。
獣人は涎をたらしながら落下してきた。
地面を沈ませて着地し、問答無用でその大きな腕を振るった。
「……っと」
それを軽やかなステップで回避し、リングを生み出した右手の平を相手の額に向けて撃ち放つ。
「打ち放て、月光!」
キュンッ、と鋭い銀光が獣人の腕を貫いた。
「グガ……っ!?」
「どう? 私の家系に伝わる月光閃華の威力は。言っておくけど今のは軽いジャブみたいなものよ? 本当の威力はもっと強いし、連続で放つことがって出来るんだからね」
「小技で体力を削るタイプか……っ」
形勢不利と見たのか、後ろに跳ぶように森の中へ消えていく。
「逃げ切れると思ってるの?」
アリスは森の中に逃げた獣人を追う。
異形は一匹たりとも逃すつもりは無い。
力による身体能力は相手のほうが上だが、その他の戦闘力は間違いなく相手よりも上。アリスにはその核心があった。
だからこそ油断していたのだろう。
目標を捕捉。
「打ち放て、月光ッ!」
それは先程よりも強い威力。目映い銀光が木々を潜り抜けて獣人に迫るが、彼も馬鹿ではないらしく蛇行をしながらその一撃を避けきった。
「へへ…っ、当らなきゃ意味がね―よな」
「なら当てるまでよ」
リングが強く光り輝き、より一層強い力を篭めて、
「閃け、月光閃華っ!」
ガトリングガンの如き連射を持って、打ちまくった。
獣人が見えなくなれば見える位置に走り抜けて打つ。
ダメージは確実に与えている。避けることに集中している為に、それほど決定打は与えられないが、このまま打ち続ければ間違いなく相手を倒せる。
アリスはそう思っていた。
「……あれ?」
しかし、その足が不意に崩れた。
カクンとおちた膝が地面に付いて、腕も垂れ下がってしまう。
(力が……入らないっ!?)
腕に生まれたリングも消滅した。
先頭の真っ只中で、突然の不調。
「やっと聞いてきたか。じいさん、効き目悪いみたいだな、これ」
「文句を言うでない。これだけの広範囲に広げると、効果が薄れるのは当たり前じゃて」
(……なに、これ。それに、だれ? 他に誰かが居る……?)
獣人が近づいて来た。
「どうだ、痺れて身体が動かないだろう? 猪突猛進タイプはこうやれば簡単に終ってくれる。本当楽なものさ」
「アナタ……わたしを、嵌めたの、ね」
「そうだよ? わからなかったのか? まあいいや。今からお楽しみターイムだぜ、ひひひっ!」
「くっ!」
銀髪を握り締めて持ち上げられ、近くの樹に突きつけられた。
「ほら、じいさん」
「あいよぉ」
「な……っ!?」
腕が樹木に拘束される。
声は背後から。その年老いた声の本体は、この樹そのものだった
「へへへ、良い声で鳴いて見せろよ?」
「……誰がっ!」
「気丈な顔が何ともそそるねぇ。その顔が泣き叫ぶのを見るのが、人生の中で二番目に好きだな。一番はこの……」
「くあっ!」
いつの間にか無骨な獣毛に覆われた指が、アリスの下着の中にもぐりこんでいた。
「この中に俺のものを突っ込む瞬間さー。大抵入らない。
慣れた風俗の女でも泣き叫んで、股は裂けて絶命するんだぜ? 普通の人間は面白くないわけだ。
それに比べて、お前らみたいな特殊な奴らは身体が頑丈だからさぁ、死ぬまで楽しませてくれるんだよな。ギリギリ締め付けてくれてよぉ」
「下種……っ、きぐぅうっ!」
平たい胸を大きな手で握り締められた。上半身を片手で半分以上包めるほどの大きさ。
アリスの身体はその獣人の腰までしかないのだ。
大きさが違いすぎた。
「楽しませてくれよぉ?」
いいながら、口から赤く長い舌を出してアリスの頬を嘗め回した。
「んくっ」
アリスは口を閉じて耐える事にした。悲鳴は相手を楽しませる事になる。だから口を閉じてしまえば良い。
「へへ、その強情な部分がいいって、わかってないのかねぇ? じゃあ、早速」
アリスの片足を掴んで引き上げる。柔らかい彼女の足は、真上まで持ってきてもその堅さを感じなかった。
柔軟な足を折りたたみ、樹木が捉えてしまう。
「ほれ、これで閉じられないっと。ほーら、むしり取るぞ」
ビリッィィ!
「っ……」
アリスの大事な部分を隠す下着を剥ぎ取られた。
幼く、まだその機能を果たす事が出来るわけも無いその割れ目を見て、獣人はこの上なく嬉しそうな声を上げた。
「ひひひ、これこれ。はいるはずもない場所に入れるってのが、面白いんだよ」
獣人の股間から伸びる男根を、アリスは見てしまった。
「え……ぁ、なに、それ……」
「なにそれって、ナニだよナニ、みたことねーのか?」
(嘘……そんなの、なんで、無理、絶対……)
以前自分の姉が犯し殺されたのを目の前で見たが、あれほど巨大なものではなかった。
地面に付いている片足が、震える。爪先立ちになっているからではなく、恐怖と絶望から。
「怖いか?」
耳元で小さく聞いてくる。眼の前が獣人の身体だけで埋まる。
逃げる事が出来ない状況。
犯されるという恐怖。
震えそうに成る身体を、アリスは気丈に奮い立たせた。
「だれが――――ひっ、ひぃ! ぎ……っ!?」
何の前戯も無く、獣人の男根がアリスの膣口に突きつけられた。
「あ゛っ、が……ぐ!?」
「やっぱはいらないなぁ。まあ、それでも入れるんだが」
「む゛、り……ぎぃぃ……っ、あ、ひがぁぁあああっ!?」
僅か、一ミリ程度が進んだだけで死ぬほどの激痛だった。
(そんな、そんなのうそ、あんなのいれられるなんて、ありえない、むり、死ぬ、裂けてしまうから……っ)
泣き叫びたかった。
しかし、ここに来る前に結界の中に守った伊万里の顔を思い浮かべ、その悲鳴を噛み締めた。
その顔を見てより一層邪悪な笑みを浮かべ、腰に力を篭める獣人。
「あ゛ッ……ぐぐうううぅぅぅ!!」
二ミリ程度。真っ白な雪の上を、重いキャタピラを持った戦車がゆっくりと突き進んでいくようなものだった。
「ひひ、いいね、いいね、その顔。もっと歪ませてやるからな」
「ひぐうぅぅっぅうっ!」
言葉一つ一つがアリスの心を砕こうとする。
しかし壊れなかった。僅かなに残る、伊万里に対する守ろうと思う気持。それがアリスを支えていた。
自分が死ねば、この苦痛を、地獄を味わうのが彼女となるのだ。
「もうちょっと力を入れてみるか、っと」
ズンッ!!
「くぁぁあああああ゛っっっ!!」
処女膜が散らされた。その痛みがわからないほど、常に激痛に襲われていた。
「ひゃ、ぐっ、ぎっ! ああッ!」
首を振って痛みから逃れようとする。
悲鳴が暗い森に響き渡る。
断続的に響いて、時折大きな悲鳴を。
その繰り返し。それだけでアリスに行なわれている暴行の地獄が伝わってくるかのようだった。
「おーっし、ゴール……っと」
ゴツンッ!
「くっ、あ、ああ、あああ……」
悲鳴を上げる気力も奪われ、最奥を貫かれたアリスが目を見開いて涙を溜めて頤をはらした。
「くっくっく、よく耐えたなぁ、ご褒美だ」
大きな口から長い舌を出し、アリスの口に挿入する。
「やめ、や、んぐぅ! んぐぅぅぅっ、ぐ、んむぅーーーッ!!」
口の中を犯すように蹂躙する。
「う、おぶ、ぐ、んぐぅッ、んぅぐっ! んぐぅぅぅぅっ!!」
アリスの喉の奥まで突き込み、戻し、性行為のようなディープスロートが終ったあと獣人は言う。
「さあ、次のステップだぜ?」
「……ぇ……」
痛みが終って終わりだと、判断してしまった。暴行され殺された姉の記憶からここで終わりではないと言う事くらい知っているのに。
ズル……っ!
「いぎぁぁああああッ!? あぎッ! 駄目ッ、そんな、死んじゃ――うぐうッゥゥッ!」
イキナリトップスピードでピストンを始めた。一度入ってしまって道の出来た膣道は、引き抜かれて元の形に戻ろうとした瞬間、またも無遠慮に侵略してきた男根にまたも悲鳴を上げる。
「あぎっ、グッ、あ゛っ、ぎッ! んくぅぅッッ!! うあッ、あッ、や、やめ、いや、く、いうぐぅっ!」
「はっ、はっ、はっ、どうだ、慣れてきたら気持ちいいだろう?」
そんなはずは無い。獣人だってそれをわかっていて言っている。アリスの歪むかを見て楽しんでいた。
「そういや、さっき、もう一人女の子がいたよな、お前が結界を張った奴」
「いぎっ、ぐっ!」
しゃべりながらも動きを止めない。アリスの膣はもう限界寸前だった。涙が溢れて悲鳴だけを無理矢理はじき出されていた。
「あれ、解けよ。そうしたら、やさしくしてやるぜ?」
(そんなの、絶対に嘘……っ)
アリスはそれを理解していた。
でもこの痛みから逃れられるなら。
ホンの少し。そんなことを考えてしまう。
「おらおらおらおらっ!」
「あ゛、がっ、あ゛ッ……ぐっ、い、やぁ……あああッッ!」
「どうした、解けよ!」
「や、だっ! 絶対に、とく、ものかぁ……っ、ふぐぅう、くあぁああっ!」
「強情だな……」
「まあまあ、お前さん。若さに任せて腰だけ振っていても、女子(おなご)は言う事を聞きやせんよ?」
「あ――、ぐ……ひ、う……」
背後の樹木異形の言葉で、アリスへの暴行が一時的に停止する。
力無くグッタリと項垂れるアリス。
「なんだ、じいさん。俺のやり方の文句をつけるのかよ」
「いやなに、あのもう一人の女子も楽しみたいなら、手伝ってやろうと思っての? あの結界は、この女子が死ななければ消えはしない。だがまだ殺したくはないじゃろう?」
「まあな。まだ旨みもあるし、後ろも口も目も臍も残ってるしな」
「く……っ」
その言葉に震える。本来ならば使わないような場所をあっさりという獣人に、背筋が凍る。
「じゃから、この子に自ら結界を解かせようと思うのじゃよ。どうじゃ?」
「出来るのかよ。強情だぞ? このガキ。屈服する前に死ぬタイプだ」
「じゃから若いというのじゃよ、おぬしは。まあ見ておれ」
背後で嬉しそうに言うと、
「じゃあ、選手交代じゃ、嬢ちゃん」
「かってに、すればっ!」
残ったプライドを総動員してアリスは叫んだ。
「そうか、じゃあそうさせてもらおう」
バシャっ……。
「うぷっ!? 何をするのッ……!」
「わしの樹液じゃよ。さっき嬢ちゃんが匂っていた匂いと同じじゃ。密度を上げると、ちょっと違う効果が生まれるのじゃよ」
「何が……く、あ……ああっ!?」
「どうじゃ? 簡単に言えば媚薬なのじゃが」
胸の奥が急激に熱くなってきた。
「な、あ……っ」
「ほれ」
さわっと、頬を柔軟な蔦がアリスの頬を撫で擦る。
「ああ…っ! やだっ、ふれない、ひぃぃッ!」
「どうじゃ、気持よかろ?」
(こんな、こんなの、気持ちいいなんてものじゃない、狂う……ッ!)
頬に触れられるだけで、胸の中に灼熱感が生まれた。秘所からは熱い愛液が流れ、自ら流した血を洗い流すほどだ。
ぞわり、蠢いた蔦の数にアリスの顔は蒼白となる。
「ふっ、触れないでっ!」
「安心せい。やさしくしてやるからのぉ」
「やっ、やだぁッ!」
耳元で優しく言われたが、アリスの身体は強張る。
アレだけの数の蔦で触れられたら、一体自分はどうなってしまうのか。
全力で首を振って抵抗する……その程度の抵抗しか出来なかった。
「いっ! いやあ! いやあっ!!」
一斉にアリスの身体に蔦が触れた。
「くっ! はぁあッ! んあっぁあああッッッ!!」
触れられたのは首筋、二の腕、太腿、脇腹。
一番感じる部分の一歩手前。そんな場所を的確についてきた。
「やだやだやだッ! ふくぁぁあッ、ひぅッ、んくぅっ!?」
「どうじゃ? 気持よかろ? 拒絶せずに受け入れればもっと心地良くなれるぞ?」
「んあっ、んあっ、んあぁあああっ!」
涙目になりながら、その快楽を否定するアリス。顔も身体も赤く火照らせて身もだえして振るえる。まるで灼熱地獄だった。
「強情じゃのぉ」
平たい胸の中央になる立ち上がった乳首を、蔦は器用に絡めとって扱く。
「ひっ、ふあぁああああっ!?」
その瞬間、アリスの身体は強く弾け跳んだ。
「あっ、あっ……あぁ……」
樹木の異形は一度動きを止めて、震える小鳥のようなアリスをジッと見つめる。良く見れば蔦の全てに小さな眼球のようなものがあった。
「どうじゃ? 心地良かっただろう?」
「な、に、いまの……?」
「そうかそうか、知らなくて当然か。めんこいのぉ。こういう女子を弄るのがワシの楽しみじゃて。知らぬままに快楽だけを叩き込んでいく。これが面白いんじゃ」
「まどろっこしいなぁ」
「まあ、そういうな。おぬしはもう少し見ておれ」
不機嫌そうな顔で獣人の異形はアリスの身体を観賞し続ける。
「ほら、続きをしてやろうかの。次は、感じる場所じゃ」
普通の成人男性程度の太さの蔦が、まるで滑るようにアリスの膣の中に滑り込んだ。
「ひぅっ! あ、やっ、いっ嫌ぁーーーーーーーーーーーーーーー!」
普通の成人男性のモノですら、アリスには大きすぎるのだが、媚薬の効果で潤ったアリスの其処は難なく蔦を受け入れた。
「ふあっ、あんっ、くあぁああっ!? なにっ、こ、れっ! やだあああっ、あっあっあっ!? あああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー! 熱いぃっ!あつっ! ぅあっ! っはぁ! やだぁあああああーーーーー!」
何度も眼の前が真っ白になる感触をアリスは味わう。
膣壁をうねる様に撫でられ、一番奥に何度も突きつけられ、その更に奥にすら入り込もうとする蔦。
その数が突然二本に増えた。
「いっあッ!? ぃ! あっあぐっ! うぐぐぐうっ! ひぃいぁあぁッ!」
痛みは殆ど無く、快楽だけがはじけ出した。
何度も達する。
数段上の強烈な快感に、アリスは何度も絶頂に押し上げられた。
「ひあッ、あぐッ、くやぁああッ! あうっ! ひっ、あ、ああああぁぁぁぁーーー!!」
快感が爆発する寸前、蔦は子宮口に浅く挿し込んだ先端を、うねうねと蠢かせ中に入り込む。
「ふぎぃッ! もうや、めっ! 死ぬ、死んじゃうよぉッ!」
限界に到達しそうになるアリスに、突然蔦は動きを止めた。
一番奥を貫いたまま、ジッとしている。
「ぁ……?」
やめてといって止まるとは思っていなかった。助けてくれるのだろうかと、甘い期待を抱いた。
「やめてほしいか?」
コクンっ、と小さくアリスは頷いた。
怯えの色を含んだ瞳は、もう何の力もない少女でしかない。
「なら、結界を解いてはくれぬか?」
目を見開き、アリスは唇を噛み締める。
(それは、駄目、絶対に、駄目ッ)
「そうか」
「ひぃっ」
アリスはまたも律動し始める蔦に小さく悲鳴を上げ。
「……え?」
妙にゆっくりと動く蔦に拍子抜けした顔をする。
それでもその微細な動きはアリスに強い快楽を与えるのだが。
「あ……んっ、ひう、っ、く……いあ……、やぁ」
ゆっくりと、僅かずつストロークする蔦。アリスの膣を労わるように動いている。
小さく何度も震えながら、アリスはその柔らかな動きを妙に意識してしまった。
(やだ……なに、やさし……)
「んあ……っ、ひぅ……ん、んくッ!」
そして時折強く突く。しかしそれに痛みなどもう一切無く、激しい快楽を産むのみ。
知らず、アリスは自分の腰が少し動いていた。
(こんなの、やだ、つらい、よ……)
アリスの腰の速度は少しずつ上がり、それに対して蔦の動きは遅く鈍くなってくる。
「はっ、はっ、ひっ、ふあぁ……あっ、あっ、あぁぁっ――、あひっ!?」
もう少しで絶頂に到達しそうな瞬間、蔦の動きは止まり、その上アリスの腰が他の蔦に止められた。
(な、なんで!? どうして邪魔するの!?)
抗議するようにアリスは頭上の異形を睨みつける。
「どうしたのじゃ?」
「な、なんでもないわっ!」
「イかせて欲しいのじゃろう?」
「違うっ! そんなの絶対に無いんだからッ!」
「そうか」
そしまたゆっくりと動き始める蔦。
「ううっ……、くっ、んっ、あ……ひあぁっ」
…………。
……。
イきそうになれば止まり、波が引いた瞬間また動き……それを何度も繰返された。
「ああああっ! うあぁああっ! やだあぁああっ! 動いてっ、ねえ、うごいてよぉッ!」
そしてとうとう、アリスはプライドを捨てて叫んでしまった。
「嬢ちゃんが結界を解いてくれれば、心地良く飛ばしてやるぞ?」
「……くっ」
その言葉だけでアリスは心の枷をはめなおす事が出来る。
それを見て、異形は楽しそうに笑う。
「そうさのぉ、ここままだと嬢ちゃんの意思は変わらぬだろうし、一つランクアップといこうかのぉ」
「ランク……アップ……っ」
目の前に現れたのは、小さく長い針。その先から妙に甘い香がする。
「さっき嬢ちゃんにかけた媚薬じゃが、あれは広範囲に広げる為に何十倍にも薄めたものでのぉ。これは、簡単に言えば原液じゃ」
「……ぁ、ぁ……」
アリスは今度こそ震えた。
今の状態でも狂おしいほどの快楽を産むと言うのに。
「そんなの、かけられたら、死ぬ……狂って、死んじゃう……」
弱々しく涙ながらに顔を震わせるアリス。
「かける? ちがうぞ? 打つんじゃ」
「……ぇ?」
アリスが意味がわからないと首を傾げた瞬間、その一撃は突然訪れた。
アリスの秘所ひっそりとある、小さな性感帯。クリトリスを狙い違わず針は貫いたのだ。
「――――ひ」
顔を上げて目を見開き、身体を一瞬硬直させて。
「ひやぁあああ――――――――――ッッ!!!!!」
絶叫した。
アリスの身体の中で心臓が爆ぜた。先程までの熱さが冷たいと感じるほどの熱さが駆け巡る。
今なら、風が触れるだけでも絶頂を感じられるだろう。
そんなにアリスの膣に入っていた蔦は激しく動き、そして後ろの窄まりも突き上げる。
「あうぅひきぃっ! んぁッ!ふッ! はぐぅあぁあッ!?!? ふあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――ッッ!」
全身を壊れた人形のように振るわせる。震えた数だけイキ続ける。
「そろそろいいじゃろう。ほれお主、前の穴に入れてやるとよい」
ずるりと前の穴に入れていた蔦を抜き放つ。
「よし来た」
嬉しそうに笑うと、立ち上がってそのアリスには大きすぎる男根を幼い膣口に叩き込んだ。
「んんあああぁぁぅううぁっ! だッ! だめ! やだッ! だめぇぇーーッッ! 死んじゃうッ! 死んじゃうのッッ! おかしくッッ!! あっ!んあっ!あっ! はあああああああッッ!!」
前と後ろ、容赦ない動きでアリスを吹き飛ばす勢いだ。
逃げ場所も無く、挟み込まれ、快楽の渦に翻弄される。死ねるかもしれないほどの快楽の中、アリスの精神は限界に達しようとしていた。
「オラッ! 受け止めろよ! 中で出してやるからな!」
ただでさえ極太な獣人の男根が、更にふくらみ射精をするために腰の動きを更に速めた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁッ! 膨らんで…るッ! いっ! ぁあっ! ダメ! ひがぁッ!! 裂けちゃうぅっ! 壊れちゃうよぉぉぉぉぉぉっ! ヤッ、出て…ッ、う゛ッ、くううぅうぅ――――ッ!!」
ドクンッ、ドクドクドクドクッ!!
腹部が破裂しそうなほどの勢いで、精液が流し込まれる。
長い射精のあと、しかし衰える事の無い獣人の男根は、射精寸前に膨らんだままの状態で再び律動し始める。
「まだまだおわらねぇぞ!」
「ひっきゃぁ!! うぁあくぁああああッ! ううくうぅぅぁっ! ふぁぁッッッ! ふあ゛っ! ふあ゛っ! ふあああぁあああぁあああぁっっぁぁぁああっ!!」
アリスの絶叫は森の外まで響き渡る。
アリスの小さな身体のどこに、そんなに叫び続ける力があるのかわからない。
「ぃぎッ! んぐぅうぅぅッ! あぐぅッ!! も、うッ! ぅぐ…ぁっ! こ、れちゃ…っ! ぅッ! 壊れ…ちゃうッ! 壊れちゃうっ! やめて…ッ! とめ……ぇぇぇッ! あっ!ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
一際強く震えて、脱力しそうになるアリスの身体の中に、背後の蔦を操る異形も液体を吐き出す。
それは精液ではなく、先程打った媚薬の原液そのものだった。
「ふあぁあぁああああああぁぁあぁぁあああぁぁッ!?」
アリスの下半身はふくらみ、中は獣人の精液と、樹木異形の媚薬原液が詰っていた。
「たすっ、アアッ!? 助け、てぇぇええっ! もうやっ、やだッ! うはっハッぎっ!? ぐはっ!?」
「はは、もうおせーよ! 叫べ叫べ悶えろ! もうお前を犯し尽くして殺してから、あのガキを犯してやるからな! 安心しや、、、」
突然獣人の声が止まった。
「あぐ、あ……」
獣人の動きも止まり、アリスに前を見る余裕が出来た。
視界が何故か晴れる。
獣人の身体で遮られていた視界が、すっきりと晴れたのだ。
「アリスを、苛めないで……っ!」
其処に立っていたのは、自分が結界で守った少女、伊万里だった。
赤く燃える鎌を真横に古い、恐ろしい顔で、アリスの背後の異形を見つめている。
「ほっ?」
逃げようとでもしたのだろう、アリスの身体から蔦を抜き放ち、後ろに過ぎ去ろうとする彼を、伊万里は一刀両断にした。
「そんな……」
意外すぎて自分が死んだこともまともに受け入れる事も出来ず、消滅していった。
アリスはそれを確認して、前のめりに倒れていく。
そんな彼女を伊万里が抱きとめた。
「だい、じょうぶ……?」
「伊万里……どう、やって?」
「結界? 壊した」
内側からなら壊れるのだろうか? そんなはずは無い。そういうレベルの結界ではないはず。
なのに結界を破壊した伊万里のその力。
(この子、私なんかよりもっと……?)
闘衣を解除して身体の治癒に集中しながら、アリスは伊万里の秘めたる力を感じ取っていた。