地球のどこかの海上。遥かに広がる青と蒼の間で、
「……こちら代理人(エージェント)、どうぞ」
白銀の仮面を着けたヒトがどこかへと向けて飛んでいた。筋肉の付きかたから、男とわか
るそのヒトは代理人(エージェント)と名乗り、誰かと話をしているようだった。相手が
見えないが。
「こちら本部。現在位置から十時の方向、八キロに熱源反応多数。反応のタイプから判断
しますに魔法少女型アンドロイド、MA-361と思われます。どうぞ。」
話しかけた先――本部――から(恐らく何らかの方法による通信なのだろう)返事が返る。
 代理人(エージェント)と名乗る男は、先ほどまでよりも飛ぶスピードを上げて、目的
の場所へ向かう。ほどなくして、彼は目的の場所に到着したのか、進むのをやめる。そこには、
「いやいやいや……これは多いねぇ」
と彼も驚嘆する程の、恐らく百を軽く超えるだろう、ヒト、それも八歳から十歳の姿をし
た少女達がいた。だが、少女達から生気は感じられず、人形という例えがしっくりくる。
そう、まさに人形のような……
「ま、いつも通り快感で回路を焼ききってやるかね」
そう男はつぶやき、体の左脇から黒い、三十センチくらいの棒を取り出す。
「いっけぇいけいけ俺、さっせぇさせさせさせさせさせ俺……」
と延々と奇妙なリズムでつぶやきながら、棒を真っ二つに分ける。
 すると、棒の外側を向いている方からピンク色のビームの刃が伸びた。
 見向きもしないで少女達が次々と突っ込んでくる、その殺那。刃が彼女達を切り裂く。
すると、切り裂かれた少女達に異変が起きた。
 彼女達は
「あぁん」
「はうぅ」
等と矯声をあげだしたのだ。
 今度は体の右脇から銃と思わしき物を取り出し、残りの少女達をピンク色の小さな弾が
貫く。残りの少女達も矯声をあげていく。
 ――なんで快感を感知するようにしたんだろうか――
そんなことが男の頭をよぎるが、再び少女達が攻撃を仕掛けると、頭からそんなことは消
え去った。
今度は彼の攻撃もうまく当たらず、ついに……
「直・撃」
少女達が放った魔弾がいくつも男の体を貫き、魔法の刃が、彼の体を一閃する。
少女達は勝利を確信していた。
 だが、その時である。男の体が一瞬光り、少女達の目をくらます。そして次の瞬間。

 彼の持つ武器の各所から、さらには彼の体の各所等からも伸びる紅い、ぬめった触手が
少女達へと飛んでいく。あるものは体に突き刺さり、あるものは身体を切り裂いて、少女
達の多くは爆散していく。
 いつの間にか十体程に減った少女達。一変した状況に、そしていつの間にかほとんど着
衣がないのに混乱するものの、破壊されなかった者は安堵する。
 この後の、快楽を感知できる故の残酷な運命も知らずに。

 男らしきものは再び触手を大量に飛ばすと、十体全てをそれぞれ縛りつける。男らしき
ものが何かうめくと、再び少女達に異変が起きた。
 逃れようともがいていた少女達が、先ほど以上に身悶え、中には
明らかに不安定な状態になるものが出てきたのだ。
 再び男らしきものがうめくと、身悶えはしなくなったものの、ついに、少女達に反撃の
様子は見られなくなった。
 そして、男らしきものから伸びる触手の残りが、彼女達の太股に、口に向かい――
 それを感知した少女達は最後の力で拒絶の悲鳴をあげるが、効果があるわけもなく、な
すすべなく触手は少女達の股間に、口腔に侵入していった。
 始めはあまりの苦しみと痛みに目を見開き絶叫したが、触手によって馴染まされていく
うちに徐々に快楽を感知するようになり、耐えきれなくなった者は全身を真っ赤にして煙
をあげて機能停止するなどし、最後まで耐えた者も、触手が脈動し白濁液を膣内らしきと
ころや口腔奥にぶちまけると、快楽に屈し、散っていった。

男は触手を引っ込めた後、何とか動ける位には回復した体で『本部』と連絡を取り、どこ
かへと飛んでいった。……最も、先ほどとは比べ物にならない遅さであったが。