「これはっ!?……魔界のゲートが開いちゃう!」
ランドセルを背負い、家路を歩いていた少女は突如黒雲に覆われた空を見上げるとそう叫んだ。
おかっぱ頭の下には明るくパッチリとした瞳に、やや低いものの形の良い小鼻。
瑞々しい桜色の口唇に清涼感あふれる白肌とかわいらしい容貌をしている。
彼女の名前は須藤扇梨、柏媛女学院附属小学校の4年生である。
しっかり者な性格でクラス委員を務め友達から頼りにされている女の子だ。
だが今の彼女は学校で見せる笑顔と打って変わった真剣な目つきで空を眺めている。
「いそがないと!」
何かを決意した彼女は、ランドセルを道の小脇に降ろすと
ポケットから黄色に光り輝く宝石を黄金で縁取りしたブローチを取り出した。
そして手にしたブローチを胸に当てると目を閉じ
「シトリンの石に宿る精霊さん、わたしに魔物と戦う力を貸してください。魔法戦士センリ、ファーストトランスフォーム」
と静かな声で呟いた。
するとブローチから黄色い光が溢れ、扇梨の身体を包んでいく。
身に付けていた衣服がその光の中で消え、その代わりにいっそう強い光が彼女の肌を覆っていった。
数瞬後、近くにいたら目が眩みそうな程激しく光が弾け、彼女の姿が再び目にできた。
おっかぱ頭だった髪型はツインテールに変わり、衣服もフリルのついた可愛らしい黄色のドレスに変化していた。
ドレスといってもスカートは膝丈、袖も二の腕を覆っているだけなので軽快な動きが出来そうだ。
そして手にも同色の黄色い手袋がはめられ、右掌には長さ30cmほどのバトンが握られている。
その先には先ほどブローチに嵌められていたシトリンが輝きを見せていた。
「シトリンの魔力を受け継ぐ護りびと、魔法戦士センリ!ただいま参上!」
そう明るい声を発した扇梨は大空を跳び、異変が起こっている地点に向かった。
須藤扇梨は半年前までは本当に普通の小学生だった。
だがある日、母から大事な話があると言われ机を挟んで向かい合ったのである。
「扇梨ちゃん、ママから大事なお話があるの。」
そう言った扇梨の母─須藤由佳里─はいつも絶やさない穏やかな笑みに僅かに影を落としていた。
軽くウェーブがかかったセミロングの髪。僅かに垂れ、慈愛の光に満ちた瞳。すっと通った鼻筋に桃色の口唇。
彼女の容貌は扇梨にとって憧れの対象だった。
扇梨は由佳里が10代の頃に産んだ子であり、彼女は10歳の娘がいるのにももかかわらず今年29歳になる若さだった。
その彼女が表情に憂いを強め、扇梨に話を続ける。
「ママや珠子おばあちゃん、碧おばさん、朱魅お姉ちゃん、みんなある秘密を持っているんだ。」
母の親族の名前を連なって聞かされる。
「なぁに?秘密って」
「それはね……みんな魔法を使って戦う戦士なんだ。」
きょとんとし、事態が飲み込めない扇梨に由佳里は説明を続ける。
須藤家(扇梨の父、由佳里の夫は婿である)の女性は生まれながらにして魔法を操れるとのこと。
さらに宝石の精霊の魔力を借り、強大な力を得ることが出来る。
そして須藤家の女たちは精霊の力を用いた魔法を使い
こことは違う世界、魔界からの侵略者である魔物を退ける『魔法戦士』を担ってきた事を告げた。
そして
「実はここ最近、魔物の数が増えていてママたち4人じゃとても手が足りなくなってきてるの……」
その言葉を聞いた扇梨は利発な頭で最後まで聞かなくとも答えた。
「うんっ、わたしも戦うよ!」
「扇梨……」
娘の答えを聞いた由佳里は悲しげに顔を伏せる。
親としての情と戦士としての判断の板挟みに彼女は苦しんでいるのだ。
何しろ娘は幼すぎる。まだ小学生なのだ。由佳里が魔法戦士となったのは15歳のときだったのだから。
だが扇梨は続ける。
「わたしは学校の友達、近所のおじさんおばさんたち、みんなの事が大好きなの。だからみんなが危なくて
わたしにみんなを護る力があるならそれを使いたい。
それに…おばあちゃん、碧おばさん、朱魅お姉ちゃん、そしてママのことも大好き。みんなががんばっているのに
わたしだけ仲間外れはいやっ!」
「そう……」
その言葉に娘の成長を感じ嬉しさを持つとともに、やはり心苦しい感情も残り由佳里は複雑な表情を見せる。
だが彼女は意を決し、机の上の小箱を開けその中身を娘に手渡す。
「これ…ブローチ?」
扇梨が手に受け取ったのは黄色い宝石がはめ込まれたブローチだった。
「そう、シトリンをはめ込んだブローチ。シトリンは扇梨ちゃんと最も深く結びついている宝石なの。
だから魔力を借りる先としては最高なのよ。」
「へぇー……」
ブローチをしげしげと眺める扇梨。
この日から彼女は魔法戦士となったのである。
それから半年、彼女は天性の才能を活かし、魔法戦士として幾多の魔物を葬ってきた。
「ここだね。」
ゲートの魔力の気配を探って、町外れの廃工場にたどり着いた扇梨。
彼女の頭上、地表から10mほどの高さに直径5mぐらいの黒い玉が浮いていた。
時折バチバチっと放電音が響く。
これが今開こうとしている魔界とのゲートだった。
ゲートそのものを攻撃しても効果は無いので、ゲートを作り出した魔物が通って出てきたら
それを倒した後、しかるべき呪文を用いてゲートが塞ぐのである。
したがって扇梨はしばらく魔物が出てくるまで待ちぼうけを食らうことになる。
「はーやく出て来い魔物ー!」
5分もしないうちに彼女は待ちくたびれ始めた。
才能の他に戦士になりたての頃に受けた由佳里や従姉妹の朱魅の指導の賜物もあってか
彼女は今まで難なく魔物を倒してきた。
それが慢心を生んでいたのかもしれない。
シュルルルル!
「わぁっ!」
突如、まだ開き切っていないゲートから幾本もの赤黒い触手が扇梨目がけ伸びてきた。
慌てて彼女はバトンを振り、触手を打ち払う。
シトリンの部分に当たった触手は轟音とともに弾け飛ぶ。
扇梨がシトリンから借りた魔力を体内で増幅させ、再びシトリンに戻し放出することで
攻撃しているのである。
「はっ!ふっ!てりゃあ!」
だがだんだんと触手はその数を増し、扇梨も息を切らし始める。
「卑怯だぞ!手の届かないところから攻撃してきて!」
思わず悪態をつくが、それに対する返事は一斉に飛び出してきた数え切れないほどの触手だった。
「うあぁぁぁっ!」
(ダメ!こんなに来たらいくらバトンを振ってもキリがない!こうなったら……)
一斉に扇梨の身体に襲い掛かる触手たち。
「シトリンの精霊さんっ!力を!魔法戦士センリ、セカンドトランスフォーム!」
精霊への呼びかけを短縮し、力の限り叫ぶ。
すると再び彼女の身体は黄色い光に包まれた。
僅かな時間の後、光が弾けたそこにはさらに姿形が変化した扇梨がいた。
髪が金色に輝くロングヘアに変わる。鼻梁が高く、瞳も端整なものになり、容貌は大人びたものに整っていた。
身長も今まで140cm代半ば程だったのが10cmあまり伸び、胸やヒップも膨らんで服の上からでもスタイルの良さが
見て取れるほどだった。
一気に大人に成長した彼女はバトンを構えると呪文を唱える。
「シトリンの精霊よ!光を放て!」
幾らか低くなった声を出してバトンを振る。
するとその先端の宝石から放たれた光が周囲に満ちていく。
光が触手に触れると、沸き立つような音を立てて触手は姿を消していった。
あたりの光が晴れた頃には触手は1本も残っていなかった。
「ふぅー、触手魔物退治完了!これであとはゲートを塞ぐだけね。」
左手の甲で額の汗を拭いながらそう呟きを洩らす扇梨。
彼女が大人びた姿に変化したのも魔法の力の作用だった。
魔法による1段階目の変身─ファーストトランスフォーム─は初めて魔法を使用した時の姿形に変わるものである。
扇梨の場合はそれが半年前であるためたいした外見上の変化は無いが
例えば由佳里の場合は29歳の身体から、初めて魔法戦士に変身した15歳の頃の自分に変化するのである。
これは魔法戦士として魔法を使用する条件が魔力を宝石から借りる契約をした時の姿形であることによるためであった。
そして魔法による2段階目の変身─セカンドトランスフォーム─は魔法の使い手が理想とする姿に変身するのである。
扇梨の場合は母親の由佳里と、7つ年上の従姉妹の朱魅の姿が混ざった大人の女性が理想の姿だったのだ。
そして両方の変身も姿だけでなく、その年齢にあった精神に心も変容し
また身体能力も変わるためセカンドトランスフォームを使うのは困難な技術ではあるが、戦いを有利にするものだった。
普通習得するのに1〜2年かかるそのセカンドトランスフォームを扇梨は半年で習得したのである。
やはり彼女は天性の才能を持っていたのだろう。
だがセカンドトランスフォームをしてもまだ幼い彼女の心がもたらす油断がその才能を発揮する機会を永遠に奪うことになるのである。
ゲートにバトンを向けると、彼女は目を閉じ呪文の詠唱を始めようとする。
しかしその時
「…えっ!?きゃぁぁああっ!」
音もなく背後から近づいた触手が手脚に絡みつく。
「そ、そんな!?」
身を捩じらせながら首を後ろに向けた扇梨は驚きの表情をみせる。
なんと彼女の背後、そこにもう一つゲートが存在したのだ。
通常、魔物が出現する時にはゲートは1つしか現れない。
ゲートを構築するのは、かなりの力を持った魔物でなければ不可能であった。
その上位の力を持つ魔物でさえゲートを構築出来るのは1つがやっとなのだ。
考えもつかない事態に、扇梨は戸惑う。
「ようやく捕まえたぞ。手間どらせてくれたな、小娘よ。」
そんな彼女にゲートの闇の向こうから低くくぐもった声が投げかけられ、さらに彼女の戸惑いは増す。
「我が触手を幾本か倒した所でいい気になりおって、油断したな。」
続けられる言葉とともに、その声の主がゲートから姿を現した。
空中でうねる無数の触手、その中心、触手の影から僅かに青い肌が覗いていた。
だがその身体から伸びる触手にさえぎられ全容は明らかにならず、ただ声だけが響く。
「さて、魔法戦士の小娘よ、お前の胎から吸い尽くしてくれよう。貴様の精気をな!」
彼が言った精気とは人の根源の力である。
魔物はそれを人間から摂取し闇の気に変換することが出来る。
魔物に快楽と生命力をもたらす闇の力は彼らにとってなくてはならぬものだった。
そして精霊と契約した魔法戦士の場合、魔法発動のエネルギーにするために
自分の精気を宝石からの力と組み合わせて光の精気に変換する事が出来たのだ。
光の精気を闇の気に変換することは通常の精気の何倍もの快楽と生命力を魔物にもたらす効果があった。
魔法戦士は魔物と闘う戦士であるとともに、魔物に狙われる餌でもあったのだ。
「うあぁぁっ!」
扇梨の右手首に絡む触手が締めつけを強める。
骨が砕けてしまいそうな痛みに、彼女はたまらず握っていたバトンを放してしまう。
カラランと音を立てバトンは地面に転がる。
「さぁて、危ない物も退けたしお楽しみの開幕だ」
そう言うと、魔物は扇梨を縛る触手を巧みに動かし彼女の身体をうつ伏せに宙に浮かしていく。
ちょうど彼女の脚のほうに魔物の本体が来る格好だ。
「うっ……くうぅ…」
今まで体験したことのない体勢で、手脚で全ての体重を支えることになった扇梨は苦しそうに顔を歪める。
セカンドトランスフォームで変化したCカップは有ろうかとする砲弾型の美乳は下に突き出され、弾みで揺れていた。
「ほぉう、良い胸だ。弄くりがいがありそうだな。」
魔物の触手が扇梨の双乳を締め付ける。
「くうぅんっ!」
痛みとむずかゆさに扇梨は眉を顰める。
緩急をつけた締め付けは途切れることなく、彼女の脳髄を刺激していった。
胸への刺激と同時に2本の触手が器用にパンツを引き千切る。
そこに現れたのは薄っすらとした金毛に隠された秘所だった。
白い肌に髪と同色の陰毛、その真ん中に朱色の淫唇が覗いている。
パンツを除いた触手はそのまま、秘唇に伸びてくる。
「ひゃう!?」
今まで自分でもほとんど触れたことが無い部分に異形が押し当てられたのだ。
ヌチュリという感触が彼女の心に震えを走らせる。
だが異形は動きをそれ以上は進まず、そのまま陰唇を撫でるような動きを続ける。
扇梨が嫌悪感は拭い去れぬものの心を少し落ち着かせた時
「さあて、貫通といきますか。」
突如魔物から宣告が為された。
「えっ……待って!お願い、それだけは!」
魔物を狩る魔法戦士たる扇梨はおもわず嘆願の言葉を吐いてしまう。
10代半ばに変容した彼女の精神でもそれは耐えられることではなかった。
顔を上げ、精一杯後ろの魔物に顔を向ける扇梨。
その目は垂れ、嘆願の言葉を紡いだ口唇は震えていた。
「いやだね。」
そう魔物が答えたとき、触手にさえぎられ見えないはずの魔物の顔が笑った気がした。
ギチュ!
扇梨が呆然としているうちに、触手が彼女の秘所に差し込まれた。
「……いっ!いやぁぁぁあああ!!」
「そう痛がることは無かろうに、まだ膜の手前だぞ。」
「そ、そうなの!?ならやめて!これ以上入れないで!」
「こんなうまそうな獲物を前にしてお預けなんてごめんだ、いただきまぁす。」
その瞬間、扇梨の中で大切なものが失われた。
「いぎぃぃぃいいっ!!」
全身を仰け反らせ、苦悶の悲鳴をあげる扇梨。
そうでもしないと股間から伝わる激痛には耐えられそうにはなかった。
「ここが最奥か?短けえなぁ。まぁいい、早速ピストンといくか。」
そういうと触手は膣壁を引き捲りながら出口付近まで引き抜かれる。そして再度突き込まれる。
「あふぃぃぃぃいい!!」
次に引き抜かれるとともにガクッと垂れ下がる扇梨の頭。
彼女の瞳から見える上下逆さまの世界。胸を締め付ける触手の向こうに秘所へさらに突き込もうとしている触手が見えた。
その赤黒い触手の表面を彼女の純潔が失われたことを示す鮮血が滴っていた。
「いやぁ……いたいよぉ…ママっ助けて!」
勝気そうな光を放っていた瞳から涙が滴り、口唇からは哀願がこぼれる。
「おうっ、予想通り美味い膣だ。しかしギャアギャアうるせえな。キャンディーでも舐めてろ!」
触手の一本が扇梨の顔に伸び、口唇に触れる。
「ひっ!むぅうううー!」
(えっ!いやぁぁぁあああー!)
赤黒い魔手が口唇に押し付けられ、ベチョとした汚辱された感触が広がる。
もちろん扇梨はキスなどしたことはない。将来好意を持った誰かにに捧げるはずだったであろう純潔と唇はどちらも魔物に
奪われてしまったのだ。
(いやぁあ、ひどいよ……。わたしのファーストキスが……)
彼女にとっては未知であった処女の喪失より唇を奪われることのほうが想像がつき易かったこともあり、より心に打撃を与えた。
だが力を増し押し付けてくる触手を口腔に入れさせまいと必死に口唇を固く結んでいた。
(あぐぅう……ふはっ!痛いし、臭いよぉ…)
秘所を掻き回す痛みに嫌悪感、鼻孔のすぐ下で蠢く触手の悪臭に息を詰まらせ彼女の表情は苦悶を増していく。
そしてとうとう少女の我慢は限界に達した。
「ふぁぐっ!はぁあはっ、むっ!?むぐぅぅぅううう!」
顔を紅潮させた彼女は息苦しさに耐えかね、口唇の閂を開いてしまう。
苦しみから逃れる呻きを吐き、息を吸おうとしたところで触手が口腔にねじ込まれる。
「あぐぅぅううう」
(苦い……気持ち悪いよぉ)
臭いや感触だけでも嫌悪を催す触手を味覚で感じることになったのだ。
口中を埋め尽くし、咽喉もとまで突き込まれて彼女の容貌は歪んでいく。
「ぐふむむむぅぅぅ…がふぅ、ふぐぐぐ」
(くるじいぃぃよぉ…ママ、たすけて…)
瞳からとめどなく涙が流れ、声にならない呻きで母に助けを求める扇梨。
「さて、俺様がおいしいジュースをごちそうしてやろう」
苦しげに震える扇梨の姿を眺める魔物はそう告げた。
すると彼女の口にねじ込まれている触手の根元が膨らみ、次第にその膨らみがせり上がりはじめる。
ドクンドクン、と太さを増す触手。
(いやぁぁああ!何!?来ないでぇ!)
睫毛を震わせながら、扇梨の瞳は膨らみに注視される。
彼女が何も抗うことが出来ないうちに膨らみは口唇に達した。
「ムゥウ、アガァ!」
まるで顎が外れるかと思われる衝撃が彼女の顔を襲い。濁った悲鳴が飛び出る。
「さぁ、どうぞ召し上がれ。」
彼女の口腔に侵入した膨らみが触手の先端に到達すると、弾ける様に白濁液が吹き出した。
「ぐむむぅぅぅぅううう!」
口腔を埋め尽くし、咽喉を詰まらせるほどの勢いの射出に目を白黒させ苦しむ扇梨。
白濁液の味も気持ち悪さを感じるものだった。
だが、鼻からの息の通り道も塞がってしまい、彼女は仕方なくそれを嚥下する。
ゴクリ、ゴクリ
扇梨は音を鳴らしながら、白肌の咽喉を動かしていく。
吐きそうになりながらも、必死に耐え嚥下を続ける。
ゴクリ
「むぐぅ…ふぶ…ぶひゅ!」
ようやく嚥下を終え、呼吸を再開させようと小鼻を膨らませ息を吸い込む。
そして吐き出した拍子に、白濁液の残渣が鼻から吹き出て扇梨の鼻梁、そして口唇を汚してしまう。
だが彼女は意に介さず、必死に酸素を求め息苦しさからの解放を優先する。
扇梨の頬は涙、汗、白濁液、涎とあらゆる飛沫で汚れていた。
まだ口に触手が突き込まれているため、息苦しさは拭えないもののやや楽になった扇梨はある違和感に気づく。
口や膣に突き込まれた触手、お腹に溜まった白濁液、そんな身体の苦痛は違和感をもたらすものではなかった。
違和感は彼女の頭からもたらされていた。
(な、何?この変な感じ……わたし、どうしちゃったの?)
秘所に触手が突き込まれる度に、彼女の頭から暖かい波が身体全体に広がっていくのだ。
「おおっ!?そのとろけた顔、俺様の精液の魔力がもう効いてきたのか?」
「ま…まふぃおく?」
緩んだ声で扇梨は問いかける。
「そうさ、女の中を燃え上がらせる俺の魔力がな。」
弛緩していく扇梨の脳内でひとつの光景が思い出される。
トントントンと小気味よく包丁がまな板を叩く音が響く台所。
「それでね。魔物は女の人の精気を吸い取っちゃうんだ。」
この光景に似つかわしい言葉がコンロの前で鍋をかき回す女性─由佳里─の口から出る。
「どうやって?」
包丁を握りほうれん草を手際よく切っていく扇梨が質問を返す。
この頃昼夜問わず魔物との戦いに赴く由佳里が久しぶりに娘と過ごす夕食前のひと時のことだった。
だが穏やかなこの時間も魔法戦士になったばかりの扇梨のためを考えたら無駄にはできなかった。
彼女は場に似つかわしいものの魔法戦士たる教育を扇梨に行っていたのだ。
だが、そんな由佳里も言葉に詰まってしまう。年端も行かない娘にこの先のことを話していいものか。
しばし逡巡した彼女は、返答が無い事を不思議に思った扇梨が顔を見上げたことをきっかけに話し始める。
「魔物は女の人の大事な所、扇梨ちゃんもわかるよね?その大事な所を汚して精気を吸うんだ。とっても酷い、方法でね。」
ゆっくりと言葉を紡ぐ由佳里。
「その時に魔物は特別な魔力を使うの。それは魔物の血とか…体液に含まれているんだけど、それを女の人に飲ませると
女の人は自分が自分じゃなくなっちゃうの。」
「そしてその魔力を使われることによって女の人はより精気を吸われやすくなっちゃうの。ふふ、お湯の中に入れちゃった
カツオ節みたいにね。」
話し辛い話題であるためか自嘲気味に例え話をする。
「魔力かぁ……あっママ、ほうれん草切り終わったよ。」
「あら、じゃあこのお鍋に入れて。まな板ごと持ってきなさい。」
「さぁて、魔力も効いてきたようだしいっそう激しくいくか!」
「は……ふぇ?」
獰猛な魔物の叫びで彼女は過去から引き戻された
ズチュ!ズチュ!
淡い繁みに覆われた朱色の秘唇にいっそう激しく赤黒い触手が突き込まれる。
未踏の膣内を触手に蹂躙され、知ることの無かった刺激が扇梨の心にもたらされていく。
「ひふぃいいい!!ヤダっ!イタイッ、気持ち悪いよぉ!」
「ほぉう、味わい尽くしてやる。」
「いっ、いや!やめて!そんな、トコっ……」
拘束された身体を必死に捩じらせ、逃れようとするもうねる触手は蹂躙の手を休めない。
「あひぃぁぁああああ!」
突如、扇梨が悲鳴を上げる。今までのむずかゆそうな声ではなく切迫したものだ。
(な、なに?今、あそこがズキンと……)
頭にもたらされた衝撃により瞳と口唇を大きく開き、声も出せない彼女。
「何だ?変な声出しやがって……そうかぁ、これだな。」
いぶかしげに問いかけた魔物、だが何かに気づき喜色を帯びた声を出す。
秘所に突き込まれている触手をグルンとうねらせる。
「ひぃぃいいいいやぁぁあああ!」
途端、扇梨の口から張り裂けんばかりの悲鳴が飛び出す。
「おお、やっぱりそうか。お前のクリトリス、だいぶ敏感になっているようだな。」
そう魔物が告げたように、扇梨の淫唇の上にはまるで熟した苺のような色合いのクリトリスが姿を見せていた。
うねった触手がそれを擦ったことで、魔物の体液で発情してしまっている扇梨にとてつもない快感をもたらしたのだ。
「はひゃぁぁあああ!」
それを知った魔物は触手を器用に動かし膣内とクリトリスの両方を刺激していく。
「いうぃぃいいいい!」
触手自体の分泌液と扇梨の愛液を浴び、彼女の陰毛は濡羽色に変わり、クリトリスの朱色も艶やかさを増す。
「ふぁぁぁあああああ!」
扇梨は身をのたうち回し、雄叫びを上げることしかできない。
(気持ちイイ……頭が、ヘンになっちゃうよぉ)
「や、やめっ、ひぃぃぅぅううう!」
たまらず制止を願うも魔物は聞く耳持たない。
(ハアァ、ハア、あれ、身体の…芯から何かが流れちゃう。変な感じ)
「おっ?流れてきたな、こりゃいい、旨い精気だ。」
「はふぇえ?」
快感によって疲れきった扇梨、彼女がその流れる違和感を股間にも感じ視線を向けると
秘部に突き刺さった触手を伝い光が溢れていたのだ。
「なぁふ?こひぃえ?」
(なに?コレ?)
「これが、お前らの力の源の精気だよ。理性が弱まるとこうして体内に留まっていられなくなるのさ。
それを俺の肉棒で吸い出すと。いやぁ、おめぇが幼いせいか喉越しがイイ、すっきりとした味わいな精気だ。」
驚愕する扇梨にしたり顔な口調で告げる魔物。
「そ、そんなぁこふぉ、ありゅわけ…なふぃ」
否定する扇梨だが、体内で快感が駆け巡る度にごっそりと大切な何かが流れ出ていくことに気づいていた。
(ママ……あ、朱魅お姉ちゃん……たすけて…わたし、ダメになっちゃうよぉ)
口にした言葉とは裏腹に母や従姉妹に救いを求める扇梨、実年齢より魔法の力で大幅に成長した彼女でももはや限界だった。
「はぃぃぃいいいいい」
にもかかわらず抽送は続けられた。
「ひぃぃいい!…も、もふぉ、やめふぇ…おねふぁいします…」
「そうか、ならそろそろ止めといくか。」
「えっ……!?あひゃあ!」
永遠にも思える時間、魔物の暴虐を受け続けた扇梨はとうとう屈服し、哀願する。
だがそれに魔物はいっそう激しい抽送で応じた。
「はひゃぁああ!や、やめ、ひぃぃいいい!」
「コレで止めだ!」
「いやぁぁぁああああ!」
魔物の声と扇梨の悲鳴が重なる瞬間。
扇梨の膣内に触手から大量の白濁液が流し込まれ、同時に残りの精気が根こそぎ吸い取られる。
「あひゃぁぁあああ!おにゃかのなかにっ、いっぱい出されてるよぉおお!」
「とめどなく精気が流れてくるぜ。やはり魔法戦士の小娘の精気は最高だ!」
射精によりさらに魔物の魔力を浴び、強烈な快感を味わってしまう扇梨。
もはや防壁は完全に打ち崩され、精気を留めることは彼女にはできなかった。
「ひゃぁぁああう!あ…うっ、し、シトリンの…精霊、ちからを……ちょうだい。このままじゃ……」
うつ伏せに宙に拘束された彼女の視界の端に、バトンの先端の黄色い宝石が映る。
そのバトンに手を伸ばし、頼みの綱を手繰り寄せようとするもその願いは届くことはなかった。
突如、扇梨の身体から黄色い光が放たれ、扇梨の姿を隠す。
しばらくして光が弾けた時
「あっ……うっぐぅぅううう!」
そこにあったのはセカンドトランスフォームの形態が解け、年相応の魔法少女の姿に戻った扇梨だった。
「はぁぐぅぅうう!おな゛がぁ、いだいよぉぉ!」
いくらシトリンの魔法の力で強化されているとはいえ年齢通りの扇梨の身体には、魔物の触手は太すぎた。
「もぉ、ゆるじでぇぇ!こんなひどいこどぉ、やめでよおぉ!」
「餌が何を言う。お前ら人間は我らに狩られる存在でしかないんだよ。」
触手が抜き差しされるたびに、扇梨の秘所から愛液、白濁液、そして血が流れ出る。
もうあまり残っていないのか流れ出る光り輝く精気の量は僅かなものだった。
「ママぁ……あけみおね゛えぢぁん……たすけて…たしゅけてよぉ…」
瞳から明るい光を失ない、白濁液に汚された口唇や頬。その口唇からかすれた声で救いを求める扇梨。
「まだまだこれからだ。骨の髄まで精気を吸い尽くしてやるからな。」
そう魔物は宣告し、さらに抽送を激しくする。
扇梨の濁った悲鳴は突如降り出した雨音にかき消され、やがて聞こえなくなっていった。