ジリリリリ!

侵入者発見を報告する警戒ベルが高々と鳴り響く。
組織設立以降一度として鳴ったことのないベルに、その部屋にいた黒服たちは慌てて所定の配置につくべく動き出す。

「ど、どういうことだ!?」
「わからねえ、だがこのベルが鳴っているということは間違いなく侵入者が現れたってことだ!」
「バカな! ここはアレが保管してあるから特に情報プロテクトが堅かったはず!」
「何故この場所がバレたんだ…!?」
「そんなの俺が知るか、とにかく警戒しろ! 万が一にもアレを奪われたら俺たちのクビはない!」

ありえないはずの侵入者にどよどよとざわめく黒服たち。
やがて、ベルが止まると共に喧騒も止み、黒服たちは侵入者を迎え撃つべく部屋の入り口を包囲する形で配置についた。
タッタッタッ…
近づいてくる足音が男たちの緊張を嫌がおうにも高めていく。
一人の黒服がチラリと背後を覗き見る。
そこには、大きめの金庫が無骨な存在感を示していた

「これだけは守りきらねば…」

金庫の中には組織が政治家や富豪たちと交わした表に出てはまずい契約書などが収められている。
取っ手には厳重な電子ロックがかかっているのでそう簡単には中身を取り出すことはできない。
だが、侵入者の実力と目的がハッキリしない今、油断は禁物だった。

「来るか?」

ピタリと足音がやんだ。
黒服たちがゴクリと唾を飲み込む中、リーダー格の男は久しぶりの緊張感に気分を高揚させていた。
施設を守っているガードは自分たちだけではない。
にも関わらず侵入者がここまでやってきたということは他のガードたちの守りを突破してきたということだ。
戦って勝って来たのか、それともやりすごしたのかは定かではないが只者ではないだろう。
こちらの人数は十三人。
装備は小型拳銃にナイフ、警棒といったところだが、室内という点を配慮すると拳銃は使い難い。
つまり、自分たちは肉弾戦で侵入者に挑まなくてはならない。

(この分では宝石や絵画はアウトだな…まあいい、ここさえ守りきればどうにでもなる)

ぐっと腰を低めていつでも動き出せるように構える。
ジリ、と床と靴底が擦れる音が心地よく耳に届く。
次の瞬間、扉は勢いよくバァンと開け放たれた。

「来たぞ! お前ら――」

部下たちに活を入れるべく声を張り上げかけたリーダーの声が止まる。
踏み出しかけた足も金縛りにあったかのように動かない。
周囲にいる部下たちも同様の様子だった。

「ここか…」

すうっと空気に透き通るような怜悧な声が扉の向こう側から発せられる。
そこにいたのは一人の細身の少女だった。
下はジーパン、上は赤のシャツに丈の短い青のジャケットと一見すればヤンキーの姉ちゃんといった感じの服装。
だが、腰にまで届こうかという流麗な長い黒髪とその細腕に持たれている一本の刀がその印象を覆す。
――侍
時代違いにも、そう思わせるほどの雰囲気がその少女からは発散されていた。

「なんだぁお嬢ちゃん? 来る場所間違えてるんじゃねえのか?」

思わぬ侵入者の正体に、部下の一人がからかうような声をあげる。
同調するように、数人の黒服が失笑をこぼした。

(コイツは…ヤバイ!)

だが、その中でただ一人リーダーだけは女の危険性を察知していた。
少女の服には傷はおろか汚れすら見えない。
それはつまり、この侵入者はダメージを負うこともなくここまでやってきたということなのだ。
部下たちは見た目に誤魔化されているようだが、目の前の女は油断していい相手ではない。

「お前ら、油断を――!」
「大丈夫ですって。けけけ、そんな妙なもんつけてたら折角の美人が台無しだぜ? とっちまえよ」

リーダーの静止を無視し、一人の黒服が無防備にも女に近づいていく。
少女の顔にはバイザーともサングラスともとれる蝶をあしらったようなデザインの仮面が身につけられていた。
そのせいで、少女の素顔を確認することはできない。
だが、その整った鼻筋と涼しげな口元ははっきりとその下の素顔が美人であることを示している。
恐らくはキツメの美人なのだろう、そう当たりをつけた男は隠れた素顔を覗くべく侵入者の顔へと手を伸ばす。
瞬間。

「ぐふぅっ!?」

ズドンッ!
凝視していたリーダーの目にすら見えぬ速さの突きが男のみぞおちに突き刺さった。
男はその場を崩れ落ち、吐く暇もなく白目をむいて意識を失っていった。

「こ、このアマ!?」
「なんてことしやがる!?」

仲間を襲った惨劇に残った黒服たちが激昂し、二人が同時に女剣士へと襲い掛かる。
だが、リーダーは気づいた。
侵入者が女剣士一人ではないということに!

「ま、待て!」

慌てて制止の声をかける。
しかし時は既に遅かった。
女剣士の背後から飛び出した二つの影がそれぞれ手を振るった瞬間には全てが終わっていた。
瞬きをした次の刹那には、飛びかかった二人は苦悶の声を上げながら床に倒れ伏せていたのだ。
一人はナイフを四肢に刺され、もう一人はブスブスと焦げた臭いを上げている。

「うっわー、相変わらず容赦ないねブレイド。コイツ白目むいてるじゃん」
「ふん、こいつが軟弱なだけだ。ラビットこそ四肢を串刺しとは手加減なしではないか」
「えー、ボクは全力で投げてないもん。手加減なしなのはブレイドだよ。ねーウィッチィ」

新たに現れた二人の侵入者も女だった。
ラビットと呼ばれた方はブレイドとは正反対に、その表情には太陽を思わせる底抜けの明るさがあり、笑顔を仲間に振りまいている。
他の二人も恐らくは十代、つまり少女と呼んで差し支えない年齢なのだろうが、ラビットは小柄な体型のため相対的に幼く見える。
服装は黒のタンクトップにジャケット、下はミニスカートにスパッツとなかなかコケテッシュな格好だった。
青いショートカットの髪の下にはブレイドと呼ばれた少女のように仮面が装着され、やはり素顔は見えない。
ただ、その向日葵のような笑顔からは幼げな、それでいて美少女を思わせる顔立ちが窺えた。

「どちらもどちらだと思うのですけど…」

呆れたような声を出しているウィッチィと呼ばれた方は身長こそブレイドと大差ないように見える。
が、闇に映えるように輝く金糸の髪がその存在感をくっきりと示し、優雅にたなびいているのが印象的だ。
チームの統一衣装なのだろうか、やはりジャケットと仮面を身につけている。
他の服装は他の二人とは違い、活動的ではない膝上まであるふんわりとしたプリーツスカートとジャケットの下の白いブラウス。
明らかに場違いさを感じさせるコーディネートだったが、物静かそうな少女の印象に良く似合い、優美さを醸し出している。
仮面の上から覗くその顔立ちは他の二人にも劣らないであろう美貌を予測させ、穏やかな表情と相まって女神のようですらある。
そんな彼女だが、恐らく三人の中ではリーダー格なのだろう、丁寧口調の仲裁に二人の少女はあっさりと口を閉じた。

「…お前たちは何者だ」

動揺を押し殺しながらリーダーは質問を口にする。
質問は本音ではあるが、本当の目的は時間稼ぎだった。
まさかこの施設のガード全てを倒してきたわけではあるまい。
である以上、時間さえ稼げれば応援が来る可能性は高い。
素早く計算を働かせたリーダーは油断を見せることなく三人の少女を睨み付けた。

「お前たちのような者に名乗る名は――」
「ボクたちはムーン! 闇夜に輝く月の使者、怪盗トライアングルムーンだ!」

バッサリと質問を切り裂くべく発せられようとしていたブレイドの口上がラビットによって遮られる。
瞬間、ブレイドの口元がはっきりと引きつり、ウィッチィがぷっと吹き出した。

(トライアングルムーン、だと!?)

だが、そんな寸劇を笑うことなくリーダーは少女の口から出た単語に驚愕を示した。
怪盗トライアングルムーン。
それはここ最近表でも裏でも有名になってきた名前だった。
一般市民曰く、義賊。
裏の住人曰く、悪魔。
真反対の評価を受けるその怪盗は常に三人一組で動いており、成る程目の前の数と一致する。
その活躍ぶりは世間の情報に疎いリーダーの耳に届くほど有名だった。
狙ったターゲットをほぼ100%の成功率で盗んでいく凄腕の怪盗。
悪い評判を聞く富豪には予告状を送りつけ、警察の警備を潜り抜け悪事の証拠や違法に手に入れた宝石などを盗んでいく。
自分たちのような悪の組織には不意打ちで潜入し重要データや資金を盗んでいく。
しかもそれらを着服することなく、全て元の持ち主や警察に届け、確実に悪を減らし続けている正義の少女たち。
目の前の三人がそうだというのか。

「くっ、これは飛んで火にいるなんとやらだ。ちょうどいい、ここで貴様らを捕まえて俺も一躍有名人にならせてもらおう!」

リーダーは自分を含めた黒服たちを鼓舞すべく大声を出した。
あっという間に三人を倒され、彼女らの正体を聞いて動揺していた黒服たちがその声に気を取り戻す。

「三人ずつで一人に飛び掛れ! 所詮は全員小娘、油断せず行けば倒せない相手ではない!」

リーダーの指示に黒服たちが散らばった。
この辺りは流石に警備を任されただけのことはある。
三方から囲む形で黒服たちは少女たちを一人一人包囲していく。

「三人ずつ…大丈夫ですか?」
「誰に向かっていっている」
「のーぷろぶれむ!」

しかし少女たちに動揺はない。
まるでそれが想定内のことだといわんばかりに各自が三方に散らばった。

「何…!?」

自分たちから不利になるようなフォーメーションをとるトライアングルムーンにリーダーはいぶかしむ。
だがその疑惑を解消する間もなく、戦端は開かれた。

「さて、いっくよー!」

快活な掛け声と共にラビットが跳躍する。
意表を突かれた黒服の一人が慌てて上を見上げると、落下してくるカモシカのようなの足が見えた。

「ぶぐっ!!」

少女のスカートの中身を目撃したのを最後に、その黒服の視界がブラックアウトする。
といってもラビットのスカートの下はスパッツであり、下着は見えないので蹴られ損だったといえるのだが。

「てめっ、このガキ…!」
「誰がガキだよっ!」

背後から襲い掛かる黒服。
だが、次の瞬間には四肢に激痛を感じて後ろに倒れこんでしまう。
原因は少女の手から投げ放たれたナイフだった。
四本のナイフは正確に両手首足首に命中し、まるで昆虫の標本のように男を床へと大の字に倒れこませた。

「死ねぇ!」

最後の一人が着地の瞬間を狙ってナイフを突き出した。
流石にこれはかわせまい。
そう確信した瞬間、彼は目標を見失った。

「え」

ゾクリとした悪寒と共に、目に見える景色がスローモーションのように動く。
下を見ると、そこに少女はいた。
余程柔軟な身体を持っているのか、マトリクスのようにスウェーしたその身体が男の目に映る。
天井と平行になっている露出したお腹に贅肉はまるで見えない。
くびれの少ないウエストと、その中央にちょこんと鎮座している裸のおへそが可愛らしい。
胸は予想通り小さく、こうして胴体を倒した格好になるとその隆起はかろうじて判別できる程度に過ぎない。

「んー」

しかし少女の身体を観賞することができたのはここまでだった。
バネ仕掛けのようにラビットの身体がショートの青髪をたなびかせてぐんっと元の位置に戻ろうと跳ね上がってくる。
男はなんとか防御しようと身体を動かそうとするが、手遅れだった。

「しょっ!」
「ぐべっ!?」

反動で重さののった拳が正確に男の顔面を打ち抜き、そして彼は意識を失った。

「さっさとかかってこい」

一分の油断もない冷たい口調でそう言い放つブレイドに男たちは動けなかった。
殺気、いや剣気というべきか。
それは男たちの背筋にゾクゾクとしたものを与え、一歩踏み込ませる勇気を持たせない。
だが、いつまでもこうしているわけにもいかない。
そう考えた男の一人が女剣士のほうから動くように仕向けるべく、口を開いた。

「へ、へへ…そう焦るなよ。三対一だぜ? 素直に降参すれば殺しはしない」
「そうそう、その後ちょっと俺たちに奉仕してくれれば開放だってしてやるぜ?」
「姉ちゃんだってそっちのほうがいいだろ? なんせそのでかい乳だ、今まで何人の男を誑かしてきたのやら」

一人が口を開くとそれに追従するように他の二人も口を開く。
三人の視線はブレイドの身体へと向かっていた。
細くくびれた腰、ジーンズの上からでもわかる長くすらりとした足。
そして何よりもシャツとジャケットを大きくグイッと押し上げているバスト。
剣を振るうには邪魔であろうほどの大きさのそれは男たちの欲情を誘うには申し分ない。

「黙れ」

だが、次の瞬間。
男たちはたったの三文字でその口を閉じた。
ブレイドから放たれる剣気に、怒気が混じり始めたのだ。

「貴様ら男どもはいつもそうだ…汚らわしいっ!!」

ドン! と床を踏み抜きそうな勢いで女剣士が駆けた。
男たちは誰一人としてその踏み込みに反応できない。
瞬間、ブレイドの正面にいた男が最初にやられた男と同じようにみぞおちを突きこまれる。

「なっ!?」
「こ、このアマァ! もう勘弁ならねえ。そのデカパイをヒイヒイいうまで揉みしだいて――」

ドス!
威勢良く踏み出そうとした男がやはりみぞおちに突きをくらい、音もなく倒れこんでいく。
この間僅か五秒。
僅か秒で三人のうち二人が沈んでしまった。

「ちょっ――」
「来世では女に生まれろ」

そして、最後の一人も悲鳴を上げる暇なく女剣士の放った一線に意識を刈り取られるのだった。

「さて」

ウィッチィの右手が振られた瞬間、ひゅんっと風を切り裂く音が発生した。
白魚のようにたおやかな五指に握られている武器は鞭だった。
しかしこの場面、彼女に相対する三人の男は場違いにも少女に対して苦笑を漏らしてしまう。
他の二人と違い、ウィッチィはいかにもとろそうというか、穏やかな雰囲気があった。
服装もどことなく気品を感じさせ、荒事には向かないお嬢様といった風情である。
そんな少女が鞭を振り回しているのだ、絵的にも滑稽でしかない。

「おいおいお嬢ちゃん。本気で俺たちとやりあう気か?」
「ええ、勿論です」
「やめとけって。怪我じゃすまないぜ? ま、すませるつもりもないけどな」

そういってニヤニヤと男たちは金髪少女の身体をなめるように見つめる。
少女の身体は特にこれといって目立つ部分があるわけではなかった。
胸が特別大きいわけでも、身長が高いというわけでもない。
だが、抱けば折れそうなほっそりとした腰を中心にそのプロポーションは少女の体躯にあつらえた様に整っていた。
手足から僅かに露出している肌も白色の絹のように滑らかそうでいながら、それでいて確かな肉の弾力を感じさせそうな様態だ。
美しい金髪もあいまって、おそらく全裸になればその美貌は一種の芸術とさえなるであろう。
あの身体に触りたい、あの肌にむしゃぶりつきたい、あの可憐な唇を吸い尽くしたい――
男たちの色欲が一気に高まっていくが、ウィッチィはそれを意にも介さず口を開いた。

「ごめんなさい」

いきなりの少女の謝罪に男たちは首を傾げ、そして凍りついた。
バシィ! というビンタを強化したような音と共に男の一人が卒倒してしまったからだった。

「な、なんだ!?」
「えいっ」

可愛らしい掛け声と共に右腕が振るわれる。
動揺に反応が遅れた二人目がやはり打撃音と共に倒れ伏していく。

「バカな…!」

あっという間の孤立に焦りを感じつつも最後の黒服は間合いをつめるべく少女へと駆け出した。
少女が鞭を振りかぶるのが見えるが、一発食らうくらいなら問題はない。
やられた奴らは当たり所が悪かったんだろう、そう結論して男は急所をガードしつつ突進していく。
しかし次の瞬間、皮膚に感じる鋭利な痛みを感じると共に男は全身を硬直させた。
何故仲間たちが一撃でやられたのか、その理由を身をもって知ることができたからだった。

(で、電気鞭か、よ……大人しそうな顔してなんて女…)

最後の部下が電気鞭をくらって倒れていく姿をリーダーは呆然と眺めていた。
正に圧倒的だった。
少女たち三人は、それぞれ三人ずつの男を相手に無傷で勝利してしまったのだ。

(くそ、拳銃さえ使えていれば…)

さして広くない室内という制約上、使うことができなかった武器を思い、ギリリと歯を噛み締める。
だが、すぐさま男は頭を振ってその考えを消した。
恐らくは拳銃を使っても結果は変わらなかっただろう。
それだけ少女たち――トライアングルムーンは強く、そして早かった。
神速の剣士に軽身のナイフ使い、そして電気鞭の金髪少女。
とてもじゃないが、現状の装備と人員で勝ち目は見出せない、一対三なら尚更である。

「で、どうする? 残ったのはおじさんだけだよ?」
「…降参だ。できれば見逃してくれるとありがたい」

俺はまだ三十なんだが。
愚痴を口には出さずリーダーは両手を上げて敵意のないことを示す。
女剣士はそんな態度が不服のようだったが、他の二人はあっさりとそれを承諾した。

(って、げ!? おいおい、あの金庫の電子キーはそう簡単に開くもんじゃないはずだぞ)

ブレイドの射るような視線に監視されつつ、リーダーは眼前で展開されている光景に冷や汗をかいた。
腰のホルスターに鞭を収めたウィッチィが金庫に近づき、右手を差し出したかと思えば、僅か数秒で鉄壁を誇るはずのロックが解除されてしまったのだ。

(これで俺も失業確定か…いやその前に命があるんだろうか)

ウィッチィの手に組織のアキレス腱ともいうべき書類が収められていた。
今までのトライアングルムーンの手口からして、明日にでも組織は潰される。
そうなってしまえばその原因の一端を担うことになってしまった自分の命はない。

「…よし、と。これで全部ですね」
「終わったのか?」
「はい。用も済みましたし、長居は無用…引き上げましょう」
「りょーかい!」

よし、逃げよう。
監視されつつも数秒で決意を固めたリーダーがふと目を上げた瞬間、そこに怪盗たちの姿は影も形もなかった。
唯一、残されているのは月をあしらったデザインのカードだけ。
そして、男はそこに書かれていた文字を読み、深く深く溜息をついて天井を見上げた。

「怪盗トライアングルムーン参上、か。確かに腕は立つようだが、いつまでも調子に乗っていたら痛い目にあうぜ…この都市ミリオンじゃな」

負け惜しみとも、心配とも取れる声音で呟く男の表情は、皮肉気に歪んでいた。